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聖戦士シャーロイル~名探偵になりたかったのに、何故かヒーローになってしまった~  作者: XX
第4章:賢者アスタル

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第34話 新鋭女性政治家

「ただいまー」


 魔道具の店にエリクサーを買いに行って。

 事務所に帰ると、市子が自分のデスクの席に座って、事務所のテレビを見ていた。

 数年前のモデルの、それなりの画面の液晶テレビ。


 そして


「あ、おかえり」


 振り返ってそう一言。


 ……これ、どうなのかなと思わないでもない。

 まぁ、俺も良く見てるんだけどさ。


 勤務時間中にテレビ。


 個人事務所だから、文句言う奴いないから。

 仕事の手が空いたときにたまに見てるんだよな。


 スポーツの世界大会のときは、1日中つけていたこともある。


 まぁ、来客が来たら消すんだけどな。

 流石に。


「何を見てるの?」


「政治家討論番組。大物政治家が多数出てるの」


「へぇ」


 市子はスマホ片手にテレビを見ていた。

 ……推しの政治家が出てんのか?


 画面には40代の女性が映ってて


『最優先で守らなければいけないのは、先祖から受け継いだこの国でしょう!』


 男性の政治家相手に一歩も引かないで、堂々と発言していた。


「うーん、流石垂井先生。私たち女性の星」


 市子は感心していた。

 この政治家が推しなのか。


 俺はあまり政治に興味が無くて。

 有名どころ以外、あまり政治家の名前を憶えていない。

 選挙では、親の代から「まぁ、間違いないだろう」って言われてる議員の「武南ぶなん鮒太郎ふなたろう」と、与党の自由滅菌党に投票してる。


 だから軽い気持ちで


「この政治家有名なの?」


 そう訊いたら。

 市子はよくぞ訊いてくれた! という感じで。


「うん! 最近急浮上してきた新鋭の女性政治家! 経歴が好きなんだよねぇ~!」


 早口で捲し立てる。

 市子曰く……


 元々、万年野党の「国民続出党」……略して国続こくぞく党の議員だったんだけど。

 ある日突然


「もう、こんな国を滅ぼすことにやっきになってるクズの集まりに居るのはやめます!」


 そう言い放ち、たった1人で離党。

 そのまま潰れるかと思われたんだけど……


 駅前で演説することからやり直し、そこから与党に拾われて、今や女性総理を狙える位階にまで到達したんだと。


 ……へぇ。

 かっこいいな。


 俺も興味を持ってしまう。

 そんな気骨のある政治家って実在するんだな。今の時代も。


 テレビ画面に名前が出ていた。


 垂井明日花……。

 痩せ型の、キチンとした女性で。

 眼力が印象的だった。


「うっは、今の垂井先生の発言に、SNSが湧いてるよ。……同感だ! って言葉もあるし、批判も多いなー……」


 市子はスマホを覗き込み、そんなことを

 ちょっと不満そう


 俺は


「まぁ、言論空間としてはそれが健全なんじゃ無いのか?」


 そう返した。

 俺の言葉に


「……そうかなぁ? 私には垂井先生が言ってることが間違いだとは思えないけど」


 市子がそう言って来た。

 俺は


「全員イエスマンになるのは危ないんだよ。1回、歴史上の独裁者が生まれるまでの話を調べてみ? この垂井さんがそうだとは言わないけど、一定数批判する人間は居た方がいいの」


 そう言った。

 ……まあ、高校のときに読んだ推理小説の受け売りだけどな。

シャンゼリオンの企画段階の言葉に「誰もが認めるヒーローは危ない」ってのがありましてね……。


読んでいただき感謝です。

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