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聖戦士シャーロイル~名探偵になりたかったのに、何故かヒーローになってしまった~  作者: XX
第3章:闇闘士ゼイモン

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第32話 彼の名は

 ゼイモンが去ったので、俺は変身を解いた。

 身体が痛むが……


 骨折はしてないと……思う。

 多分だけど。


 一応、レントゲン撮った方が良いだろな。

 しかし……


 足元に倒れているオバサン。

 死んでいる……


 人の死体を見つけた場合の、国民の常識的行動は1つ……


 俺は身体の痛みを押し殺し、スマホを取り出して。

 救急車を呼んだんだ。




「うわーん! お母さん!」


「うえーん!! 死なないでー!」


 ……表の通りの方に、救急車がやって来て。

 あのオバサンを担架に乗せて運んで行く。


 無駄なんだけどな。

 死んでるし。プシュケーを無くしているからな。

 手遅れだ。


 俺はそれが分かっているけど、他の人はそうじゃない。


 その担架にオバサンの2人の子供が縋りついて、泣きじゃくっていた。


 ……あのオバサンにはムカムカしたし、死ぬほど嫌いだったけど。

 ああいう風に、死体に子供たちが縋りついているのは……堪えた。

 見ていられるものでは無い。


 あのとき、俺は勢いで言ったけど。


 間引かれて良い人間なんて、居てたまるか。

 そう、俺は何度でも言い返せる。

 これは、俺の本心だ。


『守らねばならない』


(ああ)


 ……タケルさんの言葉に、俺はそう返した。




★ここから先は、闇闘士ゼイモン視点です★



 僕は加速で聖戦士との戦いを離脱した。


 加速……

 僕の固有能力。


 その効果は「自分の行動を1000倍の速さに加速する」というもの。


 ただし。


 それは結果に早く到達するだけ。

 周囲に与える影響は変わらない。


 なので、所謂衝撃波というものも出ないし、打撃の威力が上がったりもしないんだ。


 あと……結果に到達する体感時間も同様に短くなるので、事前にやろうと思ったことしかできないという難点がある。


 そう……

 あの聖戦士シャーロイルに看破された通りだよ。


 つまり、あまり複雑な行動は出来ないんだ。


 だから、打撃を加える場合は拳撃が中心になるし。

 狙う箇所も的が大きく動きにくい胴体になりがちだ。


 とはいえ、頑張れば顔面パンチを一撃入れるくらいなら出来るだろう。


 そう思い、集中したのだけど……


 まさか、それでハメられるなんて。

 正直、感服した。


 戦士の血が疼く。

 殺し合いでないのであれば、また戦いたいものだ。


 ……そう思いつつ


 僕は人間に変身した。


 ……ビシッとした紺色のスーツを身に纏った、一目で分かる出来る男に。

 僕の人間としての仕事は弁護士だから、見た目は非常に重要なんだ。


 清潔感と、真面目さの無い弁護士に法律で相談しようなんて考える奴はいないからね。


 しかし……


「イテテ……結構いいのをもらってしまったな」


 顔をしかめつつ、あの聖戦士の放射したエネルギー波が直撃した胸をさする。

 衝撃で吹き飛ばされたが、骨まではイってないようだ。


 多分フルパワーで無かったから、この程度で済んだんだろうな。

 危なかった。


 まぁ、次は無いけどね。

 気合を入れるため、またたい焼きでも食べるとしよう。


 たい焼きの味を思い出し、僕は笑みを浮かべる。



 ……僕の名前は闇闘士ゼイモン。

 そして人間としての仮の名は「黒岡修吾」


 弁護士をやってる、30代の男だ。

ゼイモンの固有能力「加速」の設定は、20年以上前にKanonとシャンゼリオンのクロスオーバーを書いてたときに考えたもので。

その二次での黒岩省吾役を務める月宮あゆが変身する「暗黒騎士あゆザー」の特殊能力に出す予定でした。

出す前にジオが消滅して、二次SSごと消えたので日の目を今まで見なかったけどね!


読んでいただき感謝です。

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