第23話 DQNおばさん
赤い服のオバサンは、店に入って来るなり
「満席なの? 外で待てって言うの? 子連れなのに?」
……店員さんに、満席ですので申し訳ありませんがしばしお待ちを、って言われたらそんなことを言い出したんだ。
ちょっと、嫌な予感はした。
この時点で。
オバサンの口調が、かなり攻撃的だったんだわ。
満席なのはしょうがないだろ。
満席なんだから。
席は有限なんだ。
無限じゃない。
それで何で納得しないんだよ。
そんなことを、パフェを食べながら考えていると
「カウンター席が空いてるじゃない」
……オバサン、そんなことを言い出した。
見ると、確かに空いてる。
2つ……
オバサン、2人の子連れだろ?
数が合わないじゃん。
子供だけでも座らせてってことか?
そう、思っていたら
「そこの若い奴らをそっちに移動させれば、私たちが座れるでしょ! 気が利かないんだからもう!」
……は?
異次元のことを言い出したので、一瞬意味が分からなかった。
「そんなことはできません! 一度ご案内したお客様なんです!」
店員さん、拒否。
「こっちは子連れよ!? 気を利かせたらどうなの!?」
オバサン、激昂。
「この店、配慮が足りないわ!」
……オバサン、ヒステリックに喚き散らしている。
子供たち2人は、ボケーっと母親の振る舞いを見ていた。
俺たち、食べ始めたばっかりなんだよな。
まだ食べ終わるのに数分掛かるだろうし……
食べ終わった後に、コーヒーを頼むつもりなんだが?
正直、メッチャ迷惑で腹が立つ。
子連れだから何なんだよ?
全てにおいて自分たちが優先されるべきだとでも?
ふざけてんなぁ……
ムカムカしてくる。
折角のパフェなのに。
「御幸君……私たち、移動した方が良いのかな?」
市子も不愉快そうだったけど、ここに座り続ける限り、あのオバサンは黙りそうには無いからか。
そんな提案。
だけど
「そんなことをしたら、無法モンの要求を聞き入れた店になってしまうよな。ここ」
だから、迷惑。
するべきではない。
俺の指摘に
「そっか」
市子は納得してくれた。
……とはいえ。
どうしたもんかね?
「申し訳ありませんが、他のお客様のご迷惑になりますので、これ以上暴れるのであればお帰り願えますか?」
「何が帰れだ!? こっちは客よ!? ギャオオオオオオン!」
……オバサンが喚き散らしてる。
店員さん、困り果ててるな。
……最悪だ。
そう、思っていたとき。
「ああ、警察ですか? ええ、ちょっと店で暴れている人が居まして。店員さんが困り果ててるので、来ていただけますと……ああはい、すぐ来てくれる。分かりました。場所は……」
そう、良く通る声で。
カウンター席の客の男性が、スマホで警察に通報したんだ。
紺色の立派なスーツで身を包んだ、がっしりした男性。
髭は綺麗に剃ってて、髪も綺麗に整えている。
彫りが深い、男らしい顔立ち。
年齢は、俺より少し上か?
……その瞬間。
オバサンが真っ青になった。
そりゃま、通報されるわな。
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