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第14話 詰んだかもしれないとき

「いやいや、違うから!」


 俺が肩を掴んだ男は、慌てて否定した。

 根拠として自分の名刺を出しつつ。


「俺、探偵!」


 名刺には、どっかの探偵事務所の名前が書いてある。


 ……例え探偵業でもストーカーは違法だからね。

 ストーカーと間違われるのは面倒というか。


 探偵の尾行は執着や好意によるものでは無いので、付きまとい行為……つまりストーカーにはならないんだけど。

 そんなの、見た目じゃ分からないわけだし。


 探偵だと言わない限り、警察に突き出される恐れがある。


 そして、違法行為で警察に突き出されると確実に商売に影響すると思う。

 尾行で罪にはならないって法律で決まっててもさ

 捕まるイコール尾行の腕が大したことのないんだな、って思われるだろうし。


 出来れば避けたいわ。警察沙汰は。


 だから俺は、この俺が投げ掛けた疑いに関しての彼の返し。

 自分からの告白。


 自分が探偵であると明かしたら、疑いは晴れるわけだし。

 向こうから告白して来たことに、別に不自然さは感じない。

 だから、この告白……というか名刺は信じて良いんじゃないかな?


 ただまぁ


 名刺の内容を一応メモったのと


「……誰に依頼されたんだ?」


 これ。

 一応訊いておく。


 しかしまぁ、当然それは


「言えるわけないだろ。アホか」


 一刀両断。


 ……だよね。

 分かってたけど。


 守秘義務あるわけだし。

 ここで依頼人の名前を明かしたら、もうこの業界でやっていけないよ。




 依頼人は教えられなかったけど。

 状況的に見て、雇ったのは種田だろうな……。


 現金は、彼への報酬だろうか……?

 探偵はタダでは雇えないしな。



 しかし……それは何のために?


 調べてもしょうがないだろ。

 自分がフラれたのが彼女の浮気の結果だとか思いたかった?


 彼女、婚約して無かったろ? 確か。

 じゃあ調べても、まだ自由恋愛だから慰謝料に結びつかんし……


 何故だ?


「どうしたの?」


 事務所で俺が考えていたら。

 自分の仕事が一段落した市子が、考え込んでる俺を見て声を掛けて来た。


 俺は


「行き詰った」


 そう言った。

 すると


「あー」


 市子は複雑な表情を浮かべる。

 ……?


 俺が不可解な表情を浮かべていたのか。

 彼女は


「実はさ、あの件の依頼人さんが、ストーカー被害が止まらない。どうすればいいか、って」


 ……流れで、ウチに泣きついて来たのか。

 ハッキリ言ってそういうのはお門違いなんだけど……

 俺たちは警察じゃないわけだし。


 関わった手前、何とかしてあげたいよな……


 でも……方法が……

 思いつかない。


 そのときだ。


 ひとつ、思いついたんだ。

 閃きと言っていい。


 だから


(なあ、タケルさん)


 呼びかける。

 脳内に住んでいる先輩戦士に。


 俺の呼び掛けに、タケルさんは


『どうしたミユキ?』


 即座に返答。

 そこで俺は


(市子に、聖戦士の力を明かしていいか?)


 ……こう、訊いたんだ。

 向こうが、息を呑んだ気配を感じた。

何故に?


読んでいただき感謝です。

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