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第128話 どうでも良いじゃないですか

 ゼイモンがサウザントブロウをメギドに叩き込む。

 メギドが舞い降りて来た瞬間に行ったんだ。


 1000倍速度で踏み込んで、1000倍速度の連撃を叩き込む。

 まともに喰らい、メギドは吹き飛ばされた。


「どうだ……!?」


 拳を繰り出した姿勢で1000倍速を解除するゼイモン。

 だが……


「残念でしたね……無駄です」


 吹き飛ばされるだけでダメージは無いようだ。

 くるくると宙を舞い、メギドサイズを振り上げてゼイモンに迫る。


 メギドが纏っている魔光波のオーラの鎧は、打撃ダメージまでも防ぐのか……!


 こいつはおそらく、ガルザムたちの口から俺のメギドセイバーを編み出す修行について聞いたに違いない。

 そして聞いた情報から、即座に自分でも同様の修行を行ったんだ。

 その結果、今のように自分も俺やベルゼブと同じ行為ができる状態になったのか……!


 こいつはクズだけど、用意周到だ。

 備えを抜かりなく行って、打てる手は全部打ってやがる……!


 もうちょっと、怠惰な奴なら勝ち目があっただろうに……!


 俺は絶望的な気分になった。


 ……こんなどうしようもなく邪悪なヤツに負けるなんて絶対に御免だ……!

 何が何でも勝たないと……!


 でも、どうすれば……?


 埋めようの無い圧倒的な力の差。

 

 そのとき。

 メギドがあざけるように言った。


「シャイタンが完全召喚されていたら、こうはなっていませんよ」


 メギドはメギドサイズを振るい、ゼイモンに斬り付ける。

 ゼイモンはそれを危なげなく躱すが……余裕が無い。


 そりゃそうだ。


 メギドの攻撃は当たれば終わり。

 なのにゼイモンの攻撃は一切通じない……!


 仮にその技量に天地の開きがあっても余裕なんか出るわけが無い。


「……仮にフルパワーなら、私が負けていました。いくら修行して魔光波操作の技を身に着けていてもね……」


 ゼイモンに大鎌の斬撃を振るいつつ、愉しそうに語る。


「だから、完全召喚を阻止するためにガルザムとゼルノスを派遣したんです」


 そして


「……ついでにそのままシャイタンを倒せと言ったのに、それは失敗するなんて無能。本当に面倒くさいことを。使えない奴ら」


 ちょっと待て。

 お前今なんて言った!?


 ……お前が修行できたのは誰のお陰だ?

 ふざけんなよ……


 ガルザムとゼルノス。

 俺はあいつら嫌いだったし、実際敵だった。


 だけど……

 その言い草はなんだ!?


 俺は怒りで歯を食いしばった。

 そして怒声を放つ。


「無能だと? ……その2人の情報で、今のお前があるのにそれを言うのか!? ふざけんな!」


 だが俺のそんな怒りを


「言ったことを全部クリアできなければ無能ですよ」


 ピーピー喚かないで下さい。

 私の部下にもなれなかった、くだらないコマが。


 そう口にしたメギドの目は……


 心の底から俺たちを見下す目だった。


『……僕が神と崇め、全ての聖戦士が拝んで来た存在がこれか』


 タケルさんの嘆きが脳裏で響く。

 俺は


「俺の中の聖戦士が、アンタの存在に嘆いているよ。人生賭けて仕えた相手がこれなのか、と」


 言わずにいられなかったから、そう言った。


「別に空腹解消装置からどう思われようがどうでも良いんですが」


 メギドは笑顔で返す。


「ふざけるなメギド!」


 ゼイモンが叫ぶ。


「お前のせいでどれだけの価値ある人間、ナラッカが死んだと思っている!?」


 そんなゼイモンの叫びを


「人間はほっといてもまた増えますよ。何を怒ってるんですか?」


 メギドは面倒くさそうな表情を崩さずに


「それに私1人が生き残れば、ナラッカが滅んだことにはなりませんし。別にどうでもいいじゃないですか」


 そう言い切った。

 ……なんてヤツだ。


 仮にも同胞だろうがよ……!


「貴様はもうナラッカでは無い! 許さぬ!」


「恥を知れ化け物め!」


 その言葉に、シャイタンとゼイモンが怒りを爆発させ、攻撃を重ねる。

 だが、メギドの身体を包むオーラの鎧はびくともしない。

 涼しい顔で全てを受け切り、変わらぬ調子で斬り付けて来る。


 ……どうする?

 このままじゃ、勝てないぞ……!

減点主義ってのはマジで最悪なのだ。


読んでいただき感謝です。

ここまでの物語が面白いと思って下さった方、是非評価、ブクマ、感想等をお願い致します。

(反響を実感できるのは書き手の喜びです)

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