深域➁
航平は厨二病
害は無い。
「おう、でも、まぁもうその必要も無いかもだけどなw。」
僕らの目の前にあるハイツを勇斗が指さす。ここか。このハイツは何年も人がいなくて、
「いつつぶれるんだろw」と笑った記憶がある。ゴメンナサイ…。人来てました。
さて…、どんな人なんだろう。勇斗に先導されながら部屋の前まで到着することができた。
「ぶっちゃけるとどうなの?どんな人?」
答えにくそうな顔だな…。え、まじでやばい系の人?それは勘弁してくれよ。分かり合えないよ。
「航平。世の中には変わった奴がたくさんいるよな。」
え、なになに…。なんだいきなり。怖いんですが。
「え?うん。そりゃまあ。」
一定数のコミュニティで生活していれば自分と合わない人だったり逆に自分と相性のいい人は自然と出てくるものだろう。
「……。俺はさ、変人にも害がある変人とそうじゃないやつがいると思うわけよ。例えば変わったものが好きな奴がいたとしてもそれは、他人に考えを押し付けなきゃ特に害は無いわけだろ?」
「つまり?」
「だからな…。えーと…ここに住んでる人を一言で表すと、………
厨二病_」
「ピーンポーン」
僕が部屋のインターホンを鳴らすのに言葉はいらなかった。
高2なのにね