偽善➁下
「あっああ…そうだな…。」
果出花神社。
僕と、勇斗。明日花。佳奈さんとよく遊んだ。今となっては懐かしくも思う神社だ。
「懐かしいなぁ……」
「航平!思い出にひたるのもいいが…まずは動こう。俺等にできるのはそれくらいしか……ないんだろう。?」
やっぱりこういうとき動けない僕とは違い勇斗は頼りになる。
でもとは言ってもなぁ…
「この田舎だよ?人隠すところなんていくらでもあるんじゃ…」
「まぁ確かにな…でもそんなに人里離れてないことは確かだ。明日花はスマホを使えてるはずだからな。」
鋭いし、的確。確かにな。そんなに山奥じゃないことは確かだけど…そこからが進めない。し、そもそも明日花がそのへんの山で行方不明になるとも思えない。昔山で迷子になったとき、僕を先導して山を下りてた…。スペックの差よ。
イケメンの勇斗といい。何がとは言わないが全体的に高スペックの佳奈さんといい…。
たとえ大体の見当がついたとしても本当にざっくりしたところまでしか追えない。
「取り敢えずなにか知ってそうな人に聞いてみるとかするか。」
「そーだな…あ、そういえば佳奈んとこのおばさんは?知ってたのか?」
「いや?知らなかった。隠してる感じとかでもなさそうだったけどな…。」