帰還➁
前回の続きから始まる感じとなっています。
少しでも楽しんでもらえれば幸いです。
少し格好をつけてしまったが、別に格好が良いと思って言ったわけではない。
ただ僕が、製作した「死ぬまでに一度は言ってみたいことランキングトップ20」に入っていたから言ってみただけで、別に言いたかったわけでもない。そう、仕方なかったんだ。…
「〜次は下谷〜下谷〜」
……死ぬほど恥ずかしいタイミングで、新幹線を降りることになってしまった。
僕は胸の中にある羞恥心を心の奥底にしまい込みながら、読んでいた漫画を、無造作にリュックサックに入れ急いで座席の横の列に並ぶ。窓の外に写っているのは、さすが駅のある町というだけあり、少しばかり栄えているような町並みがある。この下谷市からバスで30分程で僕の故郷。山護市に到着する。少し楽しみで、少し緊張する。
なぜなら…
そんなことを考えていると目の前に列がなくなっていた。後ろから舌打ちが聞こえる。急ごう。
僕は少し急ぎ足で新幹線を降り駅のホームへと足を踏み入れる。相変わらず人が多くも少なくもないホームだ。今は夏休みなので多いほうなのだろうか?まぁ一般的なホームといった感じだろう。空気が気持ちいい。この一般ホームに僕は少し懐かしさを感じる。
2年前はここが、ゴールだったのに。
今度は、ここがスタートラインだ。
一般ホームに別れを告げ、足早に階段を駆け下りる。大都会都心部と違い、ホームを降りても大混雑に苛まれることもない。
非常に便利だ。僕はポケットの中で少しクシャクシャになっていた切符を取り出し改札に通す。僕も改札を通り切符を回収。
「ふぅ~」
僕は安堵のあまり声がでる。正直、新幹線なんて滅多に乗らないのでうまくここ迄来ることができるかとても心配だったのだ。
「さて、バスにでも乗って山護までいくか…」
そう思い歩き出したときだった。不意に懐かしい声が聞こえた。かつていくつもの夏をともに過ごした親友。僕の2番目に出来た
友達。
「よう、航平。久しぶり」
まだ物語の内容がよくわからない感じになっているのであんまり面白くないと思います。楽しめませんよね。(汗)次回から物語の全容を少しづつ明かしていく感じにします。
ありがとうございました。