天に還る
私の体が、震える。
ふるふると小刻みに震える。
すると、私の背中が白く欠けてくる。
その欠片は、ふわふわの羽根になり、
そして、その羽根は白い小鳥に変わっていく。
小鳥たちはばさばさと翼を震わせ、空を舞う。
私の背中は止まることなく欠けていきそして、
その欠片は全て小鳥となり空を舞う。
だんだん。
だんだん。
私の背中が無くなっていく。
だんだん。
だんだん。
私の体が失くなっていく。
気づけばもう、顔と手しか残っていなくて。
それ以外は全て白い小鳥になり、
私の体を巣立つ。
そして、残っていた顔と手も──……
私の体は、全部白い小鳥になった。
小鳥たちはばさばさと翼を震わせ、
青空を昇る。
目映い光に向かって、昇っていく。
私の欠片全てが、天に還っていく。
私は最期に、望んでいた『自由』を手に────