脅威、そして、
てーん
バキバキ!!ドン!ドン!
けたたましい音と共に、私たちの前に、体長3メートルを超える体毛が黒い左目に3本の傷のある大熊が姿を現す。
大熊は、私たちを視界にとらえると。
「ゔおおおおお!!!」
と、雄叫びを上げて、二本足たちとなり、軍用ナイフのような鋭い爪を構える。
レッドも熊が構えを取ったのに合わせて迎撃体勢に入る。
レッドが構えを取ったのをみた大熊は「ニタァ」といやらしい笑みを浮かべ、襲い掛かる。
その表情からは、獲物というよりもいいおもちゃを待ったというような余裕を感じる。
大熊は、レッドに接近すると同時に右の爪を振りかぶる!と見せかけて、ニタァとした笑みを浮かべ、大口を開けて、レッドの頭めがけて噛みつこうとする。
それでも、レッドは動じることなく牙が触れるかというところで大熊の懐に入り、一本背負の要領で投げ飛ばしてしまう。
一瞬の出来事で、私には熊が飛んで行ったことしかわからなかった。
「な、何があったの!」
レッドは、笑いながら「投げ飛ばした」という
大熊には、そこまでダメージはないようで、すぐに起き上がるがなぜ自分が空中を飛んでいたのか理解できずに、レッドを見て固まっていた。
その隙をレッドは見逃さず、熊の一瞬の隙をつき、喉を潰す。
「がっ!……」
その声を最後にズシン!と倒れる。
「はい!終わり」
レッドは何事もなかったかのように荷物を持ち、私のところまでやってくる。
「レッドが強いのは分かっていたけど、ここまでなんて……」
「いや。まだまだだよ。この熊よりも力ならハウグストの方が強いよ」
本当にレッドと言い、ハウグストさんと言い、なんで強さなの……
熊との戦闘を終えたレッドと私が話していると
ピシッ!バキバキバキ!
そんな音が聞こえた瞬間に、突然それまで立っていた地面がなくなり、私たちは大穴の中へと落ちていく。
「ルーナ!」
と、レッドは、私の名前を呼ぶと手を伸ばす。
「レッド!」
私も手を伸ばすが、すんでのところで掴み損ねてしまう。
私たちはそこの見えない大穴へと落ちていく……
つづく……
うーん