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婚約編3


征爾と絢音は新しいマンションに到着したところだ。


「わぁ、広~~~ い。征爾さん…ここ…思っていたよりもずっとすごいですね。」


「そう?でも間取り3LDKだから一般的だと思うよ。」


「…そんなことないと思います!ここ、リビングがめちゃくちゃ広いじゃないですか。」


「うーん、まぁ20畳だしね…」


「一部屋は12畳あるし、残りの2部屋だって10畳と8畳で、どのお部屋もみんな広いし…キッチンはコンロが3つもあって、すごくおしゃれだし…あっ、これ、この洗濯機って乾燥までできる大きいのじゃないですか!」


「うん。だって、外に干す時間はなかなかないだろうからね。」


「うう…すでにすごい…」


「それでアヤ、ここが寝室。二人で寝るところだよ。」


「ふっ、ふった…り…」


「ふったりじゃなくて、二人ね。アヤと一緒にゆっくり眠れるように大きなベッドにしたんだ。キングサイズだよ。寝相が悪くても大丈夫だね。あとクローゼットもウォークインで容量はたっぷりあるから二人分の洋服は十分に収納できるから安心だね。」


「そ…そうです…ね…」


「それでね、アヤ、こっちが二人の仕事部屋。ほら、お揃いの机を置いたんだ。本も収納できるようにしたからね。アヤが十分勉強できるように環境も整えてあるんだ。あ、寝室もこの部屋も防音は完璧だよ。」


「え、は?防音?」


「そう。医者って色々勉強しなきゃいけないって聞いてさ、手術の動画を見たりとかもするらしいよね。兄貴は初めて見た時、うわぁーとか叫んじゃったらしいんだよね。」


「叫んだんですか?」


「うん。兄貴…ああ見えてちょっとスプラッターに弱いんだ。」


「え…お医者さんなのに?」


「うん。血に慣れるため…とか言って、ちょっとやばい映画を見ちゃったらしい。」


「…ホラー映画…とか?」


「そう。」


「あぁ…それで…」


「うん。ものすごい叫びだったらしいよ。」


「そっか…」


「そう、そう言うことがもしあったりしたら、マンションだから苦情が来ちゃったりしてアヤが勉強しずらくなっちゃうのが嫌だったんだ。だから、念のためにね。」


「そっか…そうなんですね…あの…気を付けます。そういう映画は見ないようにします。」


「うん。まぁでも、見ちゃうときもあるかもしれないからね。アヤ、怖がりだけど、俺と一緒だとちょっとだけ見たいとか思ったりするでしょ?」


「え、何で…わかっちゃうの…」


「そりゃ、アヤは俺の大事な愛しいフィアンセだからね。何でもわかるよ。」


「そ…そうなんだ…フィアンセだともっとわかっちゃうのか…」


「そうだね。ほら、二人で見るとしたら寝室で見ることだってあるでしょ。プロジェクター寝室に設置しておいたから、寝ながら映画見れるしね。」


「…う…そ…それは…魅力的な…」


「どっちかって言うと、寝室の防音の方が大事だよね。映画見るのは主に寝室だろうからね。防音はバッチリだから安心していいよ。」


「そうですね。私、絶対叫びそうです…。征爾さん、いろいろ考えてもらってありがとうございます。」


「もちろん、絢音のためにね。アヤが俺と二人で過ごすことが一番快適だと思ってもらいたいし、二人で一緒にいることが一番嬉しいと思ってもらいたいからね。」


「征爾さん、本当にありがとうございます。でも…あの…私はすでに…征爾さんといつも一緒に居れたら嬉しいなって…そう思ってますよ?」


「アヤ…アヤは本当に…」


征爾は絢音を抱きしめる。

こんなに素直で、俺の意図に全く気付いていない絢音…

本当に愛しい…。

俺の絢音…俺の番…早く俺の妻になって、絢音…


しばらく絢音を堪能した後、征爾はサンルームに連れていく。


「ええっ、なにここ!すごい、すごい、すごいっ!!!」


「うん、いいでしょ。ここ。サンルームで結構広いんだ。アヤは植物を育てたいだろうと思ってね。プランター植えになっちゃうけど、ここなら日もよく当たるし、水捌けの工事はしっかりやってあるから水がこぼれても大丈夫だし、ここのガラスは特殊ガラスを入れてもらったから、台風が来ても大丈夫だよ。あと全体にシェードも特別に作ったから、夏暑すぎる場合はそれを使うといいしね。

結構広めでしょ。植物育てるだけじゃなくて、アヤとここでハーブティーを飲みながらくつろいでもいいよね。」


「征爾さん、こんな…凄い…このサンルームって、絶対私のためにわざわざ用意してくれたんですよね。」


「うん。だって、この家はアヤと俺の家だからね。俺だけの家じゃないよ。」


「…でも…ここを用意してくれたのは征爾さんで…」


「だって、アヤは俺の奥さんでしょ。未来のだけど、大事な奥さんなんだから当たり前でしょ。」


「それは…とっても嬉しいです…でも…ここのマンションって、絶対すっごくお高い……」


「アヤ、値段のことを気にしているの?」


「だって…」


「さっきも言ったでしょ。全然大丈夫だよ。アヤ、心配しているみたいだけど、これくらいのマンションだったら、あと4,5つ買っても全然困らない程度には貯めてあるよ。」


「…え…4つ5つ…って…ええええええーーーーー」


「あぁ、俺の奥さんは可愛いなぁ…ホント可愛い…」


「え、あ…あの…」


「ね、だから大丈夫。それよりも足りない物とかある?一通り揃えてはあるけど、アヤの好みと違ったら、変えてもいいんだよ。」


「征爾さん、私のこと、私よりわかっているんじゃないかと思います。だって、どこも全部素敵で、不足とかないです。」


「そうか…よかった。それならあとはアヤの荷物を運び込むだけだね。」


「そうですね。すっごい素敵なおうち…いいのかな…私…ここに住んじゃって…」


「いいに決まってるでしょ。本当はね、最初は戸建てを買おうかとも思ったんだけどね。ほら、アヤは絶対ガーデニングをする場所が必要でしょ。でも今はそこまでの時間はないだろうし、サンルームしかないけど、ここなら少しだけどアヤが植物を育てるのを楽しめるんじゃないかって思ってるよ。家が大きいと掃除の手間とかもかかっちゃうしね。家政婦さんをお願いしてもいいけど、まだ新婚の間は誰にも邪魔されたくないしね。だから、今はマンションにして、子どもができたら引っ越しを考えればいいと思ったんだ。」


「し…新婚…こ…子ども…」


「そう、未来のね。今はフィアンセだね。」


「う…はい…」


「それでアヤ、いつからこっちに来る?」


「え…できれば…すぐにでも来たいです。でも…荷物作らないとだし…家族にも…」


「ご両親はすぐでもいいっておっしゃってたから、そっちは大丈夫かな。」


「私が…あまりにも毎回…」


「うん。アヤがね、みんな可愛いんだよ。」


「そっか…」


「それで?」


「荷物は…2,3日でまとめられると思います。そしたら…空いている週末に荷物を持って来れるかな…来週荷物を作ったら、その次の週末に運べるかな…年明けくらいにこっちへお引越しに…」


「それじゃこの後段ボールを買ってからアヤの家へ送るよ。今日はできるだけ荷物を作って。」


「え…」


「明日は俺もアヤの家に行って手伝うよ。土曜日だしもともと休みにしてたから。それで日曜日に全部運ぼう!」


「そ、それは…素早い…」


「だって、俺、待てないから。一日でも早く一緒に過ごしたい。」


「そ、それは…私も…です。」


「フフフ、すごく楽しみだね。」


「はい。」


「それに…週明けたらちょうどクリスマスだ。」


「あ…そうだった…」


「クリスマス、俺、日中は仕事だけど夜は戻ってくるから、そうしたら外で食事をしてから家でゆっくりしよう。」


「はい…」


「クリスマスの日、アヤの全部をもらう。」


「え!」


「アヤ…心の準備をしておいてね。」


「う…」


全身真っ赤になった絢音を征爾は抱きしめる。


ようやく…ようやくだ…

もうすぐ…絢音のすべてを手に入れることができる…

いや…まだすべてではないか…法的には…まだ絢音は家族ではないから…

絢音…愛しているよ…絢音…早く…絢音を愛したい…深く深く愛したい…

絢音の奥まで…すべてをつなげて…絢音…俺の絢音…愛しているよ…絢音…


絢音はチョロいです。あり得ないくらい簡単に征爾に丸め込まれます。基本、全幅の信頼があるので疑う、ということにたどり着かないようです。ただし疑わないということは征爾限定…。

防音についての征爾の意図は当然、夜の…ムニャムニャ…………


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