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大自然とおかしな日常

今日から新学期。桜吹雪の中を花びらを浴びなから髪をなびかせ自転車をこいで真新しい気持ちで学校に向かって…

(目覚まし時計の音聞こえるな。あれ?私は学校に向かってない?向かってなーい!)

「マジかよ!めっちゃ勉強頑張って入った高校なのに初日から遅刻ー!」

こんにちは!皆さん!私はそんじょそこらの普通の女子高生!今日からね。いや女子高生のはずなんだけど初日から遅刻です!名前は紅。名前の由来はお婆ちゃんが紅花畑をしていたから。単純だけど私は気に入っている。小さいときから私はお婆ちゃん

の側でおばあちゃんの知恵を教わりながら田舎暮らしを満喫してたんだ。

婆ちゃんは朝がはやい。畑に行くからだ。

毎日婆ちゃんは摺り足で歩いていた。私が朝起きるとお婆ちゃんは炊きたてのご飯の湯気に包まれながらぬか漬物を出している。糠は毎日かき混ぜないとカビがはえるらしい。糠は子供を、扱うようにやさーしくやさーしくと教えられて小さい時から知恵をひとつひとつ一つ一つ丁寧に育てられてきた。

さて、婆ちゃんは我が家のマスコット的な存在でありながら人生の先輩よでもあり私の癒しでもある。

「ぶぇにーつぃこくすっどー!」訳しますが「紅ー!遅刻するぞー!」私も最初は何を話してるのか理解に苦しみましたが慣れですね。今は癒しな言葉になってます。

風景や木々の臭いや田畑に実る紅花。毎日同じようにお婆ちゃんとなんやかんやと過ごしていた。

田舎暮らしは不便じゃないかとよく都会の両親に言われるけど不便ってかんじた事ないし自然が私の友達だからとっても素敵な毎日よ。

とは言うものの現実遅刻ですわ。お婆ちゃんの作ってくれたホカホカごはんに野菜たっぷり味噌汁のおかげで自転車も最大で漕げるってものよー! 

私は小さいときから体が弱くて1日学校行けば1週間は体調不良。そんなこんなで勉強はおいてけぼりの居残り勉強の日々。だからお婆ちゃんの住んでいる田舎さーきたんだよー。両親から離れて暮らしているけど都会にはないきれいな空気てきれいな山々。とまー短めに話ししたけどどう考えても遅刻確定だなハイテクしていたからじゃねぇけっど脚力で圧勝だな。いーぐべー!「婆ちゃんいってきまーす!風呂炊きまでには帰ってくるからー!」

ってな訳で学校到着。汗だくの、毎日の自転車こぎのおかげで足がプロ並みに太くなっている。電動自転車は我が家には来ないんでしょうかね。

学校生活も少しは慣れ、苦手なスポーツも体力をつけるため頑張っていた。田舎の学校でもスポーツや文学など盛んな学校で町の人々も皆家族の様に優しく、時には厳しく、困った事があれば助け会いの癒しな町だった。だから私も何かと町の人達にお世話になりながら育った。

紅畑は青空と清んだ空気、綺麗な水、太陽そしてお婆ちゃんの手で綺麗な黄色の花を咲かせている。

紅花の産地であるお婆ちゃんの里。紅花が入ってきたのは、室町時代末期と考えられています。正確には江戸時代中期を境に急速に再拝が加速していきました。明治時代になると四川省産などの中国紅花の輸入が盛んになり、戦後昭和25年から保存会などが組織されて、生産が拡大していきました。

とまぁ説明すればもっとたくさんお伝えしていでしが、きりがないのでそのへんで手短にご説明させて頂きました。

さて、話は私の日常に戻ってしまいますが、お婆ちゃんにお風呂焚き約束してたので風のごとく帰宅しましょう!

「お婆ちゃんただいま~」

家のお風呂は五右衛門ぶろ。薪で沸かす鉄釜のお風呂。薪を鉈でかちわり、おばあちゃんが夕方沸かします。煙突から煙が近所中からもモクモクと夕方立ちこめて夕焼けの空に1日の終わりを告げる合図のように空に向かって行きます。

(あー煙の匂い。臭い)目が渋い。

明日の分の薪割りもしておこう。

お婆ちゃんのお風呂焚きは前日の灰をしゃべるで掃除してから薪をくべて始める。

それをじっと婆ちゃんの隣で視てるのが大好きだった。なんだかその空間が癒しでもあった。

都会の人の憧れる田舎暮らしも住んでる私達には当たり前の日常だからなんで憧れるんだべなー。

逆に都会に憧れるけど憧れるだけ。現実多分私には合わない。

いつか夢ができたら向かう場所なんだと思う。今はこの場所が心地いい。

「ぶぇにー晩の支度もしねーど!」

「わがってるー。畑から菜の花取ってきてけろ!婆ちゃん!」家の敷地には野菜の畑がある。四季折々の野菜が婆ちゃんの畑に顔を出している。

春は菜の花や山菜なんかも採れる。周りの木々が風にゆられてザワザワ話をしている。種まきの時期でもあるから婆ちゃんは毎日紅花が畑と家の畑を往復しながら汗をぬぐってはせせこらがんばっていた。

夏にはトマトやきゅうりになすやらまー種類豊富に収穫できることで野菜料理も豊富にできる。

秋は大根、人参、さつまいも、ジャガイモなどなど。秋野菜はおでんや味噌汁、天ぷらや煮物などまたこりゃ美味しい季節です。

冬は菜っ葉が積もった雪にひきしめられて甘味がまして美味しいのだ。

しかし女子高生が話す事かね。田舎育ちの軽い雑談です。

さて、そろそろ晩御飯もできましたね。

「婆ちゃーん!晩飯できたー!ご飯にすっぺー!

」ハッキリ言うと疲れます。学校帰ってからの一仕事が爆睡をうながしてはくれますが、体はバキバキです。そんな春の桜吹雪も散り始めた5月の新緑のまぶしい日、朝いつものように五右衛門ぶろの残り湯で顔をあらってるとクンクンと何か犬?狐?何だか鳴いてる声が聞こえてきて、まー空耳か!と顔を洗い流してると、またクンクン聞こえてくる。

(犬かな?)窓をそっと開けると狐が震えていた。

「どうしたの?あなた仲間からはぐれたの?とにかく早く保護しなきゃ!」急いでかけよると草むらに逃げてしまう。ゆっくり保護しなきゃ!

「狐さん、大丈夫だよ!おいで!こっちだよ!あー逃げないでー」狐さん警戒してるのかな…

その時お婆ちゃんが「いつも見守ってもらってーありがとうございます。紅はおかげさまで高校生になりました。」はっ?何?私は頭の整理ができなくて 

婆ちゃんの行動をただ見ていた。 

婆ちゃん懐かしそうに狐さんと話をしているようにみえた。そういえば わがやの裏にお稲荷さまの小さなほこらが昔からあって、普通に通り道として誰もが使っていた。私は何だかほこらの脇を通るのが心苦しく感じていたけど、誰も手を合わせないし私もスルーしていた。お正月だけは婆ちゃがお餅とお茶を供えていたたからその時だけは一緒に手を合わせていた。

「婆ちゃん、狐と話してたよね!」

「なーにばがなごといってんだ?そだな話すてねーではやぐすたくすろ!」

「えー?話してたわ!普通に見てたし。」

朝から気になる出来事ではあったけど、学校に向かいながら必死に自転車漕いだら忘れてしまっていた。

そんな出来事があったのが嘘のように日々過ぎる中で記憶から消えていった。新緑の草木と山々の響く鳥の鳴き声に澄んだ空気と美味しい水。そんな婆ちゃんと自然の中での生活が大好きで楽しかったからほこらの狐さんは気にもとめなくなっていたのかもしれない。

学校では私は窓側の席が理想なのに小学校時から前、真ん中、廊下側。不思議と窓側に当たらないのだ。くじ運がないみたい。窓側ならドラマのように外を見てると校庭にイケメン君が箸ってたり、あるいていたりするから、授業中妄想できるのに。そんな楽しみもなく結局は後ろの廊下側。まーそんなもんでしょ!結局どこに席があろうとクラスの皆とは上手くやっていかなくちゃね。次こそは窓側とってやるかるなー。と密かに心で叫んでいた。

そんなこんなで日々は藤の花が山々にうす紫のカーテンを広げる時期になっていた。野菜の種植えも忙しくなって婆ちゃんは畑で1日働いていた。自給自足は都会の憧れなんてどこが?って思ってしまう。朝は早いし天候に左右されるし手入れは毎日品種によっ手間はかかるし、私には手伝いだけでくたびれてしまって憧れよりも疲労て筋肉痛が先になる。

でも、そんな手間が私達の生活を支えてくれているんだと感謝しつつご飯をガツ食いする。

婆ちゃんの爪は土が入ってくろずんていた。そんな婆ちゃんはまた朝早く出かける。今日は紅畑だ。

しかし、お婆様神々しい。私なんかまだまだおばあさまには追いつきません。下っぱも下っぱ。

そんな毎日か日々過ぎて行き、初夏の日差しが眩しい季節になりました。相変わらず自転車こいで汗だくで足はさらに太くなりつつある私。祠の場所も記憶からすっかり抜けてた今日この頃。学校生活も少し飽きてきたし何か変化がないかと教室を見渡していた。すると私の席の隣は誰も居なかったはずなのに色白の細い男子が授業をうけている。まーいっか。…じゃなくよく恋愛ドラマやコミックにありがちな展開。なんじゃ?

私はチラ見をこかしすぎて逆に怪しまれているようだった。(しかし色白だなー。うらやましいわ!)(転校生?…でも朝からいたか?よく考えろ!紅!……んーいなかったような居たような。)頭をグシャグシャにしながら考えていると、「クスッ。」っと色白男子が笑った。(なんじゃ?奇妙な男子だな。)

周りのクラスメートも何も不思議がらず色白男子に話しかけてるし私が入学してから気づかなかったって事になるんだけど、ありえんわ!隣の席なのに?

あー疲れてんだわ。きっと。

その日は淡々と過ぎて行き、放課後になった。相変わらず色白男子は普通の男子だ。当たり前か。そして私は田んぼの畦道を重いペダルを最大の脚力を出して帰った。

「婆ちゃんただいま~!薪割りするよー!婆ちゃん?婆ちゃんー!」

「なんだべ。でけー声出すて!おがえり。腹減ったべ。」

「婆ちゃんどごさいだんだ?いっつも畑にいるのにいないから心配したべ。」どうやら婆ちゃんは家の裏の祠を掃除していたようだった。

曲がった腰をゆっくり上げて手には雑草の束を持って。

「婆ちゃんなして草むしりなんか祠の掃除年末しかしねがったのに。」私は婆ちゃんの1日のルーティンに祠の掃除がいつから追加されていたのか全く

気づきもしなかった。しかしあの祠…。

そんな日常も慣れて気にもとめなきなったある日、色白男子君は席替えで私の隣から離れた場所にいた。一番前だ。(くぅー先生の真ん前だー。可哀想に。)他人事だから私は後ろから毎日遠い背中を眺めていた。でもずっと眺めていたら先生と目が会う。すると先生は笑顔を見せる。だから私は目のやり場が困り窓から見える山々と清んだ青空を眺めていた。天気が良い日はすべてが絵にも描けない素敵な景色がどこを見渡しても目に入ってくる。

無になって景色を眺めていたら何やらこっちに向かってくる。


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