表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の姉はいつも優しい  作者: 烏川 ハル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/4

第一話「おかえり、ちーちゃん。あら、高橋くんも一緒なのね」

   

「おかえり、ちーちゃん。あら、高橋くんも一緒なのね」

 私が「ただいま」を言うより早く、姉の松理まつりが声をかけてきた。

 まさか、姉の方が先に帰宅しているとは思わなかった。これは大きな誤算だ!

 恋人同伴の私としては、彼を姉に会わせることなく、私の部屋まで連れて行こう、と考えていたのだから。

「姉さんこそ、今日は早いのね」

「ええ、授業が少しだけ早めに終わったのよ」

 と、私たち姉妹が言葉を交わすのを待ってから。

 高橋くんが、ぺこりと頭を下げる。

「お邪魔します、松理さん」

「こんにちは、高橋くん。久しぶり……というほどでもないかしら。月曜日にクラブで会ったばかりだものね」

 姉は冗談っぽい言い方で、高橋くんに微笑みを返した。


 高橋くんは、私と同じ中学一年生。学校も同じだが、クラスは違う。本来、出会う機会なんてなかったのかもしれない。

 私たち二人の接点になったのは、姉の松理だった。

 写真部の部長をしている姉は、時々、部員を家に連れてくる。個人所有の道具の中には、部室ではなく家に置いてあるものもあり、それらを見せたり貸したりしながら、後輩たちに色々と手ほどきするためだった。

 カメラ初心者の高橋くんも、そうした後輩たちの一人。そもそも彼は、部活紹介のテントを見て回っている時に、

「カメラに興味はありませんか?」

 と、姉に声をかけられたのだという。

 彼としては、あくまでも適当に声をかけられただけ、と思いながらも、優しそうな美人の先輩に誘われて、悪い気はしなかったらしい。それで、特に興味もなかった写真部に入ろうと決めたそうだ。

 しかし。

 私は知っている。

 いくら新入部員勧誘の場であっても、けして姉は、誰彼構わず声をかけるようなタイプではない、ということを。

 わざわざ姉が声をかけた以上、高橋くんには、よほど惹かれるものがあったに違いない。

 そして。

 それは私も同じであり……。

 姉が彼を家に連れてきたあの日。私は一目で、恋に落ちてしまった。

   

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ