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コークス王国礼拝殿

私は、これからゲームとか、あらすじとか関係なく好きなように生きていく。


もちろん、魔王討伐に協力はするけど、アデル様の笑顔を守る。

お母様、妹、父上様達の笑顔を守る。


シータークェやシメーズィがいない国で平和に暮らせるように。





「あなたはは軽人なのでしたか、道理で飛ばされやすいわけだ。気を付けてくださいね。最近は、魔力量が多い風が吹いてきていますから」

老人は、軽人……つまり、軽い人種だった。

軽人は普通の人間とは違うので男と女が同数だけいる。そして、草玉がないので死ににくい。

「すまんのぅ。畑を見に行ったら飛ばされてしまったんじゃよ。助けてくれてありがとうのう。そうじゃ、西の魔には気をつけなされ」

そう言って帰って行った






「先程の続きですが、何故舞踏会のことを覚えているのですか?」

「私には記憶操作が効かないのですよ。日雲王国の王女ほぼ全員、記憶操作が効かない体質なのです。」


「私のことが好きだというのは?いつから?」

「初めてあった時から大好きでした。私を救ってくれたアデル様が!だから、将来的には アデル様の奥さんになりたいです!」

「は?」

「あ……。えっとぉ」


………恥ずかしい。妄想が口に出てしまった。


「いえ、あの、すみません」

「いや、大丈夫ですよ。まさか貴方がそんなことを言うとは思わなかったので驚きましたが」

アデルは笑いながら言った。あまり笑わない方として知られているアデル様の笑顔はファンが見たら倒れる人が出るのではないだろうか。

チャンス!

「昔のようにタメ口でお願い致します、アデル様」

「すみません、緋彩姫。そんな恐れ多いこと私ごときにできるわけがありません」

アデル様はいつも完璧を演じているけれど本当は自分に自信が無いんだと知っている。


なんでも出来るようになったのは見捨てられるのが怖かったからで、超人ではない彼にある能力が神から授かりし〝鶏の羽根〟だったのだ。


詳しく言うと、神力で翼?を出して飛ぶことが出来るのだ。

気味悪がる令嬢も多いと聞く。

だが、その能力で私は助けられたのだ。

幼き日の舞踏会。

賊が入ったホールで、3階から落ちそうになる私を飛んで助けに来てくれたのがアデルだった。


ゲームでも、小説でもなく〝私〟が体験した出来事。

自分自身が、架空の人としてでは無く〝現実〟にいる人として好きになったのは、舞踏会の時なのである。

草玉の力は見たことがあった。魔力についても知っていた。

でも、それはどちらでもなかった。草玉では羽が生えたりはしないし、魔力の羽は真っ黒のはずで……。

私を助けた後、彼は私に謝った。怖い思いをさせてすまなかったと。

記憶は消すとも言った。


私は忘れていなかった。日雲王国の姫だから、記憶操作は効かない。


他国の貴族である彼がそれを知らなかったとしてもおかしくは無い。



この国でみなが持ち、尊いのは草玉とされている。

シータークェの一族や、一部の女は魔力を持つ。

コークス王国の王族貴族が多く持っているのが神力だ。


平民も持っているが、覚醒させていないため魔法は魔法石がないと使えない。

魔法石は高価な為、平民にはなかなか買うことが出来ない。


平民の成績優秀者はほとんどが国内の高等学校に進むので、そこで使い方を学び、神力を覚醒させていくらしい。


日雲王国では違う。

草玉は、力の悪用を防ぐために高等学校に入学するまで封印されている。

男子は全員草玉について学ぶが、女子は四大高等学校のみ、草玉の使用が学べる。


草玉は、元人である神アラスティメウレスの力だ。

神力は虹の神イリス、魔力は風の神ヴァンスの力が元となっておるらしい。


力にそれほど大きな違いはないが使える能力が違くなるのだ。





「アデル様の笑顔は、人を幸せに出来ます。だから、絶対自分を卑下しないでください。〝私ごとき〟とか、言わないでください!アデル様は凄いのに、そんなこと言ったら悲しいです。」


「緋彩姫、それは私を過大評価しすぎです」

「いえ、私が生きているのは貴方様のおかげでしょう。感謝しているのです。もう今日は帰ります。また来ますね。」

「……お待ちしております」

「今度来た時はアデル様の素晴らしさを教えて差し上げますから」

アデルは苦笑した。

「それは出来れば御遠慮願いたいものですね」

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