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姉の死と貴族の闇

「緋彩姫様!急ぎ謁見の間へお越しください。陛下がお呼びです。」

慌てて走ってきた女官に樹夜姫は注意した。

「女官ともあろうもの、いかなる時も落ち着きなさい」

樹夜姫を見て今気付いたのだろう、此処がどこなのか。

「申し訳ございません。」

「謝罪はいいわ、要件は何?」

「真珠姫様が、亡くなられたそうです。」

嘘でしょ?姉上が?どうして……

「今朝まで、元気だったじゃない。もうすぐ嫁ぐって嬉しそうに話してたじゃない」

「貴族院高等学校に賊が入ったそうで、生徒を守るため草玉を使い果たしたと聞きました。」

呼吸が荒くなり、心臓がドクンドクンといつもよりも速くなっているのが分かる。

姉上が死んだなんて、そんな。

「緋彩姫!落ち着いて!」

「落ち着けるわけ、ないでしょっ!」

息が苦しい。目が回る。


目を開けると、お母様とお父様がいた。

「緋彩」

優しく呼びかけてくれて、あぁ、姉上が死んだなんて、嫌な夢を見たんだなと思った。

「真珠が、死んだよ。」

平坦な声で話す父と、目を真っ赤にして泣いている母。

「うそ…でしょう?姉上が、死んだり…」

かすれた声しか出てこない。

信じたくないよ。

「緋彩。割り切って頂戴。王族に生まれた以上危険は避けられないの。」

後宮内での諍いは随分減ったとはいえ、貧しい国は戦争もしている。

「真珠がいない今、緋彩が、貴族学校に通う事となる。」

貴族学校?身分が高くなければ入れない学校。

外国の貴族との結婚を目標とする学校。

「ロベリアは辞めると言うことですか?入ったばかりなのに?」

「そうだ。西先から一人は出さなくては西先当主が何を言い出すか分からぬ。賢いそなたが闇を暴いてくれれば性根が腐った貴族共は崩壊するだろう。」

祖父であるあの爺さんか。

前世での父親に似ているから嫌いだし、公共費をくすねていることは分かっている。

ただ、なかなかしっぽを掴ませないから罰を与えられないのだ。

「承知しました。ですが、約束してください。私は外国には嫁ぎません。学校を移るだけです。」

これが譲歩の限界だ。行って、闘ってやる。

今度こそ幸せな恋愛がしたい!







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