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心配させないでよ

「父上っ!」

シータークェが父上何かしたのか?許せない、許さない。怒りで理性を失いかけていた。

「大事無い。この血はほとんど奴の返り血、龍の力が強すぎただけだ」

父上が息を荒くしながら言う。確かにシータークェは拳ひとつ分位の黒い石になっている。確かに死んだのだ。加護を持つものにしか使うことの出来ない龍の魔術で(いにしえ)の禁術を持ってしても蘇ることの無いように葬ったのは英断だと言える。だが、それとこれとは別だ。

「何も知らずに崩れ落ちた父上を見る私の身にもなってください」

「すまぬ、だが戦いは終わりではない。戦えぬ妃達は結界の中に居るが、戦うことの出来る姫や妃はそれぞれ持ち場についておる。重臣に隠れたシータークェの仲間を見つけ出し、囚えるのだ」

「私共は何をすれば?」父上はやっとミリーとメティに気がついたようだ。先程合流したばかりだからずっと気づかなかった訳では無いのだが他国の姫とこの国の王であるということでお互いに簡単な挨拶を交わしていた。

ミリーが父上に許可を取り治癒をかけた。やはりそれなりに大きな怪我をしていたのだ。

シメーズィを異母妹が捕獲、西先分家筋の妃達も念の為捕えたと連絡が来た。


残るは女王ルビー・ラ・カーフィス。メティには辛い役目を負わせてしまう。もし私にこの世界の情報がなかったのならメティを疑い計画に参加させなかっただろう。いつも慈悲深くあり、それでいて間違いを正せる厳しさを持つメティ。

私とミリーの考えていることが分かったのかメティは「わたくしに誓いの腕輪をつけてくださいませ」と言った。

誓いの腕輪は、腕輪に誓うことと期限を設定すると、誓いを達成するか期限が来るまで外れない。そして、誓いを破れば命を落とす。


それゆえに隷属させる時くらいにしか使われないものだ。

「この戦い、わたくしは緋彩姫達の事を正しいと思ったのです。母の事を心から憎むことは出来ません。ですが母は……いえ、ルビー女王は過ちを犯しすぎたのです。わたくしは罪を償って欲しいのです」

「それほどの覚悟があるのなら、緋彩が持っている腕輪をつけて差しあげなさい。王族の覚悟を無下にしてはならぬ」

「はい、父上。メティ、誓いを」バッグの中のケースから腕輪を取り出し、メティに向ける。

「わたくし、メテオライト・カーフィスはこの戦いにおいて正義を持つ緋彩姫達を裏切らず、実の母であろうとも容赦はしないと誓います。誓いの腕輪よ、我の覚悟を神のもとまで…」

「期限は戦いが終結するまで!」


「緋彩。これは真珠の(ぎょく)で作った守りの指輪だ。緋彩が戦いに参加すると聞いて宝寿が作ってくれたのだ。持っていきなさい」

真珠お姉様の黒い玉は、シータークェの真っ黒な石とは違って美しく輝いている。

このお守りを持っていると不思議と恐怖が薄れてきた。


世の中を正すなんて建前でしかないけれど、私は大切な人を守るためなら他を犠牲にすることだってできてしまう。


私は心底性格の悪い私のことを好きになることは出来そうにない。

更新遅くなりまして申し訳ございませんm(*_ _)m

ブックマーク&ポイント☆よろしくお願いします!

次は遂にルビー・ラ・カーフィス女王の登場です。


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