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試験的投稿です!

 最近スマホのパスコードを変更したのですが、ほぼ毎回「従来のパスコードを入力 → ハジかれる → 新しいパスコードを入力」という流れを辿るため、ログインに倍の時間がかかります。でも、なんか癪なので元のパスコードには絶対戻しません(別に誰かにパスコードがバレたとか、そういう話じゃないんですけど)。


 なお、指紋認証機能はなぜか突然壊れました。なんでだろー?


 ……はい、この記事にアクセスしてくださった皆さん、こんにちは! すっごい今さらなんですけど、2019年の5月に人類の科学が大きく前進する大事件がありましたよね! 何のことだか分かります?


 そう、質量の基準が「国際キログラム原器」ではなくなったんです! これがどんなにスゴいことか、今から「なるべく誰にでも分かるように」語っていきたいと思います! まぁ、つべこべ言わずに読んでくださいよ!!


 さてさて、皆さんはいつも、体重計に乗って一喜一憂したりとか、体重計に乗って一喜一憂したりとか、あと体重計に乗って一喜一憂したりとかするじゃないですか。5キロくらい痩せてたら喜ぶかもしれませんし、20キロくらい痩せてたら「あはは、死ぬかも」とか思うかもしれません。


 しかしここで、ふと疑問に思うわけです。「1kgって、どうやって決めてるんだ……?」と。


 もし、1kgの大きさが体重計によって違ったら、「俺、この体重計だとメタボ判定喰らうけど、あの体重計ならギリギリセーフなんだよね」なんていう言い訳が横行してしまうに違いありません。その結果、「軽く表示される体重計」の売れ行きが伸び、メーカーが競い合って値を小さくするという「体重のデフレ」が勃発、メタボの人はこの世から消え去ります。……自分より明らかに太っている人が、「俺、体重8 gなんだよね」とかほざいてきたら失笑ものですけど。


 てなわけで、1kgは、だれがどの体重計で測定しても1kgじゃなくちゃ困るのです(当然ですが)。これは質量に限らず、時間や長さなど、様々なことに言えます。「人類に共通した基準」をもうけないと、少なくとも科学の発展は望めないわけです。


 そんな中、質量以外の物理量、すなわち「秒」や「メートル」、「温度」、「電流」などについては、「自然界の現象」で定義することが出来ていました(ただし、今回の改訂で「温度」と「電流」も新しい定義に見直されています。それまで含めると煩雑になるので、ここでは質量のみにフォーカスさせてください)。例えば、「メートル」については、まず「秒」を「セシウム原子のある種の振動の回数」で定義し、その一秒の間に光が真空中を進んだ距離の「1/299792458」と定義されました。


 なお、「メートル」の基準としてかつて使われていた「国際メートル原器」は、1960年にその役割を終えています。たまに、未だに「メートルはメートル原器に基づいている」と思っている方がいらっしゃいますが、今やメートル原器に「科学的な」価値は全くありません(日本国メートル原器は重要文化財か何かになっていたと思います)。


 しかし、しかしです……!!


 質量だけは、「国際キログラム原器」という「白金とイリジウムでできた人工物」を、「人類共通の基準」とせざるを得なかったんです。理由は種々ありますが、端的に言ってしまえば「それが一番正確だったから」です。


 にしても、人類共通の基準が、「世界に一つしか無い金属の塊」では、色々と問題が生じます。真っ先に思いつく問題は、「国際キログラム原器が消滅した場合、質量の基準が誰にも分からなくなる」ことです。国際キログラム原器はフランスで管理されているわけですが、フランスに隕石が落ちてきたり宇宙人に侵略されたり、そうでなくても誰かが「やっべ、落っことして傷つけちゃったテヘペロ」なんてしただけでもうお終いです。本当の「1kg」がどれくらいの大きさなのか、二度と分からなくなります。


 もちろん、数十個の「副原器」が作成され、各国へ配布されているわけですが(日本には日本国キログラム原器がありますね)、一つとして同じものは存在しません。キログラム原器が人間の手作りである以上、「完璧に同じもの」なんて絶対に作れないのです(そもそも、「完全に同じ」と判断するための手段がありません)。


 そしてもう一つ、こちらは現に「科学技術に影響を与えている」問題があります。永久不変の存在として信じられてきた「国際キログラム原器」ですが、作成当時と比べて「明らかに質量が変動している」のです。しかし、「国際キログラム原器」が全ての基準である以上、それがどんな質量になろうと「1kg」になってしまいます。


 ものすごく極端な話ですが、仮に国際キログラム原器の質量が1g増えたとしても、1.001kgとはなりません。基準はあくまでも国際キログラム原器なのですから、国際キログラム原器は常に「1kg」なのです。なので、国際キログラム原器の質量が増加すると、相対的に各国のキログラム原器が「軽くなった」ことになってしまいます。その結果、各国のキログラム原器には「重くする」校正がなされます。そして、それに基づいて作られている天秤のメモリが、芋づる式に変わってしまうのです。


 こうなると、「昨日までは1.00gだった薬が、校正されたら0.99gになってしまった」という事態が発生しかねません。人の体重というレベルではたいしたことの無い変化でも、今日のナノテクノロジーにおいては深刻な問題となるのです。国際キログラム原器の変動に応じてコロコロ質量の値が変わってしまったら、現場は大混乱です。


 ……ゆえに、世界中の科学者が「国際キログラム原器」から卒業するべく、「自然界に存在する不変な基準」をもとめ、長らく研究を続けてきたという次第です。なお、「国際キログラム原器」がキログラムの基準となってから、今年で130年(!)が経過します。


 そしていよいよ! 人類は「質量の基準を自然界に存在する不変性」をもって定義することに成功したのです! それはなんと……!


……後半へ続くよ!(๑>◡<๑)

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