三人寄れば文殊の知恵(アウトプットできるとは言っていない)
先日、本作が1000ブックマークを達成しました。皆様の応援、誠にありがとうございます。作者のテンションも青天井というものです。
皆様から作者への素晴らしいプレゼントのお返しになるかは分かりませんが、活動報告にIR編に登場した主人公の機体、レッドゾーンの設定を掲載しました。お暇な時にでも眺めてください。
ジャンル別日間ランキング1位……だと……?これ、後で統計システムのバグとかそういうアレだったりしませんか?もうスクショ撮りましたからね?
皆様の熱き応援に……感謝……を……(嬉死)
「チーム戦……行っていいのか?俺が……」
対戦形式を選択するインターフェース画面の上で、シングルとチームの間で俺の指が迷う。
正直、しょ~~~~じきな話、チーム戦をやってみたい。だが俺は自他ともに認めるコミュ障。シングルバトルなら事前に考えていたセリフの中から対応できそうなものを言えばいいのだが……。
そう、チーム戦はなぁ……『味方』がいるんだよなぁ。敵Aのセリフに誰が反応すべきかとか、そういう問題も出てくるはず。上手く会話の流れに入っていけなかったら1人だけロールプレイができずにボーナスなしの戦闘を強いられることになる。
そして恥ずかしながら、そうなっている未来が俺には見える。戦場で味方にゴミを見る目を向けられながら、敵にカモられている光景がありありと浮かぶ。
でもさ、ほら、カーネリアンの設定は『寡黙な剣士』じゃん?だったら黙っていることもロールプレイに……やっぱダメかな。
うーん、やっぱりシングルに引き籠るべきか……でも魔人レンジャーしたいし……ランカーのチーム戦、超カッコよかったし……。
待てよ?こう、セリフの多さじゃなくてポリシーでガッチガチに固めて、言葉じゃなくて行動で語るタイプのヒーローはどうだ?
ポリシーはセリフと違って『遵守しなければペナルティを食らう』という明確なデメリットがある代わりに、魔人の設定に合うように自分で決めることができる上に『ボーナスの内容を固定できる』。
JEABDなら『目の前のNPCを助ける』、デスパレードなら『~人殺害する』などが代表的なものに挙げられ、個人ごとにその条件をクリアするたびに事前に設定しておいたボーナスがもらえるという寸法だ。
これならいけるんじゃないだろうか?むしろそういう設定でやってるプレイヤーもいるだろ、絶対。うん……うんうん、これいいんじゃね?有言実行ならぬ無言実行、チームに1人はそういうキャラいるよな。いけるいける、このアイデアいけるって。
そうと決まればカーネリアンの設定をいじろう。知らない人とチーム組むのは心臓と胃に負担がかかるけど、まあゲームで負けても死ぬわけじゃないし。もしも心が折れたらラオシャンでクラゲにでもなって癒されよう。
「えっと……『目の前のNPCを助ける』はそのままで……と……もいいか。……なんてのもいけるな……もどうだ?……まだ盛れるな……。…………。…………よし、できた!」
これだけロールプレイポリシーをドカ盛りにすれば多少喋らなくてもいける……よな?
と、とりあえずやろう。実験台になってしまうチームの皆さんには申し訳ないが、このカーネリアンを試させてもらおう。
5vs5よりは……3vs3だな。さすがに最大人数戦はまだちょっと自信ない……。もしもそれだけの人数に迷惑そうにされたらこのゲームやめたくなるかもだし……。
「あああ手が震えるるるる。いいのか?いっちゃうぞ?押しちゃうからな?……はい押したぁ!押したよ、ランダムチーム戦!もう戻れないぞ俺ぇ!」
以上、アジトの個室で独り騒いでる成人男性の図。大丈夫、まだ学生だからギリギリセーフ。社会人の方々には悪いが、学生であるというだけで許されてしまうことは確かにある。
そんなことよりマッチングは……ドドン!
JEABD:【グリード・フォン・シュバルツ】【千刃流10代目大和舞士】【カーネリアン】
デスパレード:【ボースト・ヒポクリト】【ヴルシュトール】【ホープ・エクスキューショナー】
あのさ、なんかもう始まる前からキャラ濃度で味方に負けてるんだけど、どうしたらいい?名前を聞いただけで負けたと思ったのは骨密度MAX以来だ。
……この名前だけじゃなにも分からないなぁ。多分全部に意味ある名前なんだろうけど、そこからタイプ・スタイルはさすがにわかんねーや。
そして……ついに来たか、この時が。『会議室』に呼ばれる時が。
チーム戦は当然ながらスタイルやロールプレイのためにプレイヤー同士の擦り合わせがいる。さすがにね、その辺はね。『NPCを絶対に助ける』ヒーローキャラと『NPCごとでもデスパレードに攻撃する』ダークヒーローキャラがなんの打ち合わせもなくよーいドンしたら事故ります。確実に味方同士での殴り合いが始まります。
そんな惨事を防ぐためにあるのが『会議室』。要するにミーティングしていけというゲーム側からのお達しである。当然デスパレードもやる。
たしか3分間だっけ?短いよなぁ。でも俺は無駄に長いよりいいよ、超助かる。
さて……他の2人はどんなプレイヤーだろうか……。
☆会議室☆
「「「あの……」」」
「あ……お先にどうぞ」
「い、いえいえ、そちらこそ」
「……どうぞ、さきに」
「「「………」」」
全員コミュ障かよォ!!
なんだ、なんなのだこれは!いったいどうしろと言うのだ!!なぜ数多のプレイヤーからランダムに選ばれた3人が揃いも揃ってコミュ障なんだよ!……本当にどうしろってんだよぉ……。
このまま始まったら大変なことになるぞ、主にデスパレードが。やる気満々で来たら相手3人ともコミュ障だ、異常事態に向こうが混乱すること間違いなし。
会議室の雰囲気も、もはやヒーロー組織じゃなくて暗殺者ギルド。誰も何も話さない。
一分ほどの沈黙の後。あまりの雰囲気に耐え兼ねたのか、1人が何とか喋り出した。
ふっ……この程度の沈黙に耐えられないとは、コミュ障力が低いな。俺はもう最悪三人バラバラで勝手にやる未来までシミュレートしていたというのに。
「あの……とりあえず、魔人とポリシーだけでも。自分は千刃流10代目大和舞士です。クリエイタータイプのアタッカーで……刀生やして侍やってます。武士道精神によって逃げ隠れするとペナルティがつくポリシーです」
ちょっとおどおどした感じの10代目。やっぱりかぁ、タイプ・スタイルが被ってた。でもあれだよね、剣と刀は違うよね。ね?……ちなみに敵前逃亡禁止は俺も盛りました。もはやすべてにおいて負けてる感じがする
「ぐ、グリード・フォン・シュバルツです。アイスロードでディフェンダーを。ポリシーは、騎士道精神により、何があろうとNPCは守ることです。NPCを助けるたびにステアップ、被害が出る度にステダウン、消滅するとさらにダウン。当然、敵前逃亡は禁止です」
妙に緊張した感じのグリードさん。ん?騎士道?え、そんなん10代目と対になってんじゃん。攻めと守りでスタイル相性もいいし。
おいおいおいおい、2人で「え、マジすか?」みたいにいい感じに頷きあってんじゃねーよ。そーゆー風に一人だけハブにするのはいけないと思いまーす。
「……カーネリアン。クリエイター・アタッカー。寡黙な騎士で……セリフよりポリシーで……あ、敵前逃亡は禁止です」
自分で言っててなんだけど、俺ら全員不退転の覚悟完了かよ。新選組なの?敵前逃亡は士道不覚悟により切腹的なアレ?
「ははは、10代目大和舞士は新選組隊士の子孫という設定ですが……まさかですねぇ。初のチーム戦でこうもポリシーが合うとは」
「あ、あの、僕もチーム戦は初ですけど、……アイスロード・ディフェンダーですから、どうぞ盾にしてください」
ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!!今のは聞き逃せないぞ、貴様らァ!
ちょっと待て。2人とも、ちょーーーっと待て。君たちの仲間カーネリアンから、業務連絡がありまァァす!!
「……自分も初チーム戦……です……」
「……(天を仰ぐ)」
「……(両手で顔を覆う)」
「……(表情を消して『無』になる)」
「「「……がんばりましょう……」」」
チーム『敵前逃亡は認められない』。がんばります……。
だれか……助けて……。
読者様が考案してくださったカッコいい魔人を、揃いも揃ってコミュ障疑いのプレイヤーどもにぶん投げた恩知らずがいるらしいです。
誰だそれは、酷い奴だなぁ(棒)。
ちなみにチーム戦玄人は会議室の段階ですでにロールプレイが始まっています。彼らにとってはゲームを起動した瞬間から、自分はすでにヒーローなのです。
次回【確率は収束するがヤバい偏りが無いわけじゃない】
(運の無さと)戦い、(コミュ力の無さに)傷つき、それでも進め。
それこそが血の運命!
次の話も、絶対に見てくれよな!(次回予告風)




