表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダイブ・イントゥ・ゲームズ ~ぼっちなコミュ障、VRゲーム始めました~  作者: 赤鯨
フレンドと共に龍を狩れ!(フレンドは付属しておりません) ~Dragon×SlayerX~
28/281

それは紛れもなくやつさ

こっちの世界に帰って来てから不在時のソシャゲイベントを見返してました。

ジューンブライドイベ……。アイギス様……花嫁オリヴィエくだち……

「えっと……支部の掲示板の横にある部屋の魔法陣に立って、と。ここで検索すればいいのか?ブルマン……ブルマン……あった。じゃあここにジャンプで」


決定の表示を押すと同時、視界が一瞬白く光る。視界がもとに戻っても、そこはジャンプ前とほとんど変わらない。だが、確かにここは青の居るトリオン諸島であるはずだ。


ガチャリと扉を開けて支部のロビーに入ると、そこには多数の龍狩りの姿が。ええ……この中から青ときーちゃん探すの……?

確か集合場所はここの受付カウンター横にある観葉植物の前だっけ?ってことは……いた。

俺も含めて3人とも名字に色が入っているから、それに合わせて赤・青・黄に髪の色だけは変えているんだ。

青もきーちゃんもキャラはデフォルトの顔だからわかりやすいし。イケメンと美少女だからそのままで十分絵になるというか。そんな中に自他ともに認めるモブ顔の俺が混ざると何とも言えない気分になるが、それはそれ。


「お。来たね。ドラスレの中じゃ初めましてだね、赤」


「ああ。2人は……青が大剣(?)で……きーちゃんが弩(?)か?」


「そうです、よくわかりましたね。あーさんのそれも本当に斧なんです?」


「あはは、何それ。そんな武器初めてみたよ。いやぁ、特殊ルート進んでる人は武器からして違うねぇ」


おめーらも十分みょうちきりんな武器持ってるくせに俺の相棒に対して失敬な。確かに見てくれは2つの斧を柄と柄でくっつけたみたいな武器だけど、立派な斧だぞ。


「回天斧って言うらしい。そっちのそれも大概だろ」


青が担いでいるのは鉄塊。大剣っつーかただのデカい金棒だろそれ、鬼が持ってるやつじゃん。きーちゃんのはほんとに弩かそれ?弓の部分も無いし、ぶっとい杭が一本装填されてるだけって俺にはパイルバンカーにしか見えんのだが。


「いやね、大剣みたいにデカくて重いもので刃筋を立てて斬るとか難しいでしょ?だから刃でも腹でも思いっきりぶん殴れば痛いことに変わりないかって、適当に使ってたらこうなったんだ」


「ゼロ距離射撃ばっかりしてたらどうなるのかと思っていたら、こうなりました。すごいですよ、射程距離は剣より短いし装填にも時間がかかりますけど、威力はアホみたいに高いんです」


なぜこいつらは最初から大槌や剣を選ばなかったのだろうか。なんで武器のコンセプトと真逆のことばっかりやってるの?全員揃いも揃って脳筋かよ。

つーかそういう使い方を想定した強化ルートがあるのすごいな。でも斧で連撃型ビルドにしている俺が言える義理じゃないか。武器が対応している以上、これもまた開発の掌の上なのだろう。


「で。クエストって何?」


「うん、レイドボス。12パーティでやるレイドなんだけど、ちょっとめんどくさくってさ。人手がとにかく必要だから手伝って欲しいんだ」


えー。レイドってことは他のパーティもいるのか。それも12パーティって、最大48人だろ?あ、俺らが3人だから47人か。多いなあ。考えただけで人酔いしそう。


「めんどうって、具体的にどんなのなんです?場合によってはスキル編成を見直さないと」


俺もスキル変えないとな。少なくとも一人だけの時にステータス強化の『ハイエンド・アローン』は外さないと。


「それなんだけどねぇ……。相手は千樹龍サウザンドグローブ。ここからちょっと離れたマングローブ林で戦うんだけど、そこに見えるマングローブが全部サウザンドグローブの一部なんだ」


「はぁ?」


「えーっと。つまり……耐久戦ですか?」


「そう。とにもかくにも手当たり次第に相手を片っ端からぶっ飛ばしていかないといけない。四方八方から樹の大軍が押し寄せてくる中、パーティプレイがどうとかいうより相手が死ぬまで殺し続けるっていうタイプのレイドだね」


うわぁ……。参加者が一人減れば他の参加者の負担が激増する、これぞまさにレイドボスって感じのやつだ。

多数の敵と戦うというのは群龍ランツクネヒトと同じだけど、あれは一体の龍に見えるけど実は数十体の小型龍が集まって擬態しているというやつだった。今回はいっぱいに見えるけど実は一体の龍ということか。


「こちらとしては一人でも多く参加者が欲しい。だから、フルメンバー48人で行く。当然、僕たちのパーティにももう1人参加するんだけど……ねえ、そんな露骨に嫌そうな顔しないでよ」


だっていきなり知らん人とパーティ組んでレイドしろとか、コミュ障に対してきつくない?俺、お前ら2人ですらまともな連携取れる自信ないんだけど。そもそもレイドどころかパーティプレイすら初めてなんですが。


「赤も知ってる人だよ。っていうか、別ゲーで僕と君の共通のフレンドでもあるね。あ、来た来た。おーい、こっちでーす」


今まさに転移室から出てきたプレイヤーに向かって青が大きく手を振ると、バッチリとキメたドカ盛りのリーゼントが目を引く、強面のあんちゃんがのっしのっしとこちらへ近づいてきた。

背中にはクソでかい金属製の三度笠のようなものを背負っているので、多分武器は大盾だろうか。


「おいーっす。お、そっちの兄ちゃんが赤信号?また会えるとは思ってなかったぜ」


誰だ。

いやマジでわからん。え?俺と青の共通フレンド?つっても2人でやってるゲームなんてラオシャンとスラクラ、後はIRとドラスレくらいだぞ。

そもそもフレンドを作ったことなんて……。


「おいおい、忘れたのか?一緒にサテライトキャノンぶっ放すために2ケツで爆走した仲じゃねぇか」


サテライト……ああ、ああ!!そうだそうだ、青ときーちゃん以外にもいたな、俺のフレンド。一回こっきりだったし、作戦の都合上でフレンドになったもんだからすっかり意識から外れてた。


「……茶管、だったっけ?」


「イエース、その通り。スラクラの一戦以来だな。あっちで有名人になってから、お前ら全然インしねぇから、何やってんのかちょっと気になってたんだぜ?」


これはなんと、まさかまさかだ。

スラクラで青とサテライトキャノンを撃つために俺がひたすら人柱になり続けていた時、運送役(アッシー君)兼護衛として超活躍してくれた茶管じゃないか。


「にしてもよ。前会った時と顔が変わってねえってことは、お前らそれデフォルト顔?失礼だけどそっちの嬢ちゃんも?」


「うん?まあそうだね。それがどうかした?」


「いやなんだ、俺も大した面じゃあないが……おい、赤信号。……強く生きろよ」


言わんとしていることはわかるが余計なお世話だボケ。

分かってんだよ!青ときーちゃんっていうクソイケメンと美少女2人にモブ顔の冴えない男が混じってたらそりゃ浮くだろうよ!


「あの、私にはこの人がどなたなのかさっぱりなんですけど……」


「あー、ごめんごめん。このリーゼントの兄さんはね……」


唯一面識がないきーちゃんに、青がスラクラでの一件を交えて軽く茶管を紹介する。

にしても、スラクラの時にはこんな髪型じゃなかったと思うんだけどなぁ。まあ、戦場でドンパチする軍人がリーゼントなわけないか。そもそもヘルメットとかフェイスマスクとか被りにくいだろうし。




「なるほど……そういうことがあったんですね。私はヤマブキといいます。どうぞよろしく」


「茶管だ。こっちこそよろしくな」


青からの紹介が終わり、互いに名乗り合う2人。こういう普通のことをスムーズにできる人、憧れます。

その後、あれやこれやと話しているとロビー中央の方からレイド参加者に呼びかける声が上がった。おそらく今回のレイドを主催したプレイヤーだろう。


「すいませーん!サウザンドグローブのレイドに参加する人は、もう少しで出発になるので、スキル編成をするのなら今のうちに済ませてくださいねー。戦場は膝まで浸かるくらいの水場でーす!あと、パーティリーダーはこちらに集まってくださーい!」


うちのパーティリーダーは言い出しっぺの青。当然だよなあ。


「じゃあ僕行ってくるから、スキルの見直しよろしく。特に赤はどうせソロ用のスキルばっかりでしょ?ちゃんと団体戦用に変えといてよ」


へーへー、じゃあさっそくスキル編成所で入れ替えますか。

『群龍を制覇せし者』はともかく、『ハイエンド・アローン』は外すの確定。後は『逃走本能』と『隠密の心得』も要らないか。代わりに何入れようかな、なんぞいいもんあったっけなぁ?


過去取得したスキルの一覧を見ながら、どれがいいのか考える。混戦乱戦上等って感じみたいだから、タフさや回避力を重視するべきか。それで、戦場はマングローブ林で水場だろ?

だったら……水場での行動にマイナス補正が入らなくなる『流水の舞』、STRとVITを強化する『マッシブ・エクスパンション』、転がる・起き上がる動作に補正が入る『七転八起』でどうだ。

猟技は特にいじることは無いか。もともといろんな場面に対応できるようにしてるし。


編成を終えてロビーで待つこと数分。いよいよレイドのフィールドへと移動になった。移動は龍狩り支部の所有する船で付近まで向かい、そこからちょっと歩いて向かうそうだ。


喫水は浅いが甲板が割りと広い帆船に乗ると、レイド参加者はその甲板上に集められて、主催者のパーティが中心となってレイド前のミーティングが始まった。


「今回レイドの総指揮を執らせてもらいます、猟団【インディ・ゴー】の猟団長の藍鴨といいます。まずは皆さん、参加してもらいありがとうございます。サウザンドグローブ討伐はゲーム内時間で日付が変わったと同時に始まり、日の出とともに終わります。この船での移動はあと1時間半といったところでしょうか。睡眠不足のペナルティがつきそうな方は圧縮睡眠用特殊寝袋をいくつか用意してますので後で申し出てくださいね。それではサウザンドグローブについてですが……」


すげぇ。めっちゃペラペラしゃべるよこの人。なんかやり手のビジネスマンが新商品のプレゼンでもしてるのかというくらい言葉が出てくる出てくる。

ふぁー……。この人、リアルでもこんなに喋れるのかな?もしかしてご職業は家電量販店の店員さんでは?あの手の人ってすげぇマシンガントークするよね。ちょっと興味本位で新型PCとか見てると滝の如くスペックの説明からどんな用途に向いているだとか自分もこれを使ってるんですけど~とかもう止まんないよな。個人的に俺が嫌いな職業ランキングトップ3です。一位は美容師、二位は教師、三位が家電量販店販売員。


「あーさん、『なんでこの人こんな喋れるんだろう』って考えているでしょう?」


ぼうっと考えていたら隣に座るきーちゃんが小声でそんなことを言ってきた。


「きーちゃんエスパー?」


「いや、僕でも分かるから。めっちゃ顔に出てる」


「今回が二度目の俺でもわかるわ。携帯端末の新規契約した時のおふくろの顔と同じだ、口ポカーンしてるぜ」


そっかぁ……。そんなに呆けた顔になってたかぁ……。

ラオシャンやってると表情なんてまるで気にしなくなるから、逆に表情筋が緩くなったのかな?


FGO、千年戦争アイギス、フラワーナイトガール。私がやっているゲームって見事にギルドとかないやつばっかりですね。

まあ、そういうのじゃないと都合上続けてられないんですけどね。必要にかられてと言いますか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ