【第六話】波がリズムを刻んでいる間に
『さて...そろそろかな』
カルナがそういうと黒いサングラスの筋肉ゴリゴリのスーツを着た男が俺たちが話していた場所に入ってきた。
『こちらです』
そういうとさっき入ってきた入り口とは反対側の入り口に俺たちを呼んだ。
事態の収集がつかないまま俺とリーデルはその部屋を後にした。
そこからすぐの開けた空間に一台のヘリコプターがプロペラを回して止まっていた。
『さあ早く』そうゴリゴリスーツが言ったときにはすでに俺とリーデルはヘリコプターに乗せられていて.....
『ちょ...私まだ行くとは..』リーデルがそう言ったときにはすでにヘリは飛び立っていた。
『あ、そうそうリーデル!高橋くんに能力についてもっと教えてやれよ!!』カルナはヘリの音に負けず地上からそう叫ぶと...
ヘリはTTOの基地を後にした。
.....これからどうしたものか
『あのリーデルさん...その...能力とかそのあたりのことを...』
俺は無理に連れてこられて不貞腐れてる少女に恐る恐る聞いてみた。
『あ、そうですね。こうなってしまった限り早く終わらせて帰りましょう』
吹っ切れたのか開き直ってそう言うと...
『まず能力は空想上の動物や人間、怪物をもとにできます。そしてその中でもレベルが分けられていて...まあレベルと言っても名前があるかどうかなんですけどね』
『名前がある?お化けのトミーちゃんみたいな?』
俺は面白半分に言ったみた。
『まそうですね。』
(・・・俺はわかっていたよ。うん。)
『あなたも聞いたことがあると思いますが、例えばネッシーとかツチノコのようなものもそうですね』
『ネッシー?UMAのやつ?』
一般的な会話ではすでにないがこれまでの事態がすごかったせいかあまり驚いてはいない。
『んあぁ..そうです』
そう言いながらリーデルはでっかいキャンディーをペロペロ舐めていた。
(いつ出したんだよ、ってかいつ持ってきたんだよ)
そう心の中でのツッコミに関係なくリーデルは話を続けた。
『能力には4段階のレベルで分けられます。まずレベル1が先ほど話したようなUMAのようなものなど。「ドラこえ」でいうスライムとかですね』
『じゃあこういうやつを倒してレベルを上げていく的な?』
俺はちょっと子供心を刺激され少し興奮気味にいうと...
『いや、現実なんでレベルとかいう概念はないですよ。』
と丁寧にに返された。
(いやまあ確かにそうだけど)
・・・・・
(いや、ってか、まず能力とかいう時点で現実離れしてるところはいいの?ねぇいいの?)
『そしてレベル2は歴史上の人物ですね』
『織田信長とか?』
『そうです』
『このレベルは強いには強いのですがなにせ人間なのでねぇ...』
『そしてレベル3は〜....』
(やけにためるな...)
『天使や吸血鬼、ゾンビとかですねここら辺はもう人間とは比較にならないですね』
『お、おう...』
なぜかすごい誇らしげにいうのでその圧に負けてしまった。
『当然、レベルは高ければ高いほど珍しいです。レベル3は日本に10人もいないですね。』
『ほうほう。でレベル4は?』
まあ当然の疑問を聞いてみた。
『ああレベル4は神の力ですね。これはチートレベルで一人で世界を支配できるらしいです。』
『え。それはすごくやばいことでは??』
この異常に慣れてきた俺ですらこれは驚いた
『まあ実在すればですけどね』
『それっていないってこと?』
『はい、遥か昔にいたという噂はありますがもうそれが都市伝説とかになっているレベルです』
(それは能力者の間でってことなのか?噂が流れるほど能力者はいるものなのだろうか)
『ちなみに私は....』
そう誇らしげな顔でリーデルが言った時だった。
『着きました』
ヘリを運転していたゴリゴリスーツがいつの間にか着陸していたヘリの運転席からそう言った。
そのせいでリーデルの言っていたことが聞き取れなかったのでもう一度聞いてみたが...
『また後でいいです..それより早くいきましょう』と言われてしまった。
どこに自分がいるのかわからないが、海が近いのだろう、ヘリの着陸地点からザブンザブンと一定のリズムで波の音がした。
『ここは.....?』
『ここは東京駅から電車で2時間くらいのところです』
(その情報いまどうでもよくない!!)
出会ってからずっと頬の下にご飯粒をつけているゴリゴリスーツがそう言った。
(その情報いまどうでもよくない!!)
二度ツッコミをかましたところでリーデルが俺に言った。
『今からここにいる吸血鬼を捕まえにいきます』
ザブンザブンザブン
波が三回ほどリズムを刻んだ...
『え?』
お久しぶりです。少し最近忙しかったので小説を書くことができませんでした。
季節の変わり目なのでお体に気を付けてください。
次回はいよいよ能力が...次回もよろしくお願いします!