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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

とある女子高校生の怪談話

トイレの花子さん

*注意

この小説は女子高生2人の会話からなる日常のちょっぴりホラーな短編集です。



長かった授業も終わり、ようやく帰宅出来る。

私はユキに向かって声をかけた。


「ユキ、帰ろ。」


「あ、うん、、」

ユキは何故か帰る準備をしようとしない。

いつもは授業が終わる五分前には既に部活の準備や帰る用意を済ませているのに。

密かにこの子には帰宅部の才能があるのでは?と思っている。

そんなユキの様子がおかしい。




「あの、、実は相談があるんやけど」


「どうしたん?」


「あんな、その、、、」




いつもは元気過ぎてうざいユキがしんなりとしてる。

あのアホなユキがこんな深刻な表情ができるなんて。

長い付き合いやけどこんなに悩んでる表情、みかんの剥き方ってヘタ派?それとも下側派?って悩んでた以来やわ。

やっぱアホやったわ。


「ゆっくりでええよ。

ユキのペースで話して。」


「あのさ、私最近寝不足やねん。」


「そうなんやね。

授業中にずっと寝てたもんな。

何があったん?」


「いや、授業中に寝てるのは寝不足関係ないんやけどな。

めっちゃ怖い怪談聞いてしもてそれから夜が怖くて寝られへんねん。」


授業中の居眠りは関係無かったんかい。

それよりも怪談?

ユキからそんな話を聞くのは珍しい。


「それってどんな怪談なん?」




「トイレの花子さんって知ってる?」




トイレの花子さん、、

知っとるわ!!!

全国的に有名であるあのお方やん!

最早小学生から大人まで幅広く愛されてる怪談の1人やろ!!

そもそも花子さんにここまでのタメを使ってくる人初めてみたわ!!!




「知ってるで。

有名やからね。」


「そうなん?

花子さんってさめっちゃ怖くない?」


めっちゃ怖いって程でもないやろ!!



トイレの花子さんと言えば諸説あるけど有名な噂では、


学校の校舎3階のトイレで、扉を3回ノックし、『花子さんいらっしゃいますか?』と尋ねる行為を一番手前の個室から奥まで3回ずつやると3番目の個室からかすかな声で「はい」と返事が返ってくる。そしてその扉を開けると、赤いスカートのおかっぱ頭の女の子がいてトイレに引きずりこまれる。

wiki調べ




って感じの学校の怪談やったなぁ。

それで学校のトイレが怖いって言うんならまだしも家なら安全やからええやろ!!


「それで寝不足なん?」


「そうやねん。

怖くてトイレに行けへんねん。

あ、ごめん、ちょっとトイレに行ってくるわ!」


トイレに行ってるやないかーい!!

全然怖がってないやん!

図太いんか繊細なんかハッキリしろよ!!




「行ってらっしゃい。」


私は心の中でツッコミながら涼しい顔でユキを見送った。

私なんでこんな子と友達になったんやろ?



〜 トイレ後 〜


「フゥー、ただいま!

スッキリしたぁ」


「おかえり。」


「それでどこまで話したっけ?」


なんでこんな話のために放課後の教室に残っとかな開かんのやろ。

しかも微妙にトイレタイムが長いから帰ったろかと思ったわ。

そんな表情を一切見せずに答えた。


「夜眠られへんって所まで聞いたで。」


「そうやったね!

それでな、最近うちの家のトイレに入ったら誰かが見てるような気がして怖くてトイレに行かれへんねん。」



それ良くあるやつやん!

トイレとかシャワー中とかに誰か見てるんじゃないかと思って後ろバッと振り返るやつやん!

シミュクラ現象に近いやん!

しかもトイレの花子さんは覗きをする怪談ちゃうしな!!




「怖い話聞いたら神経が過敏になって、ない物をみてしまう事ってあるらしいし気にしない方がいいで」


「そんな事あるんや!

でも夜も怖くて寝られへんしトイレにも行けへんからどうしたらいいか一緒に考えてよー!!」




なんでやねん!

おねしょでもしてお母さんにでも怒られとけという思いを悟られず、


「分かった、ええよ。」


と返事をした。


「流石!!

よっ、優しさの塊!!」


やかましいわ。




「とりあえずその怪談を忘れる所から始めるのはどう?」


「それが出来たら一番ええんやけど、一回聞いてしもたらそればっかり考えてしまうねん。」


「そうやなぁ。

それやったらこの話が忘れるくらい強烈な話聞かせてあげよっか?」


「何々!?!?

それで忘れられるなら全然聞く!

でももうホラーはこりごりやけど!!」


ホラーちゃうわ、ホラーより怖いから。






「明日から期末テストやで。」





私はついに爆弾を投下した。

ユキはいつもは部活で一緒に帰れんけど、明日から期末テストのため部活は休みだった。

このアホは部活が無いって喜んでたけど、期末テストの存在を完全に記憶から消去してた。



「うせやろ、、、?」



嘘じゃ無いわ。

私は一週間前から勉強してたんや。

このアホとは違って。


「嘘じゃ無いで。

だから早く家に帰って勉強しよ。」


「うわーーん。

アホー、なんでもっと早く言ってくれんかったんよ!!」


「知ってると思ってたから。」



ほんまは知らんかったこと気づいてたんけどな。

まぁ、散々先生が授業中にテストやでって言うてたのに寝てて聞いてないユキが悪いんやで。


「ほんなら早よ帰って勉強しな!!

走って帰ろう!!」


「そうやな。」





〜 一週間後 〜


朝ごはんを食べながらぼんやりとニュースを見ていた。

期末テストが終わった束の間の幸福を堪能している。

徹夜でテスト勉強していたため凄く疲れていた。

今日は学校も休みやし、どっかに行こかなぁ!!

もうすぐ夏休みやし楽しみまくらな!!!





大阪府警によると、7月未明、30代男性が大阪府**市の住宅地のトイレを覗いている姿が近隣住民により発見され逮捕されました。

男性は、女子高生の排泄する姿に興奮を覚えたというような証言をしており容疑を認めている様です。

以上ニュースをお伝えいたしました。










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