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シスコンの兄に通常の恋愛を求めてはならない。

第8話です。ココ最近投稿遅れてすみません。

皆さんならどう思います?

同じ人を好きになったライバルだと思っていた相手が女の子の方じゃなくて自分ことが好きだったら…。そうきっとこんな顔になるでしょう。いやぁあるんですねぇ。こんな顔マンガだけだと思ってましたよ。変顔対決なら絶対に勝てるなぁ。今思い出すとそう思う。



「僕のぉおおおお………!!!!」


「好きな人はぁぁああああ!!!」


「お兄さんですよぉおおおお!!!!」


「いつかぁあ、この恋が叶いますように!!!!!!」




は?




第8話〈嫉妬と苛立ちはやがて憧れに…。〉


俺はジェットコースターで耳がいかれたのだろうか。俺の隣でホモ宣言をしてる奴がいるなんて。しかも、宣言したのはまさかのハイスペックイケメン野郎だ。正直信じたくない。


俺は驚きと恐怖でタクトの方を向きながら唖然としていた。目ん玉が飛び出てまるでマンガの様な顔だった。なんだよ!?この顔!ワン〇ースのウソ〇プがドレ〇ローザやった顔じゃねぇか!しかも、なんでこいつはそんなにニコニコ笑ってられるんだ!?わけわかんねぇ………!!!


ジェットコースターは無事終わり、出口からでてきた。


いやいや!無事じゃねぇから!!

なんだよこいつ!?突然ホモ発言したと思ったら急に黙りやがって怖ぇじゃねえか!


「お兄さん。僕の願い事聞いてくれてました?」


タクトは情緒不安定なトモヤに話しかけた。


Σ:(;゛゜'ω゜'):ギクッ


(ここはどうするべきだ!?ひとまず聞かなかったことにするか?いやでもなぁあんなリアクションとっちまったし、でもこれ返事とかするの?いやいや!待っててそんな……)


俺が必死に頭の中で考えているとタクトは少しわかったような顔で喋った。


「聞いてくれてたんですね。僕の願い事。そうですよ。僕はお兄さんのことが好きだったんです。中学一年生の時から…。」


タクトは空を向いて笑いながら話し続けた。

俺は、少しキョドりながらタクトの話を聞いた。


「あの時は、まだ先輩はサッカー部でしたよね?」


そうだ。俺は中学時代はサキにとってカッコいいお兄ちゃんになるべく始めたサッカーをしていた。


「覚えてますか?僕が初めて入ってきた時のこと?」


タクトは少し微笑んで俺の方を見た。


「え、悪い覚えてない。」


タクトは入部当時からスーパールーキーだの、超新星だのとチヤホヤされていた。当時の俺はサキがついに中学にあがったことが嬉しくて、タクトなんてどうでもよかったから全然覚えてない。


「やっぱり覚えてないですね。まぁだろうと思ってましたけど。」


タクトは苦笑した。


「僕がお兄さんを好きになったきっかけはあの時でした。」


****************


三年前。


「すっごいなぁ!八王子!お前はもううちのエース決定だな!」


中等部のサッカー部顧問の芦戸先生の声が響く。


僕、八王子タクトは小学生の時に少し有名なクラブチームに通っててそれなりに成績も残していた。だからサッカーの腕には自信があった。どんな先輩がいようと絶対に勝てる自信があった。予想通り、中学生になったらチヤホヤされた。三年生の先輩まで僕にヘコヘコしていて、まぁ気分は悪くはなかった。だから別に先輩のことが嫌いとかそういうのはなかった。たった一人を除いて。


「ぁあ!!サキィ!!力をくれぇぇぇ俺のこの黄金の右足に!!!」


一人叫んでいる先輩がいた。その先輩こそが田中トモヤだった。第一印象はクソシスコン中二病野郎だった。いつもいつも妹の名前を叫んで、ふざけたプレーをしていた。僕はそんなに田中トモヤが許せなかった。サッカーをバカにしている……と。


しかし、田中トモヤの愚行を誰も注意しない。ふざけたプレーをして凡ミスを増やしているくせに、顧問もチームメイトも誰も注意しない。腹が立った。このチームに。そして何より田中トモヤに…。


万年地区予選決勝負けだったうちの中学は去年県大会ベスト4まで進んだらしい。その立役者こそが、田中トモヤだという。中学二年の時体育のサッカーの授業で顧問の芦田先生の目に留まり勧誘したらしい。本人曰くサッカーのクラブに入ってたらしいが少し悩んだでいたが、二つ返事でOKしたらしい。

そして、県大会ベスト4まで進んだ立役者として部活内でも中心的なメンバーだった。


くそっ。腹が立つ。こんなクソみたいなプレーをしてるやつを見ると。そしてなにより、認めたくなかった。こんなふざけたやつの癖に…妹の名前を叫びいつも審判に注意されてるようなやつの方が俺より上手いだなんて…。


いつもヘラヘラしやがって…

……………………………………………羨ましい。


田中トモヤはいつしか僕の憧れになっていた。綺麗なパスワーク。流水のようなドリブ

ル。そして田中トモヤのプレー見る度に嫉妬や苛立ちは尊敬にかわっていった。


なのに………。

田中トモヤは突然部活をやめた。

なんで?なんで!?

心にひどく大きい穴が空いた気がした。

喋ったことなんて1回もない。いつもずっと見てたのはこっち。みんな俺を見てくれるのに1人だけ見てくれなかった大嫌いな先輩だったのに……


気づいたら涙が出ていた。

そうか。僕は好きだったんだ。田中トモヤのことを…。いつも自分勝手なプレーをして、周りに迷惑ばかりかけているくせに結果だけは残して、ヘラヘラして……。そんな田中トモヤのことが好きだったんだ。憧れていたんだ。尊敬していたんだ。自分には無い何かもを持っていたあの人のことを……。


その後卒業した先輩は高等部でも、サッカー部に入らないことを知った。少し残念な気持ちはあった。だけど、なぜか悲しくはなかった。やはり卒業しても、先輩は先輩なんだろう。周りのことなんて知らずにいつもいつも妹のことばかり考えている。そんな先輩のことが僕は好きなんだ。少しでいい。その妹に対する愛情を僕に向けてくれたらいいのに…


***************

タクトは話ながらトモヤの方を見つめた。

その眼差しはとても真剣なものだった。


「………。」

トモヤは無言で何かを考えているようだった。

(はァァァ!?覚えてねぇええよ!!そんなこと!ていうか俺その回想一言も喋ってなくね!?だって面識ねぇもん!俺こいつ知ったの高1の時だもん!ていうか俺が中3ってことはサキが中1の時だろ?そんなやっとこさ先と同じ学校に通えるようになったんだから部活のしかも後輩の男子なんて気にかけるわけねぇだろ!?それに部活やめたのだって、サキが「野球やってる人ってかっこいいよね」なんていうから、サッカーやめて野球のクラブチームに入ったんだよ!?べつに、知らねぇし!!てかこっちが知ったことじゃねぇよ!)


トモヤは心の中で葛藤していた。

それを見たタクトはまたなにか分かったように笑ってトモヤに近づいた。


「大丈夫ですよ。お兄さん。僕はわかってますから。お兄さんの好きな人が誰なのか。だから別に答えを聞いてるわけじゃありません。ただ、僕はお兄さんにこの気持ちを知って欲しいだけだったんですよ。」


タクトは爽やかな笑顔で言った。


(…。俺がもし女だったら惚れてたかもな)

トモヤは無意識にそんなことを思った。


「あぁ、そうか!悪いな!お前の気持ちに答えられなくて…」


俺は申し訳なさそうに答えた。


(やっべぇなんか気まずい。神様この空気何とかして……)


そんなことを思っていると突然ポケットに入れて置いたスマートフォンが、鳴った。

電話をかけてきた相手はユイだった。


「どうぞ。でてください。」


タクトがそう言ったので俺は出た。


(グッジョブ!神様!仏様!お姉様!ナイスタイミングの電話だぜ!そろそろ帰ろうとかそんなんか?)


「はい。もしも……」


「ねぇ!!!サキ知らない!?突然い無くなっちゃったのよ!あの子!私がトイレ行ってる間に気づいたらいないの!私、探したんだけど全然見つからなくて……」


「は?」


サキがいなくなった………?

俺は頭が真っ白になった。





どうでしたか?出来れば感想ください。

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