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私じゃない私

第7話です。最近やっと慣れきました!ここから盛り上げていいくのでどうか、読んでくれるとありがたいです。

理解できるだろうか。

サキと一緒に遊園地に行くために高いチケットを買ったのに、今一緒にいるのはタクトだ。


…………。俺の金返せぇえええええ!!!!



第7話〈私じゃない私。〉


俺は今後悔している。

何を?って

3時間待ちのアトラクションに並んだことだ。そのアトラクションは最近始動した世界1距離が長いジェットコースターだ。

しょうがないじゃないか。これだけは乗ってみたかったんだ。

しかし、待ち時間が想像以上の地獄だった。

タクトは一言も喋らないし、俺も喋る気は無い。クソっ…この時間すごく無駄だ。もう1時間以上も黙ったままだ。サキと一緒だったらこの3時間もあっという間なんだろうな。なんて思うのはもう100回目だ。


「お兄さん。」


この均衡を破ったのはタクトの方だった。


「え?」


突然喋ったので、少しあっけに取られた。


「お兄さんってユイさんと付き合ってるんですか?」


タクトは少し聞きにくそうに言った。


「は?なわけねぇだろ!」


俺は即答した。


「そうなんですか。ならいいんですけど…」


タクトは少し安心したようなそぶりをみせた。よくわかんねぇな。こいつ、サキのことが好きなんだろ?だったら、俺とユイが付き合ってた方がいいんじゃねぇのか?俺は少し考えたけど、すぐに考えるのをやめた。

あと2時間か、、、

長いなぁ…3時間って…



****************


「みてみて!お姉ちゃん!!ブードだよ!?ブードだァ!可愛いぃ〜〜」


サキは無邪気に走り回りあちらこちらに置いてあるブードのぬいぐるみやら、着ぐるみやらを指さしてわらっている。


「サキはほんとにブードが好きね。お姉ちゃんには少しわからないけど」


ユイは少し困惑そうに答えた。

ブードとはキャラクターの元になったのがドブネズミなので、少し人気にムラがあるキャラクターだ。

少し汚い体毛。片方だけ縮れたヒゲ。耳な片耳ちぎれておりユイにはどう見てもただの汚いネズミにしか見えてないらしい。

サキはブードの写真いっぱい撮っていた。

カシャカシャとシャッター音が鳴りっぱなしだ。突然シャッター音が消えた。ユイは少し気になり後ろにいるサキを見るため振り返った。


「あのさ、お姉ちゃん……。ひとつ…きいてもいい?」


サキは少し照れくさそうに下を向いてユイに言った。


「ん?なぁに?」


ユイは優しく答えた。


「この前さ、、、学校の校内新聞で見たんだけどさ、お姉ちゃんとお兄ちゃんって付き合ってるの?」


サキは顔を真っ赤にしながらユイに聞いた。

ユイはそのサキを見てなにかに気づいたようだった。


「嘘よ。付き合ってなんかないわ。あの男が好きなのはあなただけよ。サキ。」


ユイは、優しく笑いながらサキに答えた。

そうするとサキの顔は少し明るくなった。


やっぱりだ。

ユイは気になっていたことを確信したような顔をした。


「あなた。トモヤくんのこと好きなんでしょ?」


ユイはストレートにサキに言った。


「え、いや、別にそんなことは……」


サキは首を振って否定した。


「そう。あなたのことだから別にいいけど、あんまり油断してるといくらトモヤくんがあなたのことが好きでも、誰かに取られちゃうかもよ?」


ユイは少し真面目な顔をしてサキを見た。

サキも、真面目な顔をしてユイに言った。


「お兄ちゃんが好きなのは私じゃないよ。

お兄ちゃんが好きなのは妹としての私だよ。」


「え?」


「お兄ちゃんはすっごく優しいの。初めて会った時とからずっと私のことを一番大切にしてくれた。妹としてね。だからかな、いつの間にかお兄ちゃんは私のことを好きって勘違いしてると思うの。私はお兄ちゃんのことが好きだけど、お兄ちゃんは私のことが好きなわけじゃない。私を好きって言って大切にしてくれるのは妹だから。でも、いつかほんとにお兄ちゃんが私の事好きになってくれたら…その、えっと恥ずかしいんだけど告白とか…してみようか考えてる」


サキはユイに自分の気持ちを伝えた。


「それにね!お姉ちゃん!私はお姉ちゃんにだって負けるなんて思ってないから!」


サキはユイを指さして宣戦布告した。


「え?何で私?」


「私はわかるよ?お姉ちゃんはいつかきっとお兄ちゃんのことを好きになる。」


サキは少し笑いながらユイを見た。


「は?そんなことないわよ。あんなクソシスコン変態野郎なんて……!!」


ユイはそっぽ向いて否定した。


「どうだかね〜」


サキはニコニコ笑いながらユイの手を引いた。


「さぁ、早く行こ!今日中にブードのアトラクション全部回んなきゃいけないんだから!」


と言って、サキはユイを連れて走っていった。


***************


ようやくだ。やっと乗れる。

ついに3時間待ちの最後の5分を迎えた。

まじで、本気で疲れたぜ。結局さっき話したあのこと以外はずっと無言のままだった。

もう二度とこんなこと勘弁だ。


「知ってます?お兄さん。」


そんなことを思ってるとタクトが話しかけてきた。


「え?なにが?」


「このアトラクションで乗ってる最中に、願い事をいうとその願い事叶うらしいですよ」


タクトはニコニコな笑顔でそう言った。


「なんだそりゃ。うさんくせぇなぁ。叶うわけねぇだろ。バカバカしい。」


俺は聞く耳を持たずに流した。あいにく俺はそういう願掛けみたいなものは信じてないのでね!


「そうなんですか。じゃあ僕は言うのでちゃんと隣で聞いててくださいね…?」


タクトは俺の方を向いて笑った。


「へいへい。いくらでも聞いてやるよ。」


「ありがとうございます。」


さぁついに俺らの番だ。

シートベルトOK

ロックOK

準備は万端!

「みんな〜準備はいいかなぁー?

じゃあ掛け声いっくよー!」


「3 2 1 ブードーー!!!!!」


なんじゃそりゃ聞いたことねぇよ。

ブードの掛け声と一緒にコースターが動いた。やばいちょっと緊張してきた。最初はゆっくり…どんどん加速していく。


グゥぅぅぅぅっ。結構速いな。


開始10数秒ですでに最高速度が出ている。

遠心力で髪の毛が禿げそうなくらいきつい。


一回転。二回転。三回転。息するのも忘れるくらい速い。


そして最後の急降下。ここがさっきの願い事をいうと叶うとかなんとか言ってたところか。さぁどんな願い事だ。言ってみろ。もし妹関連ならここから突き落としてやる。

さぁ言え!!


そして、最後の急降下に入った。

後ろや前の客が一斉に叫び出した。

そして、隣のタクトも叫びだした。


「僕のぉおおおお………!!!!」


「好きな人はぁぁああああ!!!」


「お兄さんですよぉおおおお!!!!」


「いつかぁあ、この恋が叶いますように!!!!!!」








は?






第8話に続く。

どうでしたか?感想とか貰えると嬉しいです。

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