GAME9 ちょっとした話
サブタイトル思いつきません。そもそも内容も繋がりが無いように見えてますから。語彙力がヤバいとこうなりますね。
〈索敵〉で捉えた反応まで〈制御〉と〈忍足〉、更に新たに取得した〈隠密〉と〈隠形〉を使って疾走する。NINJA顔負けの隠密機動性だ。
因みに、現在の《エニグマ》のステータスはこうなっている。
『NAME エニグマ MAN (∨ WOMAN)
LEVEL:56
STP:98
体力:100
魔力:100
筋力:100
俊敏:100
耐久:100
賢慮:100
器用:100
魅力:100
運気:100
SKP:608
SKILL
《性別転換》《並列発動》
〈体術lv10〉〈格闘術lv10〉〈剣術lv10〉〈索敵lv10〉〈忍足lv10〉〈制御lv10〉
〈料理lv10〉〈調理lv10〉〈短剣術lv10〉〈収納lv10〉〈整理lv10〉〈整頓lv10〉
〈解体lv10〉〈隠密lv10〉〈隠形lv10〉〈霊視lv10〉〈霊感知lv10〉〈挑発lv10〉
〈スピリタクトlv10〉〈スラッシュlv10〉〈パワーブーストlv10〉〈ストライクlv10〉
〈マジックブーストlv10〉〈チャージlv10〉〈スマッシュlv10〉
MAGIC
〈ファイアボール〉〈ウィンドボール〉〈ウォーターボール〉〈アースボール〉〈キュア〉
〈サンダーボール〉〈アイスボール〉〈ファイアバレット〉〈ウィンドバレット〉
〈ウォーターバレット〉〈アースバレット〉〈サンダーバレット〉〈アイスバレット〉
〈ハイキュア〉〈ヒール〉〈ハイヒール〉〈ラヴァボール〉〈ミスト〉
ARMOR
〈ミスリルガントレット〉〈ミスリルグリーブ〉〈ミスリルブレストアーマー〉〈黒樹の短杖〉
〈ミスリルロングソード〉〈シミアネックレス〉〈闘魔の腕輪〉〈ブラックレザーコート〉』
色々と凄まじいが、未だにステータスの数値限界の突破の仕方が分かっていない。レベルの上限は元々ないので、このままではSTPが溜まって行くだけである。
と、そんな感じでステータスを思い出していると、目的地に着いた。その場所に居るのは、丁度人を殺したばかりの異形。
心臓が抜き取られている遺体を横目に、右足に〈パワーブースト〉、〈ストライク〉、〈チャージ〉、〈スマッシュ〉を発動させる。
走り込んで来た速度そのままに、異形の体目掛けて右足の蹴りを叩き込む。瞬間、異形の体は弾け飛び、粘性体となり気化していく。
バレても面倒なので、SKILLを全力行使して学校の屋上まで戻る。
「あ。あの高さ、俺跳べるのか......?」
流れるように過ぎ去る景色のしっかりと見ながら、そんな疑問が口から漏れる。
人として、その疑問が出る時点で間違っているのだが、そんな事を今更気にする水落ではない。この時点で色々とアウトだ。
結局、学校の屋上まで跳び上がる際に〈パワーブースト〉と〈スマッシュ〉を使う事になってしまった。当然、地面にクレーターを造る等という失態は犯していない。
屋上へ戻ると、壁を背凭れにして寝ている龍谷と、その背後の白い靄の様なモノに出迎えられた。
そこまで時間を掛けていない自覚はあったが、流石にまだ寝ているのは予想外だった。
まあ気にする程の事でもないので、屋上を出た時と同じ位置に座る。ポケットから取り出した《CR》は当然進める為にある物だ。
『少し良いか』
「ん?」
丁度《CR》を再開した瞬間だった為、反射的に返事をした事もあり仮面を被れなかったが、どうやら相手方は気にしていない様だ。
声がした方、と言っても、声は直接頭の中に響いて来たので、声を掛ける可能性の高い方と言ったほうが正しいだろうか。兎も角、水落はその方向、白い靄の方を向いた。
『やはり、ワレの事が視えているのか』
「しっかりとは見えていないがな」
揺ら揺らと水落の方を見る様に動く白い靄。これは昨日、ゲーム内で偶然レイス系の敵が出る場所に入ったので、攻略する為に取得したSKILLの影響だ。
因みに、〈スピリタクト〉の影響で普通に触れるのだが、その事は黙っておく。念の為に。
『お主、主殿についてどれ程理解している?』
「理解とは、どういう意味だ? こいつの思想の事か? それとも経歴の事か?」
『無論、経歴の方だ』
そこまで知っている事は無いのだが、素直に言うのも何処か釈然としないので、少し鎌をかけてみる事にした。
少し考える素振りを見せ、答える。
「......性別を偽っている、とか言った事情なのか?」
『っ!』
水落自身に《性別転換》があるからこそ思いついた冗談であり、即座に否定される事を予想していたのだが、返って来たのは動揺する様に揺らめく白い靄の反応だった。
暫し、お互いの間に気まずい空気が流れる。
そんな中、最初に口を開いたのは水落だった。
「......オレはオマエに何も聞いていなければ、オマエもオレに何も示していない。いいな?」
『う、うむ』
妙な迫力がある水落に思わず肯定の返事を返した靄。
鎌をかける前の冗談で、思いっ切り爆死した為鎌かけはもう行わず、直球で聞く事にした。中々に酷い。ゲーム内ならば性別を偽る事くらい簡単なのだが、ここは現実だ。ゲーム内の性別詐欺より余程質が悪い。
「話を戻そう。オマエが言いたかったのは、あの異形の事か?」
『......やはり知っていたか。では、昨日の者はお主が倒したのだな』
「今も倒して来たがな」
『倒した』というより『殺した』の方が適切だったか、等と考えつつ、未だ微妙な空気の残る中話を続ける。
「と言うが、オレはあの異形について、詳しくは知らないのだがな」
『む? そうであったか。それではワレが話してやろう』
「それは有難い」
流れで始まったのは、『邪闇の使徒』講座の様なモノだ。基本となる情報から、どんな使徒が居るのか、その目的まで事細かに説明された。
と言っても、そう時間が掛かった訳では無く、丁度一限の授業終了を示す鐘がなった時には説明し終わっていた。
「ん、うぅ......」
「そいつに明かすなよ」
『承知した』
龍谷の眼が覚めそうになった事に反応して、二人は会話を切り上げた。水落は《CR》に視線を落とし、龍谷が寝た時と同じ体勢になる。
「神影か。ずっと居たのか?」
「安心しきって眠っていた割に、随分な物言いだな? 龍宿龍谷」
「っ! そ、それは......」
「まあいいが」
然程間を置かずに起きた龍谷の言葉に、どこか警戒が滲んでいたので少し突いてみると、動揺を隠せていなかった。どことなく女っぽいのは、見ていたら分かった。別にだからと言って興奮したりはしないが。そもそも水落は両性(関係ない)なのだ。
「気になったんだが」
「......なんだ?」
「オマエ、勉強は何処まで出来る?」
「え? あ、勉強? 勉強は全国模試で上位を狙えるくらいには出来るけど......?」
「ならいいか」
ポカンとしている龍谷を横目にゲームを進めるが、失敗した。
「あ......」
「どうかしたのか?」
『WANING!! LEVELOVER!!』と表示された画面を見ながら硬直した。
これは突発的ボス戦イベントなのだが、この警告が出る時は二倍近くレベルが離れているらしく、更にはリタイアも選択できない。所謂負けイベントの様なモノだ。《UT》と変わらないイベント発生ログだが、全く安心できない。
ムービーが再生され、影から出て来た闇色の騎士との戦闘の様だ。慎重を期していた筈なのだが、何故だろうか。
本気でプレイする為、一度深呼吸する。それだけで、ガラッと雰囲気が変化した。その場に居るだけで空気すら切り裂きそうな鋭い刃。傍に居た龍谷にはそんな感覚すら覚え、息を呑んだ。
感情を削ぎ落した様な無表情で恐ろしく冷徹な目をしている。そして、有り得ない速度で指を動かし始める。ターン制のゲームでは無いので、頑張れば勝てる。
暫くの間、水落は龍谷を放置して、ボス戦に没頭した。




