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GAME29 EX 最後の一人

 新年、明けましておめでとうございます。


 今年も宜しくお願いします。

 家を出るついでに『送還(リターン)』しておいたヴィテスをもう一度『召喚(サモン)』し、〈マップ〉に表示された『邪闇(やみ)の使徒』の下へ向かう。但し、継承者勢とは会わない場所だけに限るが。


 出現する数は増え、場所も完全にランダムだ。継承者勢だけでは追いつかないようで、一減らせば五は増えている。


 水落(みら)なら移動速度でカバーすることが出来るかもしれないが、しかしどちらにしろ人手不足だ。だからと言って、『闇の者』が視ていないとも限らない為、『従者』達を喚ぶことやヴィテスの人化(?)は出来ない。


 結局、水落一人でSKILLやMAGICを駆使しながら参戦するしかないだろう。とはいえ――


(あの時と同じだ)


 幾つか縛りが追加されているとはいえ、敵の数はそれ程多くない。なら、難易度は下がっている。


「シネェェ!!」

「コロス!!」


 まずは手始めにと、襲い掛かってきた使徒を瞬時に葬った。




――――――――――




「前より、強くなったかな」


 周囲を取り囲む数多くの使徒相手に無双しながら、龍谷(りゅうや)はポツリと呟いた。


「確かに腕は上がっておるぞ、主殿」


 その呟きを聞き取って肯定したのは、龍谷と同じ様に、否、それ以上に使徒を相手取っている龍神だ。顕現と連携の確認をついでに行っているのだ。


「しかし、数が多いな。魔神は未だ復活には至っていない筈だが......?」


 思案顔で、しかし手を緩めずに戦う龍神の目には鋭い光が宿っており、名の通り龍の如き双眸は、周囲の使徒を怯み上がらせる。


 周囲の使徒は減らしても減らず、出現した使徒はこの場所へ集まっている為に限りがない。しかし、龍神はこちらに向かってくる虎神と(いくさ)叢華(そうか)を捉えている。


 龍谷は戦闘に集中している為、中距離の感知すら甘くなっている様だが、その様子を見て感知の訓練もさせるかと思考が逸れる龍神。


 段々と近付いて来る虎神達がかなり近くになると、流石に龍谷も気付いたようだ。


 戦と叢華の姿を捉えた龍谷は、二人へ声を掛ける。


「イクサ! ソーカ!」

「おう! さっさと片付けるぞ龍谷!」

「龍谷さん! 手伝います!」


 三人がそれぞれ呼びかけ合い、連携しながら周りの使徒を倒し始める。


 そこから少し離れた位置では、龍神と虎神が会話しながら使徒を薙ぎ払っていた。


「――ふむ。やはり間違いではない様だな」

「ああ。オレでも分かるからな」


 二人が話しているのは、この場所より離れた位置の使徒が次々と倒されていることについてだ。決してこちらには近付かないが、しかしかなりの速度で使徒が倒されていることについて色々と考察しているのだ。


 だが二人の見解は一致している。


「十中八九水落殿であろうな」

アイツ等(・・・・)()こっちに向かってっからな。水落のヤツ以外にゃ思い浮かばねぇ」


 しかし手段が分からないと、二人揃って首を傾げる。明らかに離れた二地点の使徒が倒されるまでの間隔が非常に短い。道に沿って移動していないとしても、どれ程の速度があれば出来るのかという速度だ。


 龍神と虎神は水落に底知れなさを感じている為、どんな手を持っていてもおかしくはないと考えている。


「今最も敵対したいとは思わんな」

「ま、今の(・・)オレ等じゃ勝てねぇかもな、っと。そういや、龍谷と譲ちゃんは小僧と戦い方が違ぇな」


 虎神はふと視界に入った三人の動きを見て、そう呟いた。虎神の呟きに反応して、龍神も三人の姿を確かめる。


「ふむ。叢華譲のあの動きは、水落殿に手解きして貰ったのだろうな」


 異能の使用を必要最小限に留めている龍谷と、龍谷より使用する頻度は多いものの、制限しながら戦っている叢華。


 対称に、戦は常に異能を使って戦っている。異能の使い方や戦い方から叢華より殲滅力があるが、しかし龍谷と同程度(・・・)の殲滅力である。


 更に龍谷に比べて消耗が大きく、隙も多い。


「小僧の方が弱く見えんな。やっぱ水落が小僧を鍛えねぇのも分かるか」


 そうやって守護神勢が気の抜けた会話をしている時、二人は同時に反応した。


「来たな」

「ようやくか」


 周囲の空間から光の鎖の様なモノが出現し、使徒一体一体を拘束した。


「なにが......!?」

「いきなりなんだよ!!」

「使徒を拘束......ということは、味方......?」


 落ち着いている虎神と龍神と違い、明らかに動揺して警戒する三人を置いて状況は進む。


 使徒を拘束する鎖が一際輝いた次の瞬間に、その場に居た全ての使徒が黒煙と化し消滅した。これは異能の力であり、戦を除いて異能を使っていなかったとはいえ凄まじい殲滅力だ。


「皆さん、ご無事ですか?」


 突如訪れた静寂の中に、一人の少女の声は良く響いた。


 その場に居た者全員が声の出所へ目を向けると、一人の少女が凛々しく佇んでいた。


「ふむ。これは先代に劣らんのではないか?」

「ああ。かもしれねぇな」


 龍神と虎神がそう称する少女は、静々と一礼し、名乗りを上げる。


「私は霊神の『継承者』、神影(みかげ)天音(あまね)と申します。そしてこの方は――」


 と、天音の傍に、まるで最初からいたかの様な自然さで立つ女性を、天音は示した。


(わたくし)が霊神です。龍谷様、戦様、叢華様は初めまして。龍神様と虎神様はお久しぶりです」


 二人は揃って、もう一度一礼した。

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