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GAME2 チュートリアル

―――――――――――――――――――――――――――――――


~~このゲームを始めるにあたっての最重要事項


   このゲームのステータスは、現実のプレイヤーと直結している


 上記を覚悟の上でゲームを始めると言うならば、この説明書を読み進めて下さい。


     ようこそ、ゲーム《CRAFTクラフトRAPTOR・ラプター》へ~~


―――――――――――――――――――――――――――――――


 説明書の初めには、そう大きく書かれていた。とても、とても気になる一文が添えられている。


「『このゲームのステータスは、現実のプレイヤーと直結している』......」


 それは即ち、ゲームのキャラのステータスが上昇すれば、プレイヤーである水落(みら)の力も上昇すると言う事で......


「《VR》の時も思ったけど、どういう原理だよこれ」


 呆れた様な口調でありながら、その目は好奇心と期待で爛々と輝いている所を見ると、微笑ましいと言わざるを得ない。


 口元に軽く笑みを浮かべながら説明書に目を通し、大雑把に纏めた。


・このゲームは、風、熱、振動、光を用いて電気を生成している為、充電が切れることは無い。


・このゲームは、《CR》以外のゲームは出来ない。


・このゲームは、何をしようとも壊れない。


 ゲームに関する事で最もオカシイ所を纏めた。二つ目は兎も角、一つ目と三つ目は物理法則に真っ向から喧嘩を売っているのだが、先ず差出人不明の時点で意味不明なので気にする事すらやめた。


 そもそも、《VR》の時点で色々と可笑しかったのだ。もう既に諦めていると言い換えてもいいが。


 それは兎も角、


「いや、まあ、纏める場所間違えたな」


 誰に言い訳しているのか知らないが、そう言い訳しながらゲームをする上で大事な事を纏めた(今度は間違えていない)。


・ステータスに関して~~


NAME MAN (オア) WOMAN

LEVEL:1 (レベル。この値が上昇する事でSTP・SKPにポイント加算)

STP:(10) (ステータスを上げるためのポイント。1レベル上昇によってポイント加算)


体力:1 (そのままの意。ゲーム中ではHP、現実では体力)

魔力:1 (魔法攻撃力の意)

筋力:1 (力、攻撃力の意。この数値が高ければ高い程重いモノを持つ事が出来、よりダメージが大きくなる)

俊敏:1 (移動速度、攻撃速度の意。現実では動体視力・行動速度・反射神経も上昇する)

耐久:1 (防御力の意。この数値が高ければ高い程硬くなる)

賢慮:1 (賢さの意。この数値が高ければ高い程スキル・魔法のクールタイムが縮む。現実では、理解力、記憶力、頭の回転速度等、思考に関する事が上昇する)

器用:1 (器用さの意。命中率や作成時の質、行動に関する器用さが上昇する。)

魅力:1 (魅力、精神力の意。この数値が高ければ高い程精神系の攻撃が効かなくなり、誘惑や精神系の攻撃の威力が上昇する。現実では好感度が上昇しやすくなる)

運気:1 (運、クリティカル率の意。最大100)


SKP:(10) (スキルのレベルを上げる為に必要なモノ。スキル取得・スキルレベルアップ共に1ポイント。1レべル上昇によってポイント加算)

SKILL (スキル。様々な効果のあるモノ。スキル効果は千差万別であり、発動は念じるだけ)


MAGIC (レベル上昇、又は魔導書の使用によって取得できる)


(STP・SKPの()(カッコ)内はチュートリアル時のレベル上昇による加算値)


ARMOR (装備の意。装備する事で能力値が上昇する。現実では『召喚(サモン)~~(装備名)と言えば召喚できる)


・ファンド (お金。アイテムを売る事や敵を倒す事、ミニゲームをプレイする事等で入手可能)


 と、まあ、この様に纏められた。ステータスに関しては何処にどう突っ込みを入れたらいいのか分からず思考放棄。ゲーム内通貨に関しては単にあった方が安心するから。普通なので。


 その他にも操作方法やミニゲームについて書かれてあったが、特筆すべき点は無い。


「確認完了。さて、やるか」


 説明書を読み切った後、机に説明書を置きながら呟き、ゲーム機(取り敢えずゲームの略称として《CR(クロ)》と呼ぶが)、ソレを手に取る。


 スイッチを押し、起動させる。音も無く静かに光が灯り、徐々に鮮やかな色彩でスタート画面が表示される。


 壮大で神秘的なBGMが流れ出す。《CRAFTRAPTOR》というタイトルが表示され、STARTの文字が点滅している。


 もうBGMを聞いているだけで相当に癒されるのだが、このまま眠ろうとする意識を好奇心と期待で塗り潰し、ゲームをスタートする。


 BGMが軽いテンポの物に変化する。そしてゲーム内の情景が変わり、コマンドが表示された。


『チュートリアルをプレイしますか? YES/NO』


 水落はYESを選択し、チュートリアルを始める。


 再びBGMが変わり、情景も変化する。そして現れたのは特に個性のない、黒髪黒目のアバター。


 初期装備は革の籠手(レザーガントレット)革の脛当(レザーグリーブ)革の胸甲レザーブレストアーマー銅の長剣(ブロンズロングソード)と、かなり貧相な物だ。


 始まった場所は何故か宿屋。そこから始まったナビシステムによるチュートリアルは、わりと簡単な物だった。


 NPCとの会話やBOXの使い方、装備やアイテムの購入と言った基本的な事を終え、『トイルス』と言うらしいこの街を出て、魔物という名の敵との基本的戦闘をする。因みに、『トイルス』周辺は草原マップとなっており、出て来る魔物もゴブリンやスライム、レッサーウルフと言った雑魚しか出てこない。


 そんなこんなで、倒しやすく経験値の稼ぎが良いと分かったレッサーウルフを十体程倒すと、レベルアップした。


 『STPとSKPを振り分けよう!』との事だったので、何となく極ブリした。


 STPは運気に9、耐久に1を振り、SKPはパッシブスキルの〈体術〉を取りlv5に、と、このような具合に振り分けた。


 上昇値が10だった為、中途半端な感じになってしまったのが気に食わないが、そこは置いておく。


 そのまま三十分程レッサーウルフ狩りをしていると、レベルが10まで上昇した。チュートリアルでここまでやる必要もないと思うが、これは水落の意思である。


 チュートリアルでの設定は大抵限界があり、その限界に達する、若しくはそれに近い形でチュートリアルを終了させれば、より多く称号、若しくは特典が貰える事がある。この点は終えるまで分からない為、悪辣と言えるかもしれない。


 それは兎も角、その後更に一時間程プレイする事でチュートリアルのイベントは残り一つとなり、レベルは最大の20まで上昇した。


 それによって得たのはSTPが190、SKPが191。それを振り分ける。


 STPは運気に90、耐久に28、体力に19、俊敏に19、賢慮に19、筋力に9、魔力に6を。SKPは〈体術〉をlv10、〈格闘術〉をlv10、〈剣術〉をlv10、〈チャージ〉をlv10、〈スマッシュ〉をlv10、〈ストライク〉をlv10、〈索敵〉をlv7、〈忍足〉をlv1。


 他にはMAGICに〈ファイアボール〉、〈ウィンドボール〉、〈ウォーターボール〉、〈アースボール〉がレベルアップによって追加され、魔導書によって〈サンダーボール〉、〈アイスボール〉、〈キュア〉を追加。


 チュートリアルなのに何故かガチのステータス構成をしているが、気にするだけ無駄である。チュートリアルは練習。即ち、このステータスがチュートリアル後にまで持ち越される事は無いのだから。


 ステ振りが終わり、チュートリアルのラストイベント。森マップでのボス戦だ。


 ボスはバグッたのか知らないが、ジャイアントキャタピラーと言う芋虫とハイコボルトと言う二足歩行の武装した狼の二体だ。


 序盤のボスが二体+αとか頭オカシイとしか言いようがないが、チュートリアルのSTPとSKPの上昇値を考えれば妥当かも知れない。


 ボスエリアへ踏み込むと、BGMが変化し、行動可能範囲が制限されてしまった。ボスエリアから出るにはメニューからリタイアを選択すればいいと言う事だ。


 先ずは確認とばかりに取り巻きのキャタピラー系の魔物とコボルトを攻撃するが、やはりと言うかなんというか、一撃だった。


 因みに、今現在の装備は初期装備から然程変化は無く、変わったのは武器だけである。その武器は《アレルソード》と言う物に変わっており、どっちにしろ攻撃力が上がった唯の長剣である。


 試しも終わったので、ボスの方を先に片付ける。その為に《チャージ》を発動しながらジャイアントキャタピラーへ近付き、《スマッシュ》を打ち込む。


 結果はオーバーキル。どうやら《チャージ》は必要なかった様だ。それが分かっただけ良しとする。


 そのままハイコボルトに近付き《ストライク》を打ち込むと、こっちも一撃で終了した。


 その瞬間、『これにてチュートリアルは終了致します。プレイ、お疲れ様でした』と表示され、割とアッサリチュートリアルは終了した。


 アッサリし過ぎて少し惚けていると、再びBGMが変化しゲーム内の情景も変化した。次いでとばかりにコマンドが二つ表示される。


『・キャラクターメイキングへ

 ・特典を受け取る』


「特典を受け取らないのはそれが嫌いな奴かマゾだけだ」


 水落はそんな事を呟きながら『特典を受け取る』を選択した。その瞬間、大量のログが表示された。


『範囲内にゲーム、《UTOPIATALE》のデータを確認。スキャン開始......スキャン完了。特典が追加されました。


特典


・チュートリアルクリア特典:チュートリアル中のステータスの引継ぎ。但しレベルは1まで戻る。


・ゲーム《UT》全ストーリークリア特典:レベルアップによるSTP・SKPの上昇値を10にする。


・ゲーム《UT》全アイテム収集特典:STP・SKPに30ポイント追加。


・ゲーム《UT》全マップ探索特典:STP・STKに10ポイント追加。


・ゲーム《UT》全隠しマップ探索特典:STP・SKPに30ポイント追加。


・ゲーム《UT》全表ボス撃破特典:プレイヤーレベル制限突破。


・ゲーム《UT》全裏ボス撃破特典:全スキル取得可能。


・ゲーム《UT》レベル上限到達特典:STPに50ポイント追加。


・ゲーム《UT》全職業ジョブ制覇特典:SKPに50ポイント追加。


・ゲーム《UT》全スキル取得特典:SKILL・《並列発動》取得。


・ゲーム《UT》全イベントクリア特典:クールタイム減少。


・ゲーム《UT》全封印系アイテム解放特典:STP・SKPに40ポイント追加。


・ゲーム《UT》全魔法取得特典:SKPに40ポイント追加。


・ゲーム《UT》全レアモンスター使役特典:STPに40ポイント追加。


・ゲーム《UT》全称号取得特典:STP・SKPに20ポイント追加。


・ゲーム《UT》全モンスター討伐特典:取得経験値上昇。


・ゲーム《UT》称号〔覇者〕取得特典:スキル取得・スキルレベル上昇必要ポイントを1に固定。


・ゲーム《UT》追加システム完全プレイ特典:装備制限解除。


・ゲーム《UT》全NPC完全会話特典:種族制限突破。


・ゲーム《UT》完全プレイ特典:SKILL・《性別転換》取得。


 以上で特典は全てとなります』


 最早ブッ飛んでいるとしか言えない程の特典。チートを通り越してバグと表現した方が良いかも知れない。


「......最初から最強じゃね? コレ」


 呆然としながらほぼ無意識に呟いた水落は、その後数分程思考停止状態に陥ってしまう。


 そのままゲームのBGMで眠りそうになった時にハッとして思考を再開する。まるで詰まらないネタである。


 水落は気持ちを落ち着ける為に一つ深呼吸をすると、画面進める。


 そして、表示されたコマンド、『キャラクターメイキングへ』を選択する。


 途端、ゲーム内の情景が変わり、プレーヤーキャラのキャラパーツやらなにやらが大量に表示される。


 水落はかなり悩みながらもキャラクターメイキングを行っていった。










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