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GAME14 仲の進展?

ギリギリ年内に間に合いました。


何故年末年始が忙しいのか甚だ疑問ですが、楽しんでください。

 龍谷(りゅうや)が四人の『邪闇(やみ)も使徒』と戦ってから二日。学校は休みだ。


 曇ってはいるが、雨は降っていない。梅雨だからか湿気が酷いが、除湿・加湿併用の空気清浄機があるので問題無い。何台か使っていないが。


 この日、水落(みら)は珍しく午前中から外に出ていた。向かったのは巨大ショッピングモールで、商店街から少し離れた場所にある。何故そんな場所に建てられたのか甚だ疑問だが、水落としてはどうでも良い事だ。


 因みに、この街自体が都会である為、住宅地や学校区に比べて商店街とショッピングモールの周辺の人口密度は少し(実際少しなんてレベルじゃないが)多い。流石商業区だ。


 持ち物は財布とスマホ(本来の水落の物)とスマホ型の《CR(クロ)》の三つのみ。服装も外出用とは言え、特段気合いが入っている訳では無い為、本人的には地味目な物だ。


 必要な日用品、食品、その他のリストを脳内で見返しつつショッピングモールへと入る。曇りの日にも関わらず人が多い。〈マップ〉には細かく表示されている為、認識は可能だが。


 さっさと買い物を済ませようと歩いていると、偶然出会った龍谷に声を掛けられた。


神影(みかげ)

「......龍宿(きみすく)か。こんな場所で会うとは奇遇だな。何か用事でもあったのか?」

「いや、特に用事とかはなくてさ、息抜きだよ」


 〈マップ〉に表示されていた為、気付いていたが気にしていなかった龍谷と話しながら、話の流れで何故かモール内のゲーセンに行く事になった。


 見たところ龍谷はあまり好きじゃない様だが、男として振舞っている以上無難なところを選んだといえるだろうか。水落としてはゲーセンは好きなので、有り難く行かせて貰うが。


 世間話をしながらゲーセンへ行くと、水落は先ずリズムゲーム機の前に立った。


「出来るか? このゲーム」

「ああ、何度かやった事もある」

「ならやるか」


 百円玉を二枚入れ、設置された二つの太鼓の前にバチを持って、二人で並んで立つ。


 このゲームは設置された太鼓を付属のバチでリズム通りに叩くゲームだ。選べる曲も古い物から最新の物まで選り取り見取り。難易度も『かんたん』から『オニ』、そして特殊コマンドで発生する『ジゴク』まで用意されている。


 本気でハマっている人の場合、自作のバチを持っていたり、特定の曲を完全に覚えて目隠しをしても叩ける等、一般の人なら引くレベルで頑張る。


「選んでいいぞ」

「いいのか? じゃあ、これで」


 曲選択画面で龍谷に変わる。選ばれた曲はマイナーな物だが、水落の場合は最新の曲でなければ一度はやった事があり、最新の物でも割と平気なので、問題ない。


 難易度は龍谷が『オニ』を選び、水落が太鼓の縁を十回程連続で叩いて出現させた『ジゴク』を選んだ。


「そんなのがあったのか?」

「ああ。少し難しいが、オマエでも出来る筈だ」


 始まったゲーム画面を見ながら、龍谷の問いに答える水落。水落は少し難しいなどと言っているが、実際は殆ど間が無く、常に連打している様な物だ。『オニ』の二倍から三倍は難しい。


 先ずは前奏が流れ、そして始まるゲーム。


 二人ともゲーム画面に目を固定し、バチが複数に見える程の速度で叩いていく。二人とも常識離れした身体能力を持っているが、このゲームなら二人と似た様な事をする者も結構いるので、異常とされる事はない。


 二人がゲームをプレイしている内に、二人を囲む様に半円状に人が集まってくる。野次馬根性で後方から眺めているのだ。


 滅多にこういう機会には恵まれないので、見ているのだろう。動画や写真は撮られていない。


 二人のプレイしている曲が終わる頃には、隙間がない程人がいた。多すぎる。


「流石だな。龍谷」

「いや、水落の方がすごいだろ」


 二人はリザルト画面を見ながら会話する。


 リザルト画面にはフルコンボを達成した二人のスコアや、叩いた総数、『良』や『可』のそれぞれの数等が表示されていた。


 それを見ると、龍谷の叩いた総数は九百を超えていて、『良』が殆どで『可』が一桁だ。対して水落の叩いた総数は千二百を超えていて、全てが『良』。最早なんと言って良いのか分からないレベルだ。


「どうする。このまま二回目もやるか?」

「いや、止めとく。流石いこれ以上やったら腕が疲れる」

「そうか」


 後ろから聞こえる拍手を聞き流しながら少し考えて、後ろの方を向いて口を開いた。


「おい。やりたい奴がいるならやって良いぞ」


 そう言って二人でゲーム機の前からどき、そのまま次のゲームは何をしようかと龍谷と考える。


 その後はシューティングやらUFOキャッチャーやらダンスゲームやらをやって時間を使い、一時間が経った。


「そろそろ買い物に行くか」

「ああ、そういえば水落は買い物に来たんだっけ」

「そうだ」

「なら一緒に行ってもいいか? 俺も買いたい物があるんだ」

「いいぞ」


 この時には龍谷は水落に慣れたのか名前で呼ぶ様になり、水落は未だ仮面を被ったままだが合わせて龍谷を名前で呼ぶ様になった。


 仲が良くなったと言えばそうなのだろう二人は、というより水落は本来の目的である買い物をする為にモール内を歩き回る。


 広いモール内だったが、水落が効率的に動いた所為か十分と掛からずに買い物は終了した。


 左手に袋を持ち、肩から提げながら龍谷と歩く。用事も無くなったモールで長々と過ごそう等とは思わなかった。


 相変わらず曇っていて暗いが、別段困る事でもない。


 お互い世間話をしながら笑みを浮かべる。段々と人気(ひとけ)が無くなってきた周囲を気にしつつ、水落も龍谷もあくまで自然体で歩く。


 何度目かの〈索敵〉と〈マップ〉に紫色のアイコンが表示された。水落達から四百メートル程離れた場所に二人、男の『邪闇(やみ)の使徒』だ。


 次いで龍谷も気付いた様で、チラッと水落の方を見る。同じように、守護神の方も水落を見た(気がする)。


 『邪闇(やみ)の使徒』の方も龍谷に気付いたのか、こちらへ向かって来た。そのアイコンの色は赤色となっている事から、無差別に敵対認識しているのだろう。


「どうかしたか?」

「っ、えっと、何がだよ?」

「いや、オレの方を見たからな。何かあったのかと思ったんだが」

「いや、何でもない」

「そうか」


 チラッと見られた事に対して反応してみると、誤魔化してきた。守護神の方が完全に水落の方を向いているのだが、気にしない。微妙な不自然さは守護神の方がどうにかしてくれるだろう。


 割と投げやりだが、今は水落の力がバレても良いと考えているので、少し緩くなっているかもしれない。当然だが、バレても良いと考えているのは龍谷なら対処出来そうだからだ。


 慢心が入っているのは否めないが、ARMORや〈収納〉の中身を使えば確実に殺せる(勝てる)と踏んでいる。まあ尤も、龍谷が『継承者』として完全に力を発揮出来れば話は別だろうが。


 『継承者』の実力なんて微塵も知らない水落だが、もしもの場合でも水落が殺される(負ける)可能性は限りなく低い。


 というのも、身体スペックの掌握率は比べるまでもなく、戦闘経験や手札の多さでも圧倒的に水落が上なのだ。水落自身にはそこまで(・・・・)自覚はないが。


「よぉ。『継承者』様よぉ」

「......見つけた」


 龍谷と話しながら〈マップ〉を眺め、更に《UT(ウタ)》の時を思い出していると、『邪闇(やみ)の使徒』が二人、水落達の目の前に現れた。


 ビシバシと威圧と殺気を感じるが、これだけで水落を気後れさせる事など出来る訳もなく、龍谷が少し驚いている。


 一瞬で状況を理解し、どう動くか考えた結果――


「ミラ、俺の後ろにいてくれ」

「......後で説明して貰う」

「......分かってる」


 冷静に、しかし目に動揺を表しながら無能力者を偽る事にした。無論、水落の特異性を誤魔化せるなど考えてはいない。今回の場合、唯面倒になっただけである。


 緊迫した場の空気の中で、水落だけは内心、少しズレたまま話は進んでいく。









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