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MAIN TRAFFIC5  作者: 浜北の「ひかり」
Summer Vacation Episode
57/62

9520列車 先人の知恵

 電車を待って、13時22分人吉(ひとよし)を出発する。人吉(ひとよし)から乗る列車にもアテンダントが乗り込んでいるし、内装は木が多用されたものとなっている。(かがやき)が言うには元々は普通の車内だったらしい。そんな面影はどこにもないくらいに変わっているのがすごい・・・。

「今乗ってる電車は肥薩線(ひさつせん)って言う路線なのさ。」

肥薩線(ひさつせん)ねぇ・・・。」

「この肥薩線(ひさつせん)って言う路線は先人達の知恵が今でも行かされている路線だから、結構面白いよ。」

そうは言っても私には分からないものでしょう。正直なところそう思った。この肥薩線(ひさつせん)だっけ・・・。昔の人たちが作ったって言うのは分かっても、知恵が分かるって。目に見える形で残っていないとそんなものは分からないでしょう。

 電車はゆっくりとしたスピードで坂を登っていく。しばらく走るとアナウンスがあり、駅へと入っていく。

「えっ・・・。何これ・・・。」

左側から線路が近づいてきた。その線路は目線の上野あたりから降りてきて、そのまま左の奥の方へ曲がって行っている。電車はその線路にかまわず、駅へと入る。しばらく泊まると言うことで、(かがやき)に促されるままにホームへと降りた。

 あたりは人が生活しているとはとうてい思えないほど山の中だ。そんな山の中に似つかわしくない大きな駅と長いホームがある。ホームにある駅の名前をみてみると「大畑」と書いて「おこば」と読むと書いてある。難しい読み方ではないけれど、初見では必ず「おおはた」と呼んでしまうだろうなぁ・・・。

「先人の知恵。その一。」

(かがやき)が隣で言う。

「この駅って人の生活がなさそうなのに、結構大きいでしょ。」

「正直無駄よね。今この駅にいる人だって、みんなこの電車に乗ってきた人たちばかりじゃない。このあたりに済んでいる人、使ってたりするの。」

「使ってないと思うよ。車だろうから。」

「そうよねぇ・・・。これが先人達の知恵なの。ただの無駄なものじゃない。」

「無駄じゃないよ。ちょっと難しいことだけど肥薩線(ひさつせん)のこと教えてあげようか。」

(かがやき)はそう言うと肥薩線(ひさつせん)のことについて話し始めた。私のためにかなりかみ砕いて教えてくれた。

「この路線は元々琵琶湖線(びわこせん)みたいな重要な路線だったんだ。それこそ昔は長い貨物列車や特急列車も走っていたんだ。でもね、その貨物列車や特急列車にはこのあたり峠を登れないんだ。」

「えっ、登れないって・・・。琵琶湖線(びわこせん)みたいな所だったんでしょ。意味ないじゃん。」

「それを意味あるものにしている場所がここ。」

辺りを見回す。なるほど、この辺りの風景にミスマッチな設備は琵琶湖線(びわこせん)クラスで重要な路線にするための風景なのか・・・。

「この路線を通る全ての列車はここで一旦休憩して、山登りのための準備をしたんだ。この駅を出発したら、一旦列車は奥の方へ入って、そこに見える築堤に向かって助走してから、駆け上がっていったんだ。」

助走って・・・。

 電車の出発時間になり、電車はさっきとは逆方向に進み始める。(かがやき)の言うとおり、電車はさっき見えていた築堤の方へは行かず、通り過ぎてから停車。駅に入る前と同じ進行方向になってから、電車は坂を登っていった。

 同じような駅をもう一つ通り、吉松(よしまつ)駅へと向かう。吉松(よしまつ)からは特急と普通列車を乗継いで宮崎(みやざき)の方へと行った。


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