500列車 ・・・結果・・・
東海旅客鉄道にエントリーシートを出してから、しばらくしてからエントリーシートでの書類選考に合格したとの解答が学校に入る。
その回答があってからと言うもの、ウチらはできうる限り東海旅客鉄道に合格出来るよう面接練習などを重ねるが、それ以外に一般企業への就職活動も欠かすことが出来ない。鉄道会社に一般企業の説明会、エントリーシート作成、筆記・面接試験。それをこなす毎日はあっという間に流れていった。
時は6月も後半金曜日・・・。
授業が終わるとウチは机に顔を伏せた。これから昼休みなのだが、何もする気が起きない。ウチは今人間がしなければならない「食」をしたくないほど眠いのだ。
「ハァ・・・。」
「光ちゃん、相当疲れてるわね。」
隣で亜美がつぶやく。
「そりゃ、疲れるよ・・・。寝る暇がほとんどないし・・・。」
「睡眠は重要よ。眠い顔していったらその時点で落ちるわよ。」
「分かっちゃいるけどさぁ・・・。」
ウチはそう言いながら、最近の就職活動の動向を考えた。確かに、書類だけで落ちるのであればまだ諦めが付くのだが、せっかく面接試験まで行ったのに落ちるって言うことがあるなぁ・・・。自分では緊張した顔してると思っても、向こうには着かれた顔のように見えているのかな・・・。どうなんだろう。
就職試験に落ちても、誰も落ちた原因を教えてくれるわけじゃない。それは全部自分で探さないといけないのである。数ヶ月の間に自分の欠点を見つけ出して、改善出来れば多少は違うのだろうが、原因がないと思った試験でも落ちることがある。そうなると何が悪かったのか見当さえ付けられない。そのうえに、次の試験は着実に迫ってくる。就活って「捨て身アタック」をかましているに近いなぁ・・・。
「生徒の呼び出しをいたします。」
チャイムが鳴り、ウチらの耳にその言葉が届いてきた。
「東海旅客鉄道を受験された7名は至急職員室に集まってください。」
「行こう、光ちゃん。」
「はぁい・・・。」
ウチはそう言ったが、なかなか起き上がらない。それを見かねたのか、亜美はウチの手を引っ張って無理矢理起き上がらせようとする。
「さすがにそこまでしてくれなくていいよ。」
さて、集まれというのだから行くか。
廊下を歩いて、エレベーターに乗り、職員室の前に来る。職員室の前にはウチと亜美以外に東海旅客鉄道を受験した5人がそろっていた。
「では、これから名前を呼びますので、1名ずつ入ってきてください。まず青葉雅和君。」
「はい。」
一人が職員室に入り、すぐに職員室から出てきた。彼は顔には出さなかったが、職員室に入る前と出てきた後では明らかに雰囲気が違った。それも悪い方向に・・・。合格出来る人間も少ないからな・・・。
「次。樺島望さん。」
「はい。」
「・・・。」
青葉、樺島と来ている。呼ばれる順番はアイウエオ順らしい。先に亜美が呼ばれるか。
「次、児玉芳喜君。」
「はい。」
「・・・。」
「次、崇城亜美さん。」
「はい。」
亜美は出てくると、右手の親指を立てた。つまり、内定を貰ったって事だろう。
「次、立山剣君。」
「はい。」
「・・・。」
「次、朱鷺勝君。」
「はい。」
「・・・。」
「次、永島光君。」
「はい。」
ついにウチの番か・・・。心臓がバクバク言っているのが分かった。職員室のドアを開けてはいる。
「永島光君・・・。」
「はいっ・・・。」
声が裏返った。
「おめでとうございます。」
「えっ・・・・。」




