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MAIN TRAFFIC5  作者: 浜北の「ひかり」
Iwatsuki High School Episode:1
1/62

464列車 学校初日

 ホームのない線路を15両編成の列車が高速で通過していく。青いラインの入った車両は見ていて新鮮だ。関西の新快速も十分長いし、速いと思っていたが、東京(とうきょう)の快速も負けてはいないなぁ・・・。

 だが、それよりも驚くことは人の多さだ。金町(かなまち)駅のホームには東京(とうきょう)方面に向かっていく数多くのサラリーマンを見ることができる。それに混じって学生の姿も見える。これから乗る列車にも数多くの乗客が乗っているはずだ。これからずっとこんな中を通学しなきゃいけないのか・・・。通学だけでもストレスがたまりそうだ。

「できればあんな人の多い新快速には乗りたくないからね。1700円ぐらい安いもんだよ。」

お父さんの言葉が頭をよぎった。今なら、お父さんが「びわこエクスプレス」や「はるか」に乗りたがる理由が分かる気がする。

 だが、金町(かなまち)にやってくる列車に特急や座席指定のホームライナーなどはない。東京(とうきょう)メトロ千代田線(ちよだせん)に直通する全ての列車は収容力を第一に考えたロングシート車ばかり。いろいろと諦めるか。

 ウチは次にやってくる列車に人の波にのまれるように乗り込んだ。時折、駅で降ろされながらも、日暮里(にっぽり)まで行き、山手線(やまのてせん)に乗り換えて上野の学校に向かった。学校に着く頃には何かいろいろと疲れてしまった。

「・・・ああ、やっと着いた・・・。」

今日から通う岩槻高校を見た感想がこれか・・・。これから遅れないようにやってくるのは大丈夫かな・・・。

「着いた・・・。」

ウチの隣で一人ため息交じりにそう言った人がいた。

「君も今日から岩槻高校に通うの。」

と聞いてみた。

「ああ。そういう君も。」

家は首を縦に振った。

「もしかしたら、同じクラスになるかもね・・・。」

その人はそう言っておくの方へと歩いて行った。ウチも行くか・・・。その人について行く。まぁ、別のクラスって言う可能性のほうが高いよなぁ・・・。

 クラス割りを見てみると亜美(あみ)も同じクラスだなぁ・・・。鉄道科に通う人って今はそんなに多くないのかな・・・。

 ウチは自分のクラスに向かった。自分の暮らすに入るとさっき見た人もいた。座席表を見る限り、ウチの後ろの席らしい。それにしてもこの名字なんて読むのかな・・・。ぬまい・・・、ぬまたる・・・。どっちだろう。

「おはよう、光ちゃん。」

亜美(あみ)がそう声をかけてきた。

「おはよう。」

「光ちゃんは沼垂(ぬったり)の前よ。私はクラスの前列になるけどね・・・。」

そう言いながら、亜美(あみ)は自分の席を指さした。確かに、生徒としてはあんまりいい席じゃないなぁ・・・。ていうか、あの人の名字「ぬったり」って読むんだ。すごい読みだな・・・。

「光ちゃん、通学から疲れた。」

亜美(あみ)はそう聞く。

「本当だよ。途中で列車から半強制的に降ろされたりもしたし・・・。」

「ハハハ・・・。電車通学は慣れてないのかしら。」

「・・・亜美(あみ)は何でここまで来たの。」

ウチはそう聞いてみた。すると亜美(あみ)は1枚の切符を取りだした。

京成(けいせい)「モーニングライナー」。新AE型を使う座席定員制の特急よ。」

券面には青砥(あおと)京成上野(けいせいうえの)の間で410円の特急料金がかかると言うこと、そして亜美(あみ)の座った座席が書かれている。

 確かに、京成電鉄(けいせい)金町(かなまち)駅はJRの金町(かなまち)駅の近くにある。でも、あの駅はどう考えても京成(けいせい)の中でローカル線色の強い駅だな・・・。あの駅から京成(けいせい)に乗ったのか・・・。それにしても、朝から特急って・・・。

「さすがに京成(けいせい)が命かけてる「スカイライナー」ね。乗車1回目だけど、やみつきになりそうだわ。帰りの「イブニングライナー」のチケットも取ろうかしら。」

「・・・。」

乗車時間は15分ぐらいしか無い。ウチにはそんな短い時間でも特急料金を払って快適に移動するという感覚はまだ理解できないかもしれない。


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