第七話
一週間に二話更新できなくて申し訳ありません。今後も不定期更新ですがよろしくお願いします。
次話は明日、三日朝六時に予約済みですの!
それ以降の話ですが今までの遅れである十話くらいまでは1~二日毎に更新したいと思ってます。
遅れを取り戻したらまた遅れ始めそうだけどそこはご愛敬で……
ー 文化祭 二日目 -
今日も朝から僕の体で登校……したらやっぱり昨日と同じように拉致され、エルさんへと体を変化することになりました。うん、こうなるって事は予想してたからこれ以上は何も言わないよ。
ちなみに昨日のエルさん用のメイド服を着た僕の画像について奏音姉ちゃんから鼻息荒く事情聴取をされたけど、先の拉致の経緯を知って「なるほど、どうしようもできない事態にすれば私好みの服を着せられるのね……」と怖いことを言っていた。……実行しないよね?そんなことしないってしんじてるからね、お姉ちゃん。
「エルネシアさん!今日は忙しくなるかもしれませんけどよろしくお願いしますね」
「えぇ、こちらこそよろしくね。えっと城崎委員長」
城崎さんは城崎美鈴と言って僕と同じ中学から上がって来ており、メガネをかけたおさげ女子と言う事で委員長と言うあだ名が定着し、実際に学級委員長をしてくれているテキパキした真面目で良い人だよ。
僕が事故に遭う前もこの学校に来てからも何かとお世話になっている人だから、城崎さんからのお願いは出来るだけ断らないようにしてる。だってそういうお願いの内容は大抵職員室までプリントを運ぶのを手伝ってほしいだとかそういった類の事だしね。
「はい。……それでは文化祭二日目にあたり注意事項があります。それはまず外からお客様がいらっしゃいますので当然のことながら暴力沙汰は厳禁です。念のため生徒会の方が有志で警備を募集した所、九割の学生が協力を申し出てくれました。
なのでおそらく、どの生徒に話しかけても風紀委員の方に連絡がいくようになっていますのでそういった事態があった時は即座に連絡をするようにお願いします」
「はーい!」
「続けて、うちのクラスの出し物であるメイドカフェですが……先日決めた通り当番制となっております。
休憩に関してもちゃんと割り振られている仕事はこなし羽目を外しすぎないようにして下さい。それでは本日から二日間頑張っていきましょう」
「おぅよ~!」
「それじゃ、私は校門のところでチラシ(メイド服姿のエルネシアさんが前面に押し出されている)を配ってくるわね!」
「俺もチラシ(制服姿のエルネシアさんが昼ご飯を食べている姿)を配って(エルネシア親衛隊員募集して)くるぜ~!」
最後のはなにか違う気がしたけどもう出発してしまった以上止める手立てはなさそうだね。
城埼さんの合図で各員が仕事の持ち場に付く。僕……というかエルさんも午前の一部(午前と午後にそれぞれ一部と二部がある)と午後の二部はカフェでの接客をすることになっているのでその準備にかかる。
「エッ、エルネシアさんっ!き、休憩時間に一緒に食事でも……」
「そうはさせないっ!」
「あっ、なんで翼が出てくんだよ!せっかくエルネシアさんと喋ってたのによ」
「エルさんは忙しいんだ。悪友のお前なんかに話しかけられている時間はないんだよ!だからさっさと持ち場に戻れば?」
「くっそぉ……仕方ない戻るか……そういや翼っ、そのメイド服……似合ってるぜ?じゃあなっ!」
「なっ!?こら、まてぇ!」
最後にいい笑顔で僕が気にしてることを言い捨てやがってぇ!そもそも悪友のお前が話しかけてさえ来なければ入れ替わる必要なんてなかったんだぞ!
「ふふっ。ツバサくんもあの悪友の……えっと何君だったかしら……?まあいいわ。あの人も凄く仲がよさそうで羨ましいわ」
「え、エルさん。僕はアイツと仲良く見えるのは心外だよ!あいつはさ……いつもいつも僕に迷惑をかけてくるんだ……。この前だってさ……」
「大丈夫よ、ツバサ君がその迷惑を楽しんでいることも知ってるわ」
「い、異議あり!そんなことはないんだから!」
脳内会話でエルさんに必死に説明したけど、理解してもらえたのかすごく不安だよ……。
準備が終わり学校の門が開放されて外からのお客さんが校内へと入ってくる。土日と言う事でやってきた中学生以下の子達はグループで模擬店などを周って思い思いに楽しんでいるし、在校生の保護者は自分の子供のクラスの出し物へと我先に飛んでいく。当然カメラなどを構えているのは言うまでもない。
で、そのあおりを受けている僕のクラスだけど……なんか男の子率が非常に高い。保護者のお父さんは当然として模擬店を周っていたはずの中学生くらいの男子グループもうちのクラスへ殺到しているらしい。
入場整理を担当しているこの話によるとすでに整理券番号で200番まで配り終わったらしい。
……まだ校門開放されて15分経ってないんだけど?
言うまでも無いけどその人たちの目的はおいしいカフェのスイーツ……などではなくエメラルドの髪をふわりを靡かせる爆乳美人メイドを見るためである。要するにこいつらのほぼ全員がエルさん目当てだったと言う訳。……ちゃんとカフェの商品目当ての人もいる!と信じたいんだ。
いい大人のお父さん連中まで対応するさい、上体をかがめた時にプルルンッとなるエルさんの胸に視線を集中させてるんだから質が悪いよね。奥さんが居たら耳を引っ張って連れ出されてるレベルだよ?
当のエルさんだけどそんな視線をものともせず、お金を持っていそうな保護者のお父さん連中には高い物をお勧めし視姦された分の売り上げをまきあげてる(?)し、お金を持っていない中学生には単価は安いけどお腹が膨れるお菓子を勧めることで追い出し作戦を敢行して店の回転率を上げている。
そんな中、開店30分足らずでうちのポイントカードをためたらしい保護者のお父さんが一人目のルーレットに挑戦した。もちろん狙っているのは一等のエルさんとの文化祭を一緒に周る権利だろうね。
結果は四等のお菓子詰め合わせ。そこはかとなく、がっかりした様子で店を出ていくそのお父さん。その息子と思われるうちのクラスの男子が急いでフォローに向かっていた。
案外この男子の差し金で当たったら自分がその権利を奪うつもりだったんだろう。何せ悪友のおやじだったからな!これだから金持ちは困るよね。
その後もエルさんの活躍でうちのクラスの売り上げはうなぎのぼりで右肩上がりだ。いや、意味はほぼ同じだけど続けて書きたくなるくらい凄かったんだってば。
こうして午前の一部が終わった。エルさんは午前の一部担当だったけど、午前の二部は僕が担当する事になっているので急いで執事服……じゃなくて制服に着替えてクラスに戻った。
午前の二部は一部程客足が伸びず、ゆったりしたものだった。やっぱりエルさんが居ると居ないとでは集客数に差がありすぎるよ……。
午前の二部が終わりお昼休憩の時間だ。この間も開店しているけど、うちのカフェは腹持ちのいい食べ物なんてほとんどおいてないから混むことは無いと思う。
で、僕達はと言うと……奏音姉ちゃんと輝の二人に拉致され一緒に食事をとっている。二人が家から持ってきてくれたお母さんの作り立て弁当である。当然エルさんの為にデザート付きだ。
「翼もエルちゃんも午前はお疲れ様。確かエルちゃんはまだ午後の二部も担当するのよね?私と輝もその時間にはクラスの方に顔を出す予定だから口利きお願いできるかな?」
「わかりました。奏音お姉さん。ただすごく混雑が予想されるので多少お待たせするかもしれませんよ」
「えぇ、そのくらいは気にしないで良いのよ」
「あっ、姉ちゃん。その心配はいらないよ。……我が先ほどエル姉が担当する午後の二部の整理券を2枚貰っておいたからな。ふはは!」
「へぇ!やるじゃない輝っ!見直したわ。抱きしめてあげるぅ~!」
「わぷっ!ちょっと姉ちゃん恥ずかしいって!」
大学生である奏音姉ちゃんのふくよかな胸に顔を挟まれ、赤面する輝。まあこの赤面は本人が言うように姉相手で恥ずかしいからの赤面である。これをもしエルさんがしていたら……
「輝君、さすがね!私も抱きしめてあげるわ」
「へっ!?ふわぁぁっ!!(ニヘラ~」
まあこうなるよね~。エルさんの爆乳に挟まれ実姉の時とは大違いの赤面指数を示す輝の顔。やっぱり血のつながらない義姉が相手だと抵抗しないのだな弟よ……。
ちなみにこの光景は同じく休憩していたクラスメイトをはじめ、輝と同じ中学校の生徒に見られていたので、彼がこの後に受けるだろう天罰は想像に難くない……。