表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/13

その夜

 気づいたときには僕はベッドの上にいた。痛みは残っている。体中が痛い。今日は心も痛かった。

「気づいたか」

 隣にペンギンがいた。なにが起こったんだろう。

「お前が気にすることはない。それよりあのとき、なんで立つのをやめたんだ?」

 立ったってどうしようもないじゃないか。あそこで立ってもまた殴られるだけだ。そうだ。僕はなにもできない人間なんだ。世の中は力が全てだ。力を持っているものに全員が従う。力を持っているものが全てだ。

「やり返すのは……無理か。力がないもんな」

 わかっているじゃないか。腕力もなければ人間的な力もない。

「人間。お前のいう力ってなんだ?」

 発言権かな。クラスでの地位だ。人は必ず優劣がつく。自分よりも強い弱いが本人が意識しなくてもできているんだ。

「発言権があれば強いやつなのか?」

 そうだよ。そしてそういう人は最初から決まっている。発言できる人間は限られているんだ。ペンギンもバックの中から見てたんじゃないのか? 僕が無視されるとこ。

 ペンギンはうなずいた。わかっただろう。僕がクラスでどれだけ必要とされていないか。僕を必要としている人間なんているわけがないんだ。僕は要らない人間なんだ。

「もっと自分を見つめてみることをお勧めするよ。他人と比較して他人が自分より優れていたとしても、それは恥じゃねぇさ」

 なにを言っているんだよ。よくわからないよ。奇麗ごとばかり並べないでくれよ。君は何を言いたいんだ……。僕は自分を弱い人間だってことわかってるよ。もう聞きたくない。何も聞きたくない。五時か……しばらく寝よう。なにかペンギンが喋ってるけどいいや。聞いてもどうしようもない。僕には関係ない。どうせ僕は弱い人間だ。


まだもう少しだけお付き合いください。

次もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ