2/3
おばあさんの昔話。
ここは駄菓子屋さんとお家から隣接しているらしく、通された部屋は和室のようで畳と襖とちゃぶ台があった。
いつの間にかおばあさんがお茶とお菓子を持ってきてくれた。
「あ。すみません。なんか雨宿りしにここに立ち寄らせてもらったのに親切にしてくれて」
私は今までこんなに親切にしてくれたことがなく涙がでそうになると、おばあさんが『あらあら』と困った表情でなにか思いついたのかニコリと笑って、
「ねぇ昔話。聞きたい?」
いきなりの話題転換に私は思わず、はい。と応えてしまった。それからおばあさんは懐かしそうに話し始めた。
十七年前、ここの家族はとても賑やかな暮らしをしていた。私の娘と夫、そして生まれたばかりの孫がいたの。でもある日。夫婦が忽然と姿を消しておばあさんと幼い子だけが残された。
「あの、そのお孫さんは今どうしているんですか」おばあさんは少し驚いた様子で目を見開いて少ししてから、
「今は、元気に学校に行ってるわ」
もうすくすく育ってね、今はもう見下ろされてる。あれは巨人ね。と冗談混じりに話してくれた。