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魔王になったら領地が無人島だった  作者: 昼寝する亡霊
3章 無人島編

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第84話 コーヒーを収穫した時の事

適度に続けてます。

相変わらず不定期です。

 夕方に、コーヒーショップの様子を見に行ったら。

「カームさん、もう豆が半分以下になっちゃいましたよ」

 そう言われ、インテリアを兼ねる為に樽にコーヒー豆を入れていたが、開けて見て本当に半分以上なくなっていた。

「あー本当だ、収穫しないと間に合わないな」

「何呑気な事言ってるんですか! かなり不味い事なんじゃないんですか?」

「数日分ならどうにかなりますので、取りあえず安心して業務にあたってください。いやー、こういうのって嬉しい悲鳴って言うんですかね?」

「何言ってるんですか、こっちは心配だったんですよ」

「まぁまぁ、取りあえず売上とかってどうなってます? 一日分でいいので」

「えーっと、これくらいです」

 そう言って売り上げの袋を見せてもらった。

 そして金額を数え、色々差し引いて、二十五日働いたとして、それ相応の給料にはなる事が解った。

 だがこの世界に月と言う単位はないので「大体一ヶ月」が通用しないので、分り易い単位にしてやる。

「この金額だと、色々引いて十日働いたらこれくらいですね」

 そう言ったら「「そんなに!」」と二人が言った。

「コーヒーの仕入れ代金もないし、他の物はニルスさんに色々安くしていただいてますからね。借家の料金はどのくらいかわかりませんが、それを差し引いても結構残ると思いますよ。豪遊とか、変な手口に引っかからなければ平気だと思います。これからもよろしくお願いします」

「は、はい! よろしくお願いします」

「あー、島に戻りたい場合は、少し多めに休みを取る事を事前に看板でお客様に告知して下さい。その時に迎えに来ますから」

「わかりました」

「じゃぁ俺は明日から動きますので、豆が出来次第届けに来ますね」

「お願いします」



「ってな訳で、町に出した店のコーヒーが思ったより早く半分を切ったので、収穫に行ってきます」

「なんだ、手伝わなくていいのか?」

「移動面で不安があるので、取りあえずハーピー族と水生系魔族の手を借ります。報酬は肉なので、多めに狩って下さい、んじゃこの空いた箱と袋を借りますね。キース、肉頼んだぞ」

「おうよ!」

 俺はそのまま波打ち際に行き、少し大き目の石を空中に作りだし、ドッパーンと大きな音を出した。

 しばらくして、ルカンさんが顔を出した。

「うるせぇぞ! 呼ぶ時はもう少し丁寧に呼べ」

 やっべ、魚類が衝撃に弱いって忘れてた。

「すみません、次はもう少し優しく呼びますね。それと仕事です」

「なんだ、この間の船をひくのか?」

「いえ、それはまだです。急ぎの仕事です」

「……なんだ言ってみろ」

「金を稼ぐのに、この島の反対側にある木の実が急ぎで必要になりました。陸を歩く魔族や人族では、島の反対側まで行くのに時間がかかります。なので泳ぎの速い、ルカンさん達に声を掛けました」

「それだけか?」

「木の実を収穫するのに陸に上がります、なので陸に上がれる方々を選んでください、必要な量はあの箱いっぱいです」

後ろに有る、何個も積んで有る箱を指差した。

「わかった、待ち合わせは島の反対側で良いんだな?」

「はい」

「お前はどうなんだ?」

「魔法で行きます」

「便利だな。まぁ先に出るぞ」

「お願いします」


 そして俺は転移陣で、山に向かう。ハーピー族にも声をかける為だ。

「おーカームじゃないか! どうしたんだー?」

 ファーシルは、温泉でバシャバシャやっていた。

「キアローレさんにお仕事のお話だよ」

「肉かー! 肉がもらえるぞ!」

「あげないよ、働いた分だけ。間違えちゃ駄目だよ」

「んー?」

 ファーシルは首をかしげている。

「働くとお金がもらえるんだけど、お金より肉が良いって言うから、お金じゃなくて、お肉なの。お金がいいって言うならお金を出すけどね」

「肉がいい!」

 ですよねー。

「だから話し合い」

「そうかー、とーちゃんは上にいるぞー」

「急ぎだから呼んできて欲しいんだけどいいかい?」

「おー」

 ファーシルは濡れたまま飛んで行ってしまった。ハーピー族って全員こうなのかな……。


 その後、お湯が湧き出ている場所やかけ流しのお湯を取り込む排水の穴の点検をして、体感で五分もしないでキアローレさんがやってきた。ちなみに穴の回りは羽が浮きまくってた。

「魔王よ、仕事らしいな」

 もしかしなくても、俺の名前忘れてる?

「はい、あの赤い実を集めてもらいたいんです、後ろの箱いっぱいに」

「わかった、あれも運べば良いんだな」

「いやいや、アレは俺が運びますよ、場所は丁度太陽の沈む方向に集合です」

「集合? 誰か来るのか?」

「水生系魔族ですね」

「奴等は好かん!」

「あの、何かあったんですか? それなら色々と考えなくちゃいけないので」

「魚なのに食えん。しかも反撃される」

 捕食対象にしか見てないのかよ。

「えっと、一応同じ魔族ですので、話し合えば魚くらい分けてくれると思いますよ?」

「おぉ、相変わらず頭が良いな!」

 もう嫌だこの種族。なんか頭が痛くなる。本当に『頭痛が痛い』って言いたくなる。

「あー、えっと、村の場所から先ほど泳いで向かってもらったので、到着までもう少しかかると思いますけど、もう出ます? キアローレさん達は移動速度早いですよね?」

「うむ、赤い実の場所までは太陽が少し傾くくらいで付くぞ」

 やっぱり早いな、速さを生かした、なにかいい仕事があればいいんだけど、島が発展した時の郵便物宅配くらいしか思い浮かばない。


「じゃぁ、太陽が沈む方角の、波打ち際に集まってください」

「わかった」

 そう言うと飛び立って行った、仲間とかに声かけないんですか? そんな疑問はその辺に投げ捨て、俺も転移魔法で目的地まで移動した。


 まだ誰も来ていなかった。

 なので島の西側と言う事で、目印を地面を隆起させ柱っぽく作る。これは後で石柱にしても良いかもしれない。折角だから東西南北に四ヶ所立てるか。

 そんな事をしていたら、半魚人タイプの魔族が水面から顔を出した。

 なんでコイツが一番速いんだよ。

 そう思いつつ頭だけが魚のサハギン? アジョットが話しかけて来る。

「魔王さん、速いっすね」

「いえ、貴方もかなり速いですね。驚きました」

 こいつ、声帯どこに有るの?

「俺はこの辺で一番速いからな」

 そう言って親指を立てて前に付きだしてくる、コレで顔が人型で笑顔だったら、好青年なんだろうが、顔が魚ってだけでなんかムカツクから不思議だ。だが差別は駄目だ。俺も笑顔で親指を立て返した。多分グッドサム的な物で合ってると思う。他の意味だったら最悪だけどな。


「皆が来るまで待ちますか」

「うっす」

 台詞と首から下だけ見れば本当好青年なんだけど、頭で台無しだ。そう思うのは、俺だけだろうか?

 それからしばらくして、ハーピー族が着き、水生系魔族がやってくる。

「なんでハーピー族がいるんだよ」

「魔王に呼ばれたからだ」

「俺達もだよ」

 なんか若いハーピー族と水生系魔族が中学生みたいな喧嘩を始めたが、無視して話を切り出した。

「ここにいるのは、島に住んでたり、島の周りに住んでる魔族です。なので仲良くしてもらおうと声をかけたんですが、迷惑でしたか?」

「いや。別に……」

「そんな事はねぇよ」

 双方が先生に喧嘩を止められた様な反応をしている。

「なんかさっきハーピー族の方に話を聞いたら、どうも海に住んでる方々を反撃して来る魚と思っている考えがあるみたいですが、この際なんでスッキリさせましょう。ハーピー族は、海に住んでいる方達を食べ物としか思ってなかったみたいです、なのでお互いに食べ物を交換して、その考えを辞めさせ仲良くしましょうよ。ね?」

「そうだったのか。馬鹿だと思ってたが、本当に馬鹿だったんだな」

「魚みたいな格好しているのが悪い。今度から気をつけるし、ここにいない連中にも言い聞かせておく」

「次から気をつけろよ」

「「で、どうすりゃいいんだ?」」

 二人は会話を終わらせ、俺に指示を仰いで来た。なんだかんだで息ピッタリだな。

 将来的にこの種族が仲良くなって。頭が魚で、体が人っぽくて、背中に羽生やした子供とか作らないでくれよ。

「はい。簡単です、俺の後ろに有る木に生ってる、この赤い実をこの箱に集めて下さい、それだけです。赤く無いのは熟してないので、収穫しないように。袋も渡しますので、コレに集めて重くなってきたらこの箱に入れる、簡単でしょう?」

「簡単だな」

「あぁ」

「俺も頑張るんで、皆も頑張ってください。もちろん報酬は肉ですよ」

「「「「うぉーーーー!」」」」

 なんか、本当にコレで良いのかと思えて来る、良心がなんか痛む。発展できたら本当に優遇しよう。

 俺は作業を開始し、実を袋に詰め、一杯になったら箱に詰めに行くという単純作業を繰り返しつつ、周りの様子もしっかり観察する。

「俺の方が多いだろ!」

「いいや、俺の方が重かったね!」

 そんなやり取りをしているが、実を剥いて、種を乾燥させ、焙煎して磨り潰すから大差はないと思うんだよな。

 重くて多い方が良いと思うけどね。

「うめー」

「これ、ほとんど種ですけど食べられるんですね」

 ファーシルとサハギンの女性はなんかのんびりしている。

 なんか微笑ましいな。


 人数が多かったから、箱は直ぐに一杯になったが、欲が出たのでついで、袋も一杯にしましょうと言ったが、それでもあまり時間はかからなかった。

 ワイン樽で三個はあるか? けど実を剥いたり乾燥させるとコレがどれくらい減るかだよな。

 俺は両手を広げ、箱と袋がはみ出無い様に積んでもらい。帰る準備をした。

「みなさんありがとうございます。コレくらいあればなんとかなります。多分ですが村の方に行けば肉があると思うので、受け取りに戻ってください」

 そう言うと歓声が上がり。水生系魔族は海に全力で走って行き、物凄い速さで泳いで行き。ハーピー族は東の空へ消えて行った。

 肉ってそんなにありがたいのか? こりゃ本格的に豚の繁殖に力を入れないと不味い事になるな。野生生物も有限だしな。実際に兎なんか全滅しかけてたし。

 そんな事を思いながら俺は転移魔法を発動させ村に戻った。


「ただいま戻りましたー」

「おかえりなさーい」

 なんだろう、少し気怠い。この転移魔法って物凄く魔力消費激しいの? 今まで往復一回とかだったから気が付かなかったな。今度注意しよう。

「とりあえず採れるだけ取ってきました、ここから先の仕事は俺達の仕事ですね、実を剥いて広げて乾燥させないと」

「そうですね、私達では島の反対に行くのにも時間がかかりますし、ありがたいです」

「けど任せっきりにはできないので、この間作った底の平たい船で向こうに行って、積めるだけ積んで戻って来ることもしないと申し訳ないですよね」

 みんなに給料が払えればいいんだけど、まだまだコーヒーの知名度は低いからな。売れたら一回全員でコランダムに行って、買い物とかさせた方が良いのかな。

 なんか気分は修学旅行だけど、全員分の六日分の食事を積むだけでも大変だ、この計画は無理だな。あの船に全員乗らないし、食糧を積めるとは思えない。

 そんな事を思いつつ、実は腐りやすいから直射日光の当たらない倉庫になってる家にひとまず入れ、皆の肉の準備を始めようと思って外に出たら、キースがドヤ顔で自分の後ろにある、頭部や急所に穴の開いた熊や鹿を親指で指している。

「ありがとう、助かったよ」

 俺は大人な対応をしておいた。変に突っ込んだりするとさらに調子に乗るからな。

 皆で解体作業を始めようと思ったら、先にハーピー族が村に着き。新鮮なレバーを食べようとしている。その気持ちは分かるけど、魔族って言っても人型なんだから寄生虫とかには気をつけような。

 その後に、一番泳ぐのが速いと言っていた、頭だけ魚の奴が海から上陸して来た。本当に体の構造がどうなってるのか気になる。


「じゃぁ皆さん揃ったみたいなので食べましょう。いただきます!」

「「「いただきます!」」」

 今回も、収穫に参加していない方々も呼び、友好を深めてもらおうと皆で食事をするが、やっぱり人族の男は、この間の上半身裸だった人魚さんに釘づけだ。流石に今回は胸に布を巻いていたが、人族の男に、一人身の同族を紹介してよ、とかも言われてる。

 それとファーシルと先ほど話していたサハギンの女性は、一緒に肉を食べ、しっかり仲良くなっている。

 しなやかな引き締まった筋肉に一目惚れしたのか、男性のサハギンにも女性が話しかけている。

 まぁ仲が良い事は良いと思うよ。

「なぁ、カーム」

「なんだーキース」

「何が目的なんだ?」

「何って。皆が仲がいい方がいいだろ」

「仲が悪いよりは良いけどよ、こんな魔族と人族が仲の良い場所なんかほとんどないぞ」

「なら作れば良いんじゃね? 今後も島を発展させるために、種族を問わず受け入れるつもりだぞ」

「最悪戦争にならないか?」

「戦争にならない為に、魔族と人族を今のうちに仲良くさせてるんだろ。なんだかんだ言って揉めるのはお偉いさんと頭がクソ硬い奴だけだ。この島にしか無い物を流行らせ、それがお偉いさんの命令で無理矢理供給されなくなったら、皆はどう思う? 不満に思うだろう? それに、この島を手に入れようと人族や魔族を皆殺しにしても噂は広がるからな、いくら洗脳されていたとか自分達より劣る魔族と友好を深める奴は異教徒だとか言っても、殺しに来た兵士はどう思う? いい気分じゃないよな。そして、魔族から非難され魔族と戦争に……あれ? 戦争になっちゃうな。どうすっか」

「知るかよ、途中まで真面目に聞いてた俺が馬鹿だったよ」

「いやーすまんな、これだと戦争になっちまうな。けど目標は、王族や王室、貴族連中やお抱えの大商人にこの島の特産品を流行らせ、この島の強奪の 反対票を稼げたらいいなーって程度だな。脅されたら、コーヒーの出荷止めるぞって言えば、国民が不満に思うから、手は出せないと思いたい。それでも戦争になったら。いやいや、戦争は駄目だったな。金が手に入ったら、酒や菓子の特産品も作るから、双方に武力で介入し辛い状況を作っておけばいいんじゃね?」

「また戦争がしたいのかよ?」

「全然」

「じゃあなんで、戦争って言葉が出て来る」

「国が関ると物凄く面倒くさい、ましてや魔族もいる、攻め入るのには十分な理由だよ。上のご機嫌取りの為だけに、魔族が管理している島なんか、理由なんか要らない、俺が管理する。とか言いそうで、しかもその魔族が魔王と知れたら国も出てくるかもな、まぁ勇者が来たけどな!」

「来たのかよ!」

「話し合いで解決したけどな」

「話し合いって。勇者がそんな事聞き入れるのかよ」

「聞いてくれる理由が十二分にあったんだよ、まぁそんな事は後で考えるとして、肉でも食おうぜ」

「なんだよ、教えろよ」

「無理無理、キースでも、故郷の腐れ縁でも、親にも言えねぇ理由だよ」

 そんな会話をして、キースの取って来た肉を食いまくって、残り少ない酒も出した。

 これを機に、ハーピー族と水生系魔族が仲良くなれれば良いけどな。



閑話


 あの気持ち悪いのはなんだ?



「なぁカーム」

「ん? なんだキース、まだ質問が有るんか?」

「あの人族の体に魚の顔してる奴とか、魚の体に人族の手足が生えてるのはなんだ?」

「サハギンだろ」

「いやいや、もう少しこう。全体にばらけるようになるんじゃないのか? あそこにいる女性みたいに」

 キースが指を指した先には、漁班班長と仲良く肉を食べているサハギンの女性がいる。

「ああいう風に腕の一部に鰭があったり、手や足に鱗が少しあったりよ」

「生命の神秘だな。だから全体にばらけないで一ヶ所に固まったんだよ」

「その神秘とやらで片付けるのはおかしい、何なんだよアレは!」

「サハギンと人魚族」

「いやいや、サハギンや人魚って言うより魚人だぞ、しかもどこから声が出てるんだよ!」

「口だろ、考え過ぎると禿げるぞ、俺はもう深く考えないようにしたから」

「あぁそうかよ、俺はしばらく気になって寝れねぇぞ」

「禿げるぞ」

「オヤジはフサフサだ!」

「想像してみろ、アレとハーピー族が愛し合った結果を、アレに羽が生えるんだぞ、神々しいと思うぞ」

「どこの邪神だよ!」


 前世でトビウオっていたけど、そっちに流れてくれねぇかな。そんな邪神は突然変異と生命の神秘がタッグを組んで、DNAに喧嘩して勝たないと無理だろうな。

内政とか外交とか政治とか駆け引きとか解りません。なので一般的な視線からやってみたいと思っています。

おかしな事にならなければ良いんですが。


一周年記念作者のぶっちゃけ話しをおまけssの方でやるか、活動報告でやろうと思っています。

お気に入りに入れてくれなくても、見れるおまけssの方が良いのかな。まぁどちらかで載せます。

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作者が書いている別作品です。


おっさんがゲーム中に異世界に行く話です。
強化外骨格を体に纏い、ライオットシールドを装備し、銃で色々倒していく話です。


FPSで盾使いのおっさんが異世界に迷い込んだら(案)

― 新着の感想 ―
[良い点] 最後のキースとのやり取りは何度読んでも吹いてしまう。
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