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第07話 収穫祭が終った時の事

細々と続けてます。


20150425 本編に、差支え無い程度に修正作業をした積りですが、まだ句読点の使い方が下手ですので、色々気にしないで頂ければ幸いです

学校に行くのに待ち合わせをしているけどスズランが来ない。

あんな事が有ったのに迎えに行くのかよ、胃が痛い。殺されない事を祈るしかない。


「おはようございます、スズランを起こしに来ました」

「おい、早速呼び捨てか? 良い御身分ですなぁ」

やっぱり絡んできた。威圧感は有るけど殺気は無い。今の所大丈夫か?


「まぁ・・・本人の希望ですし?」

「そうだよなぁ、そう言われたらそうするしか無いよなぁ?」

まだ絡みますか。

「あなた? この子達が遅刻してしまいますよ?」

笑顔で氷でできた剃刀みたいな殺気をイチイさんに飛ばしている。

「じゃ、じゃぁ起こしてきますね」

と言い部屋の方に向かうが居間の方で話し声が聞こえる。


「昨日さんざん言ったでしょう、あれはどう見てもスズランから仕掛けてたって。カーム君はまだそんな気は無かったみたいって」

「でもよ、あんだけ有ったのにしてないみたいだぜ?俺の娘の事嫌いなんじゃねぇのか?」

「カーム君は紳士なのよ、酔った子に手出すのは不味いって思ったんでしょう」

聞こえてますよイチイさんリコリスさん・・・。


ドアをノックするが、いつも通り反応は無い。

「入るぞ」

声をかけてから少し待ってから入る。


相変わらず寝ているが、ベッドの横に普段穿いてる短パンが落ちてる。

布団の中は下着ですか・・・。

まぁ・・・あんな事が有ったんだ。色々一人で発散しててもおかしくない。

年頃の女の子だしなぁ・・・。一応ドアから死角っぽい所に置いておこう。「俺はいつも通り起こしに来ただけですよー」感を装う事にしよう。


いつも通り肩を叩き「起きろ」と言いつつ肩を揺する。

「んー」と言いながら覚醒しかけるが、片足の膝から先がベッドからずり落ちてきて下着が引っかかってる事に気が付いた。俺の下半身が覚醒しそうになる。布団の中はシャツだけですか・・・

はい・・・昨日はお楽しみでしたね。一人で!


どうしよう・・・このまま部屋を出て、二度寝するかもしれない状況にするか・・・スズランに恥をかかせるか・・・


俺はヘタレです、一緒に遅刻しましょう。

最後に一声だけ掛けてから、少し部屋のドアを閉める音を大きく鳴らす事にした。そして色は白だった。


居間に戻り気まずい雰囲気のままお茶をもらいつつ飲んでいるとやっぱりイチイさんが絡んできた。

「スズランの事どう思ってる? 昨日はあんな状況になったのになんで早く戻ってきたんだ?」

奥歯に物が挟まった言い方は嫌いみたいだ。だから俺はまっすぐ目を見て答えた。

「スズランの事は好きだと思ってます、いえ、好きです。昨日は気を利かせていただいたのに早く戻ってきたのは酔っている子と、そういう事はしたくないからです。酒の力を借りてない状態で、お互い合意の上でしたいと思ってるので。

正直言うと昨日はベッドに下ろした後、腕を掴まれベッドに引きずり込まれそうになったんですが、さっき言った事を言いました。そうしたら納得してくれたみたいで離してくれました」

「あら、あの子って奥手だと思ったけど意外にやるのね」

えぇ、リコリスさん、スズランは肉食系ですよ。食事も、恋愛も。


「・・・まぁスズランがお前の事好きなら仕方がねぇ。いきなり俺の知らねぇ奴が来て『娘さんを下さい』とか言ってきたら全力で殴ってやるのが夢だったんだがな」

俺は何も言わずに茶を啜る事にする。

「でもよ、あいつが泣いてこの家に戻ってきたら、たとえお前が世界の果てに居ても殴りに行ってやるからな? 覚悟しておけよ?」

「・・・解りました、その時は全力でぶん殴ってください」


スズランはまだ来る様子は無い。


「お前の考えを聞かせろ。それによっちゃ嫁にはやれねぇな」

「まずは学校の卒業ですね。卒業しないと話になりません。知識は重くない武器であり財産です」

実際地球でも資格や免許は持ってて重くない武器だったし、知識もある意味武器になったからなぁ。

「はん!魔法を収穫や生活が便利になりそうな事に使う奴が学校ねぇ」

「学校で村の仲間と友情を深めておくと卒業して仕事してる時の横の繋がりにもなりますからね、出ておいて損は無いです。卒業したらまずは村を出て、町の方に行ってみてお金を稼ぎます。結婚するにしても、生活するにしても、子供を育てるにしてもお金が要りますから」

「かぁちゃん、こいつ今の俺よりもしっかりしてないか?年上としての威厳がすでに無いんだけど」

まぁ中身は30年生きてますし。


「その後は何か定職について安定してお金を稼ぎたいですね。冒険者って一攫千金を狙う職業も有るみたいですけど、危険な事はしたくないので」

「俺がお前くらいの時は冒険者になりたくて棒振り回してたぜ? お前の親父のヘイルとな。知ってるんだぜ?森に有るお前の秘密基地、中々手が入ってるみたいじゃないか、ヘイルが酒飲みながら言ってたぜ?」

「まぁ・・・色々とやってるのは事実ですけど、先生が言うのには魔族が嫌いな人族も居るって事を聞いたので、身を守る訓練くらいはしてますよ。魔法もそこで考えてます。あと村の周りの魔物を間引きしてくれてありがとうございます。だから俺はそこで安全に訓練が続けられます」


スズランの部屋の方でバタバタ聞こえる。短パンが落ちてて下着が足に引っかかってるのを見られたのかもしれない。と言う感じだろうか?

大丈夫、「オレハナニモミテマセンヨー」って感じで接するから。


「珍しく騒がしいな、あいつに何かしたのか?」

「いつも通り声をかけて、返事が無いのを確認したらノックして入って、肩を揺さぶって起こしただけですよ。俺に見られたら恥ずかしい物が少し落ちてましたけどね」

「・・・聞かない方が良いか?」

「俺には聞いても良いですけどスズランには聞かない方が良いですねー、多分嫌われますよ、父親として」

「今度酒が入った時にでも聞くわ、覚悟しておけよな」

なんか大なり小なり男の駆け引きが有ったと思うけどまぁ酒の肴にするのには少し下品かな?

リコリスさん微笑まないで下さい。イチイさんとは違う意味で怖いので。



はぁ・・・はぁ・・・「行ける」


今日は肩で息をしている、相当焦ったか驚いたか。声がはっきりしてるから速攻で覚醒したんだろう。まぁ俺は何も見てないよ。


学校に行く道中にいきなり「見た?」と、普段通りの声で聴いてきた。朝の声はそうとう焦ってたみたいだ。後こっちが触れないようにしてるのになんで確認してくるのかな、どんな反応して良いのか解らない。


「何をだ?いつも穿いてる短パンなら見たな。酒飲んで寝たから夜中に熱くて寝ながら脱いだんだろ。布団の中は下着だと思ったから早めに部屋を出たけどな」


我ながら無難な答えを出したと思うけど俺の顔を覗いてくる、今の俺はポーカーフェイスだから多分平気なはず。


「えっち」

「はぁ?いつも穿いてる短パン落ちてるの見ただけでなんでそこまで言うかな?」


あくまで短パンを押してみる。

多分見られてないと思ってくれたのか少し安心したような表情になっている。

知らないふりも優しさの1つです。



学校に着くと俺は男子からスズランは女子から質問責めだ。

ある程度想像してたけど先生にも聞かれたのにはびっくりしたぜ・・・。

あと俺を汚物を見るような目をしてた女子は勘違いだと気が付き、恥ずかしそうにしていた。


あと体を使う授業で何故か木刀を使った模擬戦だったそれで何故か「俺対クラスの男子全員」になった事は先生からのささやかな嫉妬だと思いたい。


【スキル:打撃耐性・1】を覚えました


ですよねー。




放課後、昼食を済ませてから森に向かう。

日課である毒草を摘み原液を飲んでから投擲の訓練をする。

白い死神も言っていたしね「練習だ!」と、あと「やれと言われたことを、可能なかぎり実行したまでだ」って言ってるし、今やれる事をやらないとね。


さて・・・昨日の会場設営中にくすねた紐を同じ長さに5本切って左右に小石を縛ってと・・・真ん中で折って根元を縛って。

「できた、ボーラだ」

これは目標に投げて、紐で絡め取る投擲具。


あと一本少し長めに紐を切って左右に石を縛りつけて。

「こっちはソマイだったかな?」

こっちは投げて当たれば石が大きいので体のどこかに当たればある程度ダメージが期待でき、外しても紐が巻き付いて拘束できる投擲具。

今の投擲スキルならこの二つで兎位狩れるだろう。魔法無しで獲物を狩ったら魔法を使うって自分で決めてるからな。さっさと次の段階に行きたいねぇ。


問題は兎をどうやって発見するかだけどね。


しばらく手になじませるためにボーラとソマイを投げるが思ってた以上に狙った所に飛んでいく。投擲スキルの補正って意外に高い?


あとソマイだけど遠心力を使って投げると紐が棒を投げた時みたいに回転して飛んでいくから細い木に投げつけたら綺麗に絡まってくれて思い通りに行って良かったよ。


しばらく投擲の練習していたらガサガサ!と音がしたので振り向くと三馬鹿が現れた。


「やっぱりここか、居ると思ったぜ」

「何か用か?特にないなら模擬戦の仕返しを今するけど?」

とニヤニヤしながら冗談交じりに手に持ってる石を手の中で遊ばせる。

「おいおい、止めてくれよ、そんなのぶつけられたら死んじまう」

ヴルストもニヤニヤしながら冗談交じりに返してくる。


「で、何の用だ?」

「昨日の事を包み隠さず聞きたくてね」

シンケンが興味深そうに聞いてくる。紳士の子でも興味はあるみたいだ。


「条件が有る。俺に森の歩き方を教えてくれ、あと獲物の見つけ方。それを教えてくれれば教えてやるよ」

「そんな事か。この間の魔法の訓練で十分お釣りが来る。それでいいなら教えるよ」

「よし、交渉成立だ」


俺は事の成り行きを最後まで話した。


「ヘタレだなぁ」

「意外に紳士的だねぇ、ヘタレだけど」

「ヘタレ!ヘタレ!」


あれぇ?こっちの世界じゃああいうのヘタレなの?

「そうか?まぁヘタレでもいいよ、酔ってる子と成り行きでそういう事したくないのは事実だし、けど最後のキスは良いだろ!及第点だろ?なぁ?」

「そこまでしたら最後まで行けよ」

「だから酔った勢いじゃ嫌なの! 何回も言わせんな!」

シンケンさん?なんかかわいそうな子を見るような目で俺を見ないでください。

シュペックも散歩だと思ったら動物病院に連れてこられたような微妙な表情するの止めてください。


「あーもういいよ、これで全部だ、学校で話してない事も言ったからな!」

「そう怒るなよヘタレ。後で林檎奢ってやるからよ」


あだ名がヘタレになりそうです、どうにかしてください。


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作者が書いている別作品です。


おっさんがゲーム中に異世界に行く話です。
強化外骨格を体に纏い、ライオットシールドを装備し、銃で色々倒していく話です。


FPSで盾使いのおっさんが異世界に迷い込んだら(案)

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