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第81話 家に帰った時の事

作業用BGM 某戦争映画垂れ流し


適度に続けてます。

相変わらず不定期です。



 コーヒーショップ経営三日目、特に今の所問題はなく、賑わう事もなく、暇をする事もなく、営業時間が終わり、四日目を迎えようとしている。



「背中いてぇ……」

 俺はテーブルと椅子の一部をどかし、床に寝具を敷いて寝ていた。

 人族の二人は、仲が良いと言う事で近くの共同住宅の部屋を借りて、この店に通っている。

 俺は着替えを済ませ、日替わりの菓子の仕込みを始める。それから少し遅れ、二人が来る。

「遅れました」

「いえいえ、俺も今始めたばかりですので。そうそう、そろそろ慣れてきたと思うので、今日は二人で回してみて下さい」

「はい!」 

 ここ三日で覚えた顔も多い、固定客だ。なんだかんだ言って飲みに来てくれる方々が居るのが嬉しく思える。これで二人が問題無く一日過ごせたら、ココは任せて俺は帰ろう。

 そう思いつつ、日替わりセットの菓子を焼きあげ、俺は今日、裏方に徹しますので、よろしくお願いしますと言い、一歩引く事を言った。


 そして日の出と共に、洋服屋のお姉さんがドアのベルを鳴らして入って来る。

「いらっしゃいませ」

「また来たよ、コーヒーね」

 そう言って定位置のカウンター席に座り、世間話を始める。

「昨日ね、私のお店でここで買ったコーヒー飲んでたら、お客さんがね『良い香りね』って言ってくれてね、ここの新しいお茶って事を宣伝しておいたから」

「ありがとうございます」

 そう言いながら、男は手を休めずお客様の話を聞きながら、コーヒーを見ている。

「港で働いてる人や、冒険者もチョコチョコ見るようになったよね、酔ったままの勢いで来る人もいるしね」

 そう言いながら当たりを見回し、酔いを醒まそうと、砂糖なしで一杯。仕事に行く前に一杯。噂を聞いた冒険者が試しに一杯。今のところそんな感じだ。

 けど、コーヒーは酔い醒ましにはならないんだよな、カフェインが入って変に元気な酔っ払いの出来上がりだ。

 その後には軽い脱水症状と頭痛のコンボだ。



 昼頃にはニルスさんが、食後の1杯を飲みに来る。

「あれ? 今日はカームさんはカウンターに立ってないんですね」

「はい、今日は裏方に徹する事にしました。給仕をしたり、作業場の方で菓子作りを手伝ってます。今日一日何事もなく営業できたら島の方に戻ります」

「そうですか。なんだかんだ言って、私も食後に毎日来てしまいますからね」

 そう言って、毎回同じ量の砂糖と牛乳を入れて飲んで行く。

「ここ数日で急に噂が広がっています。客が入る事は良い事ですが、お二人は体を壊さない様にして下さいね」

「お気遣いありがとうございます」

 そう言って男は軽く頭を下げた。

「この調子なら本当に買い手も出てくると思います、その時はよろしくお願いしますね」

「こちらこそよろしくお願いします」

 そう言ってニルスさんは席を立ち、仕事に戻って行った。

 その後も、ギルドの受付のお姉さんや、この店舗を案内してくれたお姉さん達もやって来て、コーヒーセットを頼んで会話を楽しんでいた。

 なんだかんだ言って、たまり場になった気がする。


「特に今の所は問題無さそうですね、ニルスさんが言っていた噂が広がってると言うのが気になりますが、まずは定休日も決めましょう」

 閉店後、俺は休日を決めたらどうかと提案してみた。

「ていきゅうび? ですか?」

「決まった日に休む事ですよ、島でも十日に一回休みを作ってましたよね?」

「はい」

「それのお店版です、五日に一回休んだり十日に一回休んだり……、それはお任せします。人数を増やし交代で休んで、店は一日中開けっ放しって事も出来ますが、今は難しいでしょうね、では休みの日は任せますので、俺は故郷に戻ってから、島に戻りますね。戸締りとお金の管理はしっかりとお願いします。しばらくはあまり間を空けずに、在庫の確認という事で、店を閉める夕方頃に様子を見に来ますので、何かあったらその時にでも報告お願いします」

「わかりました」「はい」

「では」

 そう言って俺は、倉庫として使っている奥の小さい部屋で故郷に転移した。


「ただいまー」

 そう言ってドアを開けると。

「「おかえりー」」

 そう言って子供達が出迎えてくれる。見た目はもう小学生中学年くらいの身長だが、まだ頭は撫でられる位置に有るのでワシャワシャと撫でてやった。

「おかえりー」

 そう言って、ラッテも飛びついて顔を腕に押し付けスンスンと臭いを嗅いで来る。

「あーなんか良い香りー、バターと……。なんかなんとも言えない色々混ざった香りがする」

 多分コーヒーだろう、いろんな臭いが混ざってあの香りになっていると、聞いた事がある。そう思ってたら奥からスズランもやって来た。

「夕方に戻って来るなんて珍しい」

「そうだね。さっきまで港町で働いてて、島に戻る前に家に帰りたくなってね、夕飯の用意とか色々出来てないと思うけど帰って来たよ」

「別に構わない。少し多めに作ってあるから」

「今日の夕食はスズランが担当?」

「そう。もう出来てるから皆で食べましょう」

 そう言ってテーブルに皿を並べ始めたので、いつまでも離れないラッテを引きずりながら、テーブルまで向かった。

 夕食は豪快な肉料理で、大味だった。

 その後子供達と一緒に風呂に入り、のんびりと過ごしていたら。

「今日はお父さんと一緒に寝たい」

「僕もパパと寝たい」

「えー、今日はママが一緒に寝ようと思ったのにー」

 ラッテがそんな事を言い出した。

 その言葉に反応したスズランが俺の袖を軽く掴み、クイクイ引いて来る。

「帰るのは明後日にするからさ、俺の体は1つなんだし、俺とスズランとリリー。俺とラッテとミエルじゃ駄目か?」

「お母さんと、ラッテお母さんには、お父さんと仲良くしてもらいたいから。私とミエル。お母さんとラッテお母さんの方が良いよ。だって、たまにはお父さんと一緒に寝たいよーって、言ったし」

「そうなの?」

 そう言ってラッテの方を見る。

「うん!」

「はい、素直でよろしい。あとで子供達にどんな事を言ったか教えてもらおうか」

「えーっとね、カーム君は私とスズランちゃんの夫だから、偶にはママ達も甘えたい、って言ってるだけー」

 子供達を見ると首を縦に振っていた。良く言っているのだろう。

「あー、うん。それくらいなら別に良いんじゃないかな」

 てっきりストレートに色々言ってるのかと思ったわー、夜の事情とか。


 ってな訳で一日目は子供達、二日目は妻達と言う事になった。

「お父さんと寝るの久しぶりー」

「僕もー」

 そう言って俺の両側に入って来て、腕に抱き付いて来る。この妙にくっついて来るスキンシップはラッテの教育だと思うけど、相変わらずリリーの角が痛い。頬ずりするのは良いけど、腕に顔をグリグリするのは止めて欲しい。本当に硬くて尖ってて痛いんだから。



 朝は俺が一番早い。リリーが寝ていた側の腕を擦りながらお湯を沸かし、麦茶を多めに煮出して、カップに注ぎ椅子に座って傷の様子を見る。真っ赤だ――

 これは本格的に、一緒に寝る時には角へクッションを付けるかどうかを話し合う必要があるな。

 そう思いつつ、椅子に座り麦茶を啜る。

「痛てぇ……」

 自然と声が漏れ、我慢しきれずに回復魔法をかけ、朝食の準備を始めた頃にラッテが起きて来た。

「おはよー」

「おはよう」

 まだ眠そうにしているが、スズランやリリーよりは良い。その後にミエル、リリー、起されてスズランと続く。

 朝食を食べ、ラッテを送り出し、スズランと共に家禽に餌をやりつつ、餌の事で色々教えてもらい、池のお姉さんの所に行くのに送り出し、子供達は遊びに行くと言って出て行った。

 俺は、家の前にある麦畑の雑草を刈り取り、その辺に穴を掘り、放り込んでおく。その後は色々と細々した事を見つけては片付る。

 特にする事がなくなったので、村の中を出歩き、色々な場所に顔を見せに行く。


 まずは酒蔵。

「うーっすヴルスト」

「おう、相変わらず急だな。いつ来たんだ?」

「昨日の夕方。醸造は上手くいってるか?」

「まぁまぁだな。この間、珍しい事に遠くから人族が来たな。お前が連れて来た奴以外だと初めてだ。よくわかんねぇけど、校長が随分頑張ってたぞ。蔵の数だけ酒が増えるし味も変わる、どんどんこの酒を広めてくれ。ってな」

「酒を広める事に力入れてんなー。こっちはお金が必要だったから人族相手に商売始めたよ、とりあえず今のところは……まぁまぁだったよ。これが上手くいけばお金も手に入って、島の皆に仕事を作れる」

「そうか、なんだかんだ言って村長みたいだよな」

「誰かに任せてダラダラやりたいよ」

 俺達は酒蔵の隅で壁に寄りかかりながら、蒸留器に炭を投げ入れている光景を見つつ、どうでも良い事をダラダラと話した。

「そう言えばリリーちゃんだけどよ」

「なんか問題でもあるのか?」

「いや、今のところねぇけどよ。プリムラの話だと冒険者になりたがってるって話だぞ」

「そうか、俺としてはそんなのに成らなくても良いと思うんだけど。爺ちゃん達に似たんだな」

「そうか? なんだかんだ言ってお前も戦場に行ってただろう」

「アレは仕方なくだよ、争いとは無縁な場所でのんびりしてたかったんだけどな。魔法使って楽して仕事してたのが間違いだったなぁー。多分それが魔王になった原因じゃないかって思ってる」

「そうか……」

「まぁ、なっちまったもんはしょうがねぇからな。適度に手を抜きながら頑張ってるよ」

「それが良いな、お前は頑張りすぎる。今日飲みに行くか?」

「いや、嫁達が甘えたがってるからまた今度な」

「おう」

「そうそう、ベリル酒の少しだけ香りが付いたの、一樽だけ買うかもしれん」

 そう言うとヴルストは、返事もせずに片手だけ少し上げて仕事に戻って行った。


 俺はそのまま蒸留小屋を出て村の森側へ向かうと、見回り中の鹿を担いだシュペックに会った。

「おっす」

「あーお帰り、最近定期的に戻って来ないから、またなんかやってるんでしょ」

「まーな、今回はそれで遅くなった」

「ちょっと重いからさ、おっさん達の所まで手伝ってよ」

 そう言って鹿を持たされ、良く解体作業をしているワーウルフとワーキャットのおっさん達の所まで運ぶのを手伝わされた。

「ふー、ありがとう」

「いやいや」

「お。魔王様のお帰りか」

「豚の解体は上手くなったか?」

未だに俺に解体をさせようとするおっさん達、もっと他の奴に教えてやれよ。

「いやいや、俺より上手い奴なんて沢山居るんでそっちに任せてます、んじゃシュペック借りますよー」

 そう言ってシュペックと一緒に逃げ出した。


「森も炭を作るのに、木を切ってるから、風通しが良くなって良い感じだよ」

「そうか、俺が訓練所作ってた頃は、鬱蒼としてたからな」

「森の浅い所だけど、今は子供達の遊び場になってるよ」

「だから見回りと、動物狩り?」

「そうそう、やっぱり子供達が怪我するのは誰だって嫌でしょ? だから森の中も見回ってるんだよ。動物はアルクさんが管理してて、数が減り過ぎ無いようにしてくれてる」

「助かるな」

「村の皆で決めた事だから。ほら、カームって魔王になってから忙しいでしょ?  だからたまに戻って来た時くらい、負担が減るようにって、村長が言ってたよ。畑作りとか、井戸掘りとか、周りの村の手伝いとか色々させちゃったからじゃない?」

「そうだな、ありがとう」

 頭を撫でたくなる衝動に駆られるが抑えた。

「じゃぁ僕は見回りがるから」

 そう言って手をブンブン振りながら森の方へ戻って行った。


 シンケンにも会おうと思い、俺は村外れの(やぐら)に向かった。

 櫓の方を見ると、こちらに気が付いているのか、ずっと俺の方を見ている奴がいる、多分シンケンだけどな。

 少し近づき、櫓の根元に着いたら上から声がかかった。

「やぁカーム、今下りるから待っててくれ」

「俺が上るからいいよ、お前は仕事中だろ」

 そう言ってほぼ垂直の梯子を上っていくが、正直怖い。

「初めて登ったけど、意外に高いし怖いし、遠くが見えるな」

「じゃないと櫓じゃないでしょう」

「だな」

「皆には会ったかい?」

「あぁ、シンケンが最後だ」

「そうか、最近戻って来るのが不規則になったね、忙しいのかい?」

「まぁな、最近は島で売れる物が出来そうだから、そっちに力を入れてるよ」

「お金がないと、何も買えないからね」

「そうだな、飢えさせないだけなら島の動物や魚を狩ってれば良いけど、服や道具がな」

 その後はなんだかんだ言って、ヴルストやシュペックと似たような会話になった。


「まぁ、何かあったら相談してくれよ、酒でも飲みながら話聞くよ」

「酒が入ってない時に相談したいな。酔っぱらったお前等の面倒見るの大変だからな」

「酷いな」

「お前達夫婦は、酒が入ってないとまともなんだから、飲むなとは言わないけど少し控えろよ」

「酷い言われようだけど、否定できないな」

「自覚が有るなら子供達の前では少しは控えろよ。あ、ゴブリン」

「どこ!」

「あれ」

 そう言って町に続く街道沿いにいる、小指の爪くらいの大きさのゴブリンを指す。

「結構見えるんだ――」

「ゴブリン一体! 街道の脇、櫓から二百五十歩! 矢は届かない!」

 そう叫んで、ぶら下がってる木の板を棒で叩き、カンカンカンと鳴らしている。

「え? なんだって?」

「良く見えるな、この櫓は」

「じゃ無きゃ櫓じゃないよ」

 さっきもしたような会話を繰り返し。俺は軽い挨拶をして櫓を下りた。降りる頃には、農具を持った村民が、ゴブリンを退治しに行っている。鍬とか鎌とかで殴り付たり、切ったりする姿はたくましく思えた。

 鎌か……神話で首を斬り落とすのに、良く使われてたな。

 まぁ、普段の使い勝手が悪いから使わないけどな、改造して鎖鎌とかにしちゃいそうだし。

 なんだかんだ言って腐れ縁ってこんなもんだよな。そう思いながら家に帰った。


 昼食後は子供達の稽古につき合わされ、風呂に入った後、夕食を食べている最中にヴルストがやって来た。

「これ、皆からのお礼だ。話し合ったんだけどよ、一樽は無理だけど、皆で少しずつカームに奢ろうぜって事になってな」

 そう言って、中樽を地面に置いた。

「何言ってんだよ、中樽になみなみ入ってるじゃねぇかよ」

「おいおい、黙って皆から奢って貰えよな」

 そう言って俺の肩をバンバンと叩き帰って行った。

「ヴルスト君帰ったの?」

「あぁ、酒奢られちゃったよ」

 そう言って中樽を家の中に入れ、瓶に詰め替え。三人で少しずつ飲んだ。

「原酒は飲み辛い……。飲む時に少し加水する必要があるな」

「そーだねー、私は樽に入れないで、果物漬けた奴が好きだなー」

 ラッテはなんだかんだ言ってチビチビ飲んでいる。

「少し香りがきつすぎる。多分燻し過ぎだと思う。三日くらい果物を漬ければ飲み易くなると思う。そして肉が欲しい」

 そう言ってスズランもチビチビ飲んでいる。


「私も飲んでみたい!」

 そうリリーが言い出した。

「流石に駄目だな」

 例え魔族で、見た目が人族の倍の速度で成長しても、今の見た目は倍の10歳程度。俺は育ちが良かったから、五歳で飲まされたけど。

「良いよ良いよーどんどんのもー」

 そう言ってラッテがカップを置き、スズランが蒸留酒を少し注ぐ。

「おいおい、不味いだろう」

「なんでー? 私もリリーくらいの時には飲んでたよー」

「私もお父さんから内緒で貰った」

「多分それ、果実酒か麦酒……」

 そうやり取りをしてたら、リリーが水の様に蒸留酒を一気に飲み干した。

「ぅえー、熱いし辛い」

「馬鹿、少しずつ飲むんだよ、水! 水飲め水!ってか酒はまだ早いよ!」

「あちゃー、一気に飲んじゃったかー」

「一気に飲むなら果実酒の方が良かった? リリーはお爺ちゃんと一緒でいける口ね」

 そう言ってカップに水を注ぎ飲ませている。

「へへー、ミエル君も飲む?」

「ぼ、僕は、いらないよ」

 姉の、熱いや辛いに反応したのか、少し怖がっている。

「そーかそーかー、けどもう少ししたら飲めるから、少しずつ慣らしておこうねー」

 そう言って、ミエルの水の入っているカップに少し酒を注ぎぐ。

「ほら、これ位なら平気だから」

 そう言って、酒を進めている。

 この世界の法律とか、習慣とかは理解して来たけど、子供に酒を飲ませるって考えが未だに賛成できない。駄目だこの母親。

「なんか変な味で、ただの苦い水だよ」

「ほー。ママとパパの子だからこれくらいじゃ酔わないかー、ならもう少し足そうねー」

「はーい、ストーップ。お酒は無理矢理飲ませちゃ駄目。子供なら尚更です」

「えー家族で楽しく飲もうよー」

「こんな強い酒じゃ無理です。はいはい、もう駄目ねその楽しみは、子供達が学校に通い始めたらだよ」

 そう言って戸棚の一番高い所に瓶を片付けた。多分学校に入ると十五歳くらいまで、一気に成長するし。

 リリーの方を見ると顔が少し赤くフラフラして、ニヤニヤしている。この辺は母親のスズランそっくりだな。

「リリー。大丈夫?」

「あははー、お母さんが三人いるー」

「駄目ね」

「駄目だな」

「そーだねー」

「寝かせるか」

 そう言って俺はリリーを抱き上げ、ベットまで運び、吐いた物がのどに詰まらない様に横向きで寝かせた。

「僕、お姉ちゃんの事見てるから、ママ達と一緒に寝てても良いよ」

「おいおい、変な気を使わなくて良いんだぞ」

「約束だからね」

「これは約束の範囲を超えてるだろう」

「大丈夫だから、ママ達すごく楽しみにしてたんだから」

「わかったよ、そこまで言うなら任せよう。お姉ちゃんを頼んだよ」

「うん!」

 力強い返事が返ってきたので、ゆっくりとドアを閉めた。


 実の姉に悪戯しなければ良いけどな。けど半分夢魔族だしわからんなー。


「ってな訳で、ミエルが子供なのに物凄く気を利かせてくれたのですが。大人としてどうかと思いますが寝ます!」

「はーい」

 そう言ってラッテが俺の腕にしがみ付いて、胸を押し付けて来る。

 それに負けじと、スズランもしがみ付いて来る。が胸が無いので、顎を肩に乗せて頬ずりして来る。

 正直歩き辛い。

 そのままどうにかして、ベッドに向かい、子供達に聞こえない様に、日付が変わるまで夫婦の絆を深め合った。

 女性陣に主導権を握られっぱなしでしたがね!

 あとお互い一回で満足して下さい!

おまけとしてもう一話SSを書きました。

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作者が書いている別作品です。


おっさんがゲーム中に異世界に行く話です。
強化外骨格を体に纏い、ライオットシールドを装備し、銃で色々倒していく話です。


FPSで盾使いのおっさんが異世界に迷い込んだら(案)

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