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第65話 島内を適当に冒険した時の事 5

細々と続けてます。

相変わらず不定期です。


 俺は昼食時に適当に起され、眠い目を擦りながら進行方向上に【水球】を発生させ、頭だけ水球内を通り過ぎ、適当に袖で拭いていたら子供に注意された。

「まおーさまだらしなーい」

「ぼくだってかおあらったらぬのでふくよー」

「おこられるよー」

「んあー? あーごめんごめん、物凄く疲れててね。んーだるいー」

「早くねないからだよー」

 うんそうだね。近くの森で愛し合っている二人がいなければいくらかマシだったよ。

「そうだねー、今度からは早く寝るからね」

「まったくまおうさまったらだめなんだからー」

 そう言われ、近くに居た子供の頭をワシャワシャ撫でてやった。


「あーすんません、疲れすぎてて昼寝しちゃいました」

「それは構いませんけど、私達に休めって言っておきながら魔王様は休んでないんじゃないんですか?」

「休んでますよ? 故郷に戻って家族とのんびりやってますし」

「じゃあ働き過ぎなんです。私達の事を思ってくれているのはわかりますが、魔王様も辛かったら休まないと」

「あーありがとうございます。甘い物としょっぱい物と水飲んでれば、どうにかなりますよ、ははは……」

 そう言ってパンと蒸した魚と魚のスープを貰い、ゆっくり食べた。

 食べた後も少しボーッとしていたが、トールさんから話しかけられた。

「カーム、大き目のウサギ小屋だけ、どのくらいの規模だー?」

「んーとりあえず繁殖目的だからまずは小さくて、十歩の十歩に股上くらいの深さで、そこに土入れて寝る為の小屋も建てれば良いんじゃいですかね?」

「わかった、大体このくらいって規模で作ってみるさ。それと少し行った広場だけど石材を土台に使って骨組は組んだから、あとは壁を張るだけなんだけど、やっぱり一軒建てるのにそれなりのを作ると、どうしても時間かかっちゃうぜ?」

「それでも必要ですからね。今度船に乗って港に行ったら、酒場やギルドで技術者を募ってみます。ゆくゆくは、増えた男性に女性が怯えないように、女性を二十人くらい募集するか、奴隷として買ってくる予定ですので。寝るのに最低限必要な小屋みたいな家を頼むかもしれません」

「あちゃー大忙しだなこりゃ」

 そう言いながらも、手を動かし続けるのは職人の鏡だと思う。

「んじゃお願いします」

「ういーっす」


「今日は探索に行かないとして何をしようか……。デスクワーク? 何かする事あるか? ないよな。子供と遊ぶか? 流石に不味いか。お手空きって何していいかわからないんだよな」

「なら開墾手伝え、ですくわーくってなんだ?」

 そう猫耳のおっさんに言われたので、畑を拡張する為に木を伐採して根っ子を起こしてを繰り返した。根っ子は使えないので纏めて炭焼き小屋の隣に積んでるらしいのでそれに習い、俺も大八車に乗せて運んだ。車輪って素晴らしい発明だと思う。

 まぁ用途によって箱乗っけて、荷台って言うかリヤカーにしても良いけど、とりあえず物が運べればいい。



 さて。今日は南側の探索だけど相変わらず温泉に飛んで浸かっている。

 もうね、深夜まで探索した後に俺の家まで聞こえる声で、明け方まで愛し合っていた奴等のせいですけどね。貴族様との話し合いは楽しかったけどね。

 目の前にスレンダーなハーピー族の女性が緩んだ笑顔で温泉に入ってるが、俺も気にせず浸かって気分をリフレッシュしてから南に向かった。

 山の中腹辺りから南を見てみるが、南西辺りに湖がある。まぁ、これは後で探索するとして、まずは南側の地上資源の有無と森林の有無だな。

 南側中腹から見た感じ、大きな森は今の所見えないがほぼ平地の草原だ。まぁ、相変わらず海岸は見えないが、大体は把握したので歩き出し探索をする。


 特に代わり映えの無い平坦な地形が続き長閑(のどか)だ。

 所々にある赤い花とゴブリンさえいなければね!

 俺は面倒なので、黒曜石の手斧で茂みから飛び出してきた奴から、頭をかち割り放置する。

「んーこんなに平坦な地形かつ土があるとか、この島が出来てから何年位でこうなったんだろう」

 そんな疑問を口走りながら適当にスコップで土を掘り、土壌の質を見て行くが、立派な黒土で偶に大きな石が出てくる程度だ。面倒なので胸の高さくらいまで魔法で土を掘るが、地盤が出てこないので畑にするのには適した土地だろう。

 道を整備して湾がある所までにいくつか主要道路を引いて、海岸線には太い道路も整備するのも悪くないな。

 とりあえずは山の麓に太い道路、麓と海岸線の間にも太い道路。これは確実に欲しいな。

 一応島の今後の発展をどうするか考えながら歩くが、所々に小規模の森が見える。そしたらそこに向かい、何があるのかを調べ歩いているが、良くテレビなんかで目にする、どんぐりをかなり大きくしたような、緑やワインみたいな色の木の実がある。

「おいおいおいおいおい……神様。あんた何やってんだよ!」

 俺は一人で声を漏らした。

 俺は荷物を放り出し、実を数個手に取り【水球】を出してその中で綺麗に洗い、水を良く切りフライパンの上で潰し、漉す物がないのでペースト状になった物を纏め、手で握りつぶしながらカップに木の実を絞った。

 手が油でギトギトになったが、土で手を洗い【水球】で洗い流し早速朝貰ったパンを取り出し、少し付けて食べてみた。

「やっぱりオリーブか。何でもありだなこの島は……」

 少し心を躍らせながらリュック一杯にオリーブを詰め込み、カカオの時とは思えないような足取りで歩き出した。

 所々に有る森に寄ってみるが、どれもオリーブが生っている。

 俺は笑顔で偶然見つけた兎を、手に持っているカップのオリーブオイルが零れないように、黒曜石のナイフで綺麗に首を狙って仕留めた。血抜きをして、皮と内臓を取り出し、野草さんはよく取ってくる香草を見つけたので、塩をすり込み多めのオリーブオイルで兎を焼き、念入りにスプーンで上から油を掛けながら物凄い笑顔でフライパンを振っていた。

「それでも僕はオリーブオイル」

 そう呟きながら外はパリパリ、中はジューシーに仕上げ、さらに新しいオリーブオイルを上から垂らし。

「追いオリーブオイル」

 ドヤ顔で言い、高いところから兎の丸焼きにオリーブオイルを掛け、パンを添えてから食べた。

「うめぇ! 畜生! 凄くうめぇ! 新鮮なオリーブオイルと、熟成はさせてないけど、新鮮な肉と天然塩と香草。胡椒と酒は無いけど最高に贅沢な気分だ! 次はパンに油を染み込ませて肉を挟もう! くそー美味いー!」

 そう叫んでいたら、ファーシルが近くに着地してきた。

「美味そうな物食ってるから来たぞー、私にもわけろー」

 幸せの独り占めと幸せの共有。色々大人の事情とかを天秤にかけたが、とりあえず俺は共有を選んだ。

 皿はないので、黒曜石のナイフで綺麗に兎を半分にしてパンも渡した。

「うまーっ! なんだこれー、兎だよな?」

「うさぎうさぎ!」

「何でこんな美味いんだ?」

「この木の実から取れる油だよ、これを使った」

「ほえー、まぁいい! 冷める前に食う!」

「半分は俺のだからな!」

 そう言って食事を共にした。物凄くがっついていたけどね。


「私こんな美味いの食った時ねーよ」

「俺も久しぶりに食ったよ。島に来てからいっぱいいっぱいで、あまり食事に気を使ってなかったからな」

「そーかー、私はカリカリに焼いた奴しか食ってなかったからな!これはうまい、とーちゃんに言ってくる!」

 そう言って飛び立とうとしたが、俺が足を捕まえた。

「待て待て待て。言っても良いが材料がないぞ?」

「ん? 昨日兎届けただろう?」

「アレは増やすの。食べちゃ駄目なの」

「えー? 食べられないの?」

「鹿や魚だったら……」

「じゃあ食えるじゃん!」

 そう言って速攻飛び立って行ったが、俺は今日は無理する積りはないので、今日来られても困るの。とりあえず風魔法でやんわりと姿勢を崩させ捕まえた。

「なんだよー」

「今日も俺は太陽の出る方向の村にいないぞ? 行っても食えないぞ」

「じゃあ直接こっちに来る!」

「連れて来てもとーちゃんとかーちゃんだけな、後は食べたい肉持ってこい、あと皿な」

 何を言っても無駄そうなので制限を付けた。

「わかった!」

 そう言って速攻飛び立って行ってしまった。

「はぁ……頭が痛い、頭痛が痛いって言える子がこの島にもいたとは……。あと覚えきれるのか? まぁ肉と皿だし平気だろう」


 それから適度に休みを入れつつ三時くらいか? と思っていたらハーピー族が三人空から飛来して来た。

「美味い兎が食えると娘に聞いてやってきた」

 そう言って族長と思われる、この間会った派手なハーピー族の雄が、兎を三羽持って来た。

 今は夕食時じゃないし、俺の分は? と突っ込みたくなったけど笑顔で兎を受け取り、下処理をして新鮮なオリーブオイルをふんだんに使って、どんどん焼いて行った。

 パンは仕方ないのでわけてやった。

「うむ。こんな肉は食った事がない。美味いぞ魔王よ!」

 そんな事を言いながら背中をバンバン叩いて来る。ちょっと痛いし、羽根が舞っている。

「んーおいしー」

 母親と思われる、ファーシルを二回りくらい大きくした女性も笑顔で食べている。

「な? な? この魔王が作ったメシは美味いよな!」

「そうだな!」「そうねぇー」

 うん、なんかこの家族は全体的にガッカリだ。


 俺は食べ終わった頃を見計らって話を切り出した。

「あのー、この間から名乗って無かったので名乗らせてもらいますがカームって言います。今後ともよろしくお願いします」

「うむ、よろしくな」

ん?名乗り返してくれないの?

「あの。失礼ですが、お名前の方は?」

「ん? あぁ。俺は偉大なる空の覇者、キアローレだ、こっちは嫁のリュゼだ、娘はわかっているな?」

「はい、ありがとうございますキアローレさん」

 んー聞いてるこっちが恥ずかしいわ。

「美味しい兎をありがとうございます」

「いえ、食べ物は美味しく食べた方が食材も喜びますし」

 うん、聞いててほわほわしてくる声だし、柔らかい笑顔なので少し惚れそうになった。

「んーそう言う考えもあるのか、我々は焼いて食う。それだけだったからな」

「あーそうだ、兎を増やす場所も作り始めているので、子供が生まれる時期になったら増えると思いますよ」

「そうか、助かる。魔王から増やして食えば良いと聞いた時は頭を石で殴られたような衝撃が走ったぞ!」

 ハッハッハ! と笑いながら()をばっさばっさやっている。正直土埃が舞うから止めて欲しいんだけど黙っていた。


食事が終わるとお礼を言い山の方に帰っていった。

「んーなんか付き合いが増えると絶対疲れるタイプの種族だな」

 そう呟き食器や調理器具を熱湯に放り込み油を浮かせ、土で洗ってから洗い流し探索を再開し、夕方になったので野営の準備をして早い時間に食事をしたので夕食は食べずに、近くで火を焚きながら小麦を練って玉にしてから、魔法で【土のかまくらを】作って寝た。



 土のかまくらから這い出て、昨日のまだ燻っている焚火に枯草と小枝を足し、火を起こし、先に軽く干し肉だけ炙って食べた。

 パンが無いのは昨日のファーシル一家襲来のせいだ。

 無い物は仕方ないので、昨日練った小麦粉の玉を適当に手で千切って、手の平で潰して伸ばす。そしてオリーブオイルを引いたフライパンで焼いて、なんちゃってチャパティだかナンを食べて、完全に火を消して歩き出した。

「あーだるい。あの一家は面白いんだけど、少しだけ疲れるんだよなー」

 そう呟いていたらまた影が地面に見えたので、上を見たらファーシルが降りて来た。

「かーちゃんから昨日のお礼預かって来た!」

 ファーシルは小さ目の袋を開けると、何かの種が大量に入っていた。形が同じなので同じ植物の種だろう。

「その辺に生えてる赤い花の種だって。植えれば綺麗だから取っておいたらしいぞ!」

「ありがとうございます。って言っておいてね、後で挨拶に行くけど」

 このままだとお礼返しスパイラルが始まる。お礼のお礼のお礼とか少し勘弁してほしい。

 そう考えたら背中の方から声がした。

「あら、それ私の種ね」

「だれだー!」

「うるさい子ねぇ、私はフルールよ」

「食える?」

 つぶらな瞳で俺の方を見ている。

「毒だから食べちゃ駄目だよ」

 主に舌の方だけど。

「毒! カーム! こいつやばいぞ!」

 フルールさんが冷たい目でこちらを見ている。

「いや、平気だから。触っても平気だからね? だから優しく話しかけてあげて、ね?」

「お、おう……。おはよう」

 おずおずと話しかけるが、明らかに不機嫌そうに「おはよう」と返すだけだ。

「ってな訳てこの子はファーシルって言うから」

「そのくらい知ってるわよ。いつも元気に島のあちこち飛び回ってるし、親に呼ばれてるのを少し前に聞いてるわ」

 相変わらず怖いな。

「じゃ、じゃぁ私は帰る!」

 逃げるようにして帰っていった。

「で、種はどうすれば良いですか?」

「水捌けの良い土に、深さは種三個分くらい指で穴を開けて植えてね」

「了解」

「どんどん増やしてね」

 そう言うと引っ込んで行った。何も言わなかったが【水球】で水を与えて置いた。


「はぁ」

 ため息しか出ない。なんで朝から疲れるような事しかないんだよ。

 そう思いつつ群生している低木に目をやると、大きい白い繭みたいなのが見えた。思わず華麗なる二度見をしてしまった。

 俺にはもう製糸用にしか見えなかった。

 大きさは、四リットルくらい入るお酒用ペットボトル並みだった。

 正直この中に、何かの幼虫がいると思うと鳥肌が立つ大きさだが、周りの葉っぱごと切り落とし紐でくくって持ち歩く事にした。


 遠くに海岸が見えたので帰ろうかと思っていたら、近くでボッコンボコンと音が聞こえたので、とりあえず向かってみたが沼が湯気を出していた。

 おいおいおい……この島都合良すぎだろう。なんで海岸線近くで温泉が沸いてるのかは、この下あたりにマグマ溜まりがあって、地下水が温められてるって考えよう。うんそうしよう!

 俺の疲れは一瞬にして吹き飛んだ。

 とりあえず泥を魔法で玉にして遠くに捨てて、少し大き目に当たりを着けて掘り、その辺にある石を掘り返し、ゴロゴロと落として行きなるべく平らになる様にして、隙間に海岸の砂と丸い小石を隙間に敷き詰め、お湯が溜まるまで俺は全裸で仁王立ち待機した。

 海岸線付近、しかも島の南。道を整備して馬車を使えば四時間くらいで着くだろうな。

 山に宿泊施設とか無理かと思ったけど、ここに建てよう。頭の中で温泉の有効利用方法を考えながら待ったが我慢できずにお湯が半分位しか溜まってないのに飛び込んで海を見ながら温泉に浸かった。

 今、最高の贅沢をしている気がする!

 排水関係とかもしっかりしたいけど、こんなに海が近いと直接海に流したほうが良いかもしれない。海砂を溝に敷き詰めれば老廃物系は濾せるかな?

 まぁいい、この温泉を記憶しておいて徒歩で湾の方に歩き、南東辺りも調べるか。


 昼近くまで歩いたが草原や低木やオリーブの木、偶に温泉が沸いていると言う事はわかった。

 南に真っ直ぐ歩いた時に見つけた温泉ではしゃいで居た俺の体力を返せ、あと俺。もう無いかもしれないと思ってキープしてるのが完璧に裏目に出てる。

 確かに次はいつ手に入るかわからないって思うと、持っておきたくなる性格なんだよ? ましてや無人島だ。なら持っておきたくなるでしょう? そう頭の中で自分自身に愚痴を言い、夕方になる頃には島の東にあると思われる大きな森っぽいのが見えたので、目印になる木の棒を海岸に立ててから転移して戻った。


「ただいまー、いろいろありすぎて疲れました、これオリーブです。町で油として売っているのを見た事があると思うので使ってください。少し書き物してます」

 そう言って、近くにいた女性にオリーブの実をリュックごと渡し、家の中に入り羊皮紙に、島の事を日本語で(・・・・)纏めた。


注意:太陽が出る方角を東とする。

 東側・湾が有り森林が広く野生の獣や野草や野生化した野菜が多い。仮の村から森の奥に入って行くと、元魔王城建設予定地があり、とりあえず海が近いのでそこに拠点を移す積りでいる。

 更に奥に行くと大きな湖があり、山から水が流れ込んでいないので水が湧いていると思われる。

 山の中腹に温泉があり。頂上付近にハーピー族の住処がある。これからも良い友好関係を築きたい。


北側・島が楕円形なので山までの距離が比較的少なくカカオあり。

 森が深いので街道整備をしつつ森の風通しを良くするために少し伐採の必要あり。ゴブリン多し。


南側・上記と同じで海岸から山までの距離は短い。オリーブの実があり、油が期待できる。

 海岸近くに温泉が湧き出ているので、公衆浴場や観光資源や、買い付けに来た商人や商船の宿泊施設を作っても良いかもしれない。

 基本森が少なく草原で、街道を整備し開墾して麦やジャガイモ。豆を育てて出荷後、第二次産業に繋げても良いかもしれない。

 あと、訳の解らない巨大な繭が低木に群生していたので、製糸関係も可能性あり。

 最悪糸だけを出荷しても良いが、機織りできる職人を雇って、反物で売っても良いかもしれない。


西側・ハーピー族が持って来たコーヒーの実があり。パルマさんと協力して挿し木して、管理しやすい高さにそろえる。要検討。

 意外と森が大きいので、こちらも手を入れて風通しを良くする事を要検討。


備考

 島中央の東、西南、北北西に湖あり。状況は未確認。

 島の近所に水生系魔族が住んでいる、こちらも良い友好関係を結びたいと思っているが、前任の魔王の印象が悪すぎたせいで、マイナスの印象からスタート。

 ハニービーがいる。養蜂時にお世話になり、クイーンビーもいるらしいが見た時がない、個体意識がない為名前が存在しないので一律でハニービーと呼ばせてもらっている。

 植物系の魔物だか精霊だかわからないが、椰子の実のドリアード、パルマさん。ハイビスカスみたいな花のアルラウネ、フルールさんがいる。

 島のほとんどの椰子の木と赤い花が眷属みたいな物で、平行思考で現れる事が可能。アルラウネの方が、個体番号はとか言っていたので、花のすべて把握している可能性が高い。この両名は植物系の相談役として重宝しそうなので、敵対は絶対にしないようにしたい。

 魔王城建設跡地奥に採石所を作るが、他にも岩が隆起している場所があるかもしれないがまだ見つかっていないので、採石量は不明。

 まだ海岸線を一周していないので、どうなっているかはわからないが、南から東へ海岸線を歩いたが、遠浅で湾内くらいしか船が接岸できない可能性大。もし南側の温泉群生地帯に宿泊施設や、主要施設を置くなら魔法で地面の隆起か桟橋を作る必要あり。防衛面的に桟橋の方が堅実な気がするが、これも要相談。


重要:火口付近でドラゴンが住んでいる可能性あり。何かあったら校長に即相談。もしくは次に故郷に戻った時に相談。


注意:三日に一本程度商船が通るが、魔族側の最寄の大陸から六日と聞いている、だがこの島から人族側の大陸まではどのくらいかは不明。


当面の目標:まずは元魔王城建設予定地に拠点を移し、建物が出来たらまず先に医療関係者の勧誘、その後宗教関係者の勧誘。移住者を募り、商店の建設及び島内での通貨の普及。


 んーこんなところか? まだ島民が少なく通貨を必要としてないが、どうせなら島を発展させたいし、まだ日が浅いから病気や怪我もないから良いが、医療関係者は絶対確保したい。

 宗教関係者は、島民のほとんどがまだ人族だからあったほうが良いだろう。この辺は皆に意見を聞きたいところだが、神や共同住宅のジョンソンさんの話だと、人族が偉くて魔族は下劣な存在らしいからな。その辺寛容な宗教家を連れて来るか、大きい教会に殴り込みに行って訳を話し、新人神官でも融通してもらうか?

 医療関係者はさびれた貧民街付近の閑古鳥が鳴いている診療所に手あたり次第入って交渉か。この宗教家と医者は奴隷でもいなさそうだからな。

 宗教家は奴隷でいたとしても、汚職で堕ちたと思うからまず駄目だろ? 医者は患者が少なくて、税金が払えなくて奴隷になった可能性もあるけどまず期待しないほうが良いな。

「おう、カーム。飯だとよ」

 犬耳のおっさんの声で、いきなり現実に戻された。

「あーい、今行きます。あとノックしてくださいよー」

「ちゃんとしたぜ? 何回も。それとなんだそりゃ?」

「日記です。オッサンでも読まないで下さいよ」

「そんな趣味ねぇよ、で、その白いのなんだ?」

「多分蛾の幼虫でしょうね。これを茹でて糸が取れないか試そうと思ってます」

「うへぇ、今から飯なんだからそんな話し止めろよな」

 夕飯はオリーブオイルで焼いた塩味の魚だった。



閑話


女性陣、油を喜ぶ。


A「これってやっぱりオリーブよね? そう言ってたし」

B「でしょ?」

C「どうすれば良いの? ビン詰めでしか買った時無いのよね」

野草さん「潰して布に入れて搾れば油が出ますよ」

A「そうだったんですか?」

野草さん「はい、これを髪に塗ったり肌に塗ったりすれば潤いも回復ですよ」

B「へ、へぇ。余ったらやってみようかしら」

C「そ、そうね」

野草さん「そうですね、最近野良仕事が多いので手に塗りたいです」


A「一応余らせたけど」

野草さん「じゃあ、まず気になるところに塗りましょう。私はやっぱり手ですねー」

B「腕かしら、最近カサカサしちゃって」

C「私は髪です。潮風でゴアゴアしちゃって」

A「んー顔かな」


数日後


男性陣「なんかツヤツヤしてる女多くないか?」

「多いな」

狐耳「女性が綺麗なのは良い事だ、健康的な肌も良い」

「なぁ、あんたは女なら何でもいいのか?」

狐耳「ご高齢の方と幼すぎるのは遠慮する、だが見た目が若い500歳超えているエルフなら平気だ! むしろどんと来い!」

「渋い顔して何言ってんだよ、少し黙ってればかっこいいのによ」


野草さんは可愛い系ワイルドです。

作中で笑いながらキアローレが翼をバサバサしてますが。

羽は背中では無く腕に有るので食事後の羽ばたきは腕を振っているだけです。正直馬鹿っぽく見えます。



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作者が書いている別作品です。


おっさんがゲーム中に異世界に行く話です。
強化外骨格を体に纏い、ライオットシールドを装備し、銃で色々倒していく話です。


FPSで盾使いのおっさんが異世界に迷い込んだら(案)

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