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第63話 島内を適当に冒険した時の事 3

細々と続けてます

相変わらず不定期です


20150331 5万ユニーク達成しましたありがとうございます

ペース的に遅いですがこれからも御付き合い頂ければ幸いです。


 俺は温泉に着くと、今度は寄り道をせずに山の東側中腹にある温泉から南に向かい、下山しつつ麓を時計回りに西側に向かった。

 とりあえず島の南側と北側の探索は後にしてそのまま西に向かう。太陽の位置と現在位置を大体測りおおよそ山の南側だと思う場所に着いた。

 このまま中腹を時計回りに移動すれば他にも温泉が湧いている場所があったかもしれないがとりあえずは後にする。


 山から下りている時に解ったが南と西は草原が多い。これは開墾して畑として整備して区分けして管理しやすい様にすべきだな。

 少し歩くと南西にさっきより大きい湖が有りやっぱり、山から水が沸いて流れ込んでいる訳ではなかった。

「ここも湧き水で湖になった感じか」

 とりあえず調査は後にして、目的の最西端に向かう。


 左手側に湖が見えるし、山から真っ直ぐ西に向かう道には木が少なく歩きやすい。

 しばらく進むと木が見えてきて、赤い実が生っている。ここにコーヒーの木があるのか。

 種を植えるか挿し木するかが問題だけど、とりあえずは場所だけ覚え海岸まで一直線に向かう事にする。

 んー、コーヒーの木って意外に背が高いんだな。テレビとかで見てた時は腰から胸の高さだったけど……。やっぱり剪定されて管理されてたんだな。その辺はパルマさんと相談しつつ、色々頑張ってみようか。

 そう言えばハーピー族が、兎が云々言ってて数が減っているらしいが内需? 自給率? 良くわからんが、食料は極力交易に頼りたくないから、今度村から(つがい)で五組くらい持って来て、試験的に増やしてみるか。家禽類も増やして、肉や羽毛として利用して、ゆくゆくは半野生化させるくらいに増やしても良いかもしれない。こんなに湖が有るなら多分大丈夫だろう。

 問題は兎の脱走だな。大きな木枠を作ってその中に土を入れて飼わないと、大脱走状態になってしまう。一定数確保しておけば野に還して、野生化して全滅しても次の手を考えれば良い。

 そう考えると豚も必要だな。多産で直ぐ大きくなる。そう考えると早急に必要だが、故郷で生きたままの豚を買うのにはどのくらいの値段だったかな?

 羊も毛や肉の為に仕入れたい。家畜達の飼育を考えると、中々骨が折れる作業だし時間もかかる。海賊が集めていた金品を使えば金に物を言わせ大量に買えるが、管理する者がいない。

 その辺は島民が増えたりしたらにしておこうか。まぁ、金自体は限りなく黒に近いグレーだけどな。まずは豚四匹に羊四匹だな。

 それに男に対して女が少ない。最悪事件が起こるかもしれない。まぁ一人で多数相手にしても良いよって言う女性がいても双方の病気が怖いし、何が起こるかわったもんじゃない。この辺の対応もどうにかしておきたい。

 あーもう。兎のせいで、さっきから脱走する為にトンネル掘る時の音楽が、頭の中でループしている。


 色々考えながら歩いていたらコーヒーの森を抜け、見晴らしの良い草原に出たので、日の傾き具合を見て早めに野営の準備をした。

 と言っても防風壁を作るのに土を隆起させ、L字にしてその中で火を起こせば熱が反射して意外に暖かい。背中にも土を隆起させそこからも熱の反射を利用する。

 最終的に真上から見て、左右の角が取れている三角形みたいな形にして、その中で過ごす事にした。

 荷物をそこに纏め、とりあえず新鮮な肉を求め狩りに出る。

 とは言っても草原なので、多分野兎や蛇程度しか期待できないが、獲物が取れるなら干し肉は温存すべきだよな。

 草原よりかは獲物がいそうなコーヒーの森に戻り、意識を耳に集中させ極力風上の方を見る事にしている。

 しばらくして茂みが動いたので、【黒曜石のナイフ】を投げてみたが手ごたえがなく、まだ茂みが動いているので様子を見たら蛇だった。どおりでまだ動いてるはずだ。

 木の棒で頭を押さえマチェットで頭を切り落とし、毒蛇かどうかわからないので頭は土の中に埋めた。

 頭を切ってもその頭自体が危険で、一週間程度毒が残っているから注意が必要らしいし、切り落とした頭に触って口が閉じて、かまれる事もあるらしいからな。

 とりあえず胴体を枝にひっかけ、血抜きをしながら辺りを探索するが兎は取れなかった。

 ハーピー族の言っていた事は本当らしい。

 仕方がないので野営所に戻り、少し離れた所で皮を剥ぎ、内臓を取り除き【水】で綺麗にして枝に巻き付けて焼くか、フライパンで焼くか迷ったが、オッサンが単独潜入するゲームを思い出したので、枝に巻き付けて塩を振って焼いた。


「んー香辛料が欲しい」

 ただただそれだけだった。

 食感や味は鳥に似ているが、臭みが少し気になる。


 火を見つめながらボーっとしていたら、上からバッサバッサと羽ばたく音が聞こえたので上を見ると、さっきの派手なファーシルの父親と思われるハーピーが下りて来た。

「こんな所で何をしている魔王よ?」

「あ、どうも。何をしていると言われたら、島の探索としか言えません」

「どうしてだ? 貴様は魔王で偉いのだろう? 部下にやらせれば良いだろうに」

「確かに偉いかもしれませんが、人族に『島を探索してこい』って言っても無事戻って来れるかどうかもわかりませんし、何が島の利益になるのか、そう言う物があるのかは自分で把握しないといけませんからね。ところでどんな用件で?」

「うむ、太陽が丁度真上と沈む間の頃から見ていたが、魔王になった者と話に来ただけだ、どんな奴なのかを……な」

「そうですか」

「まずは肉と魚を木の実を交換してくれ感謝する」

「いえいえ、こちらこそ物凄く感謝しています」

「む? そんなに美味かったのか?」

「いえ、あの実の種が重要だったんですよ、まぁ実も食べられますけどね」

「種? 確かに種が大きく、食べれば元気になるが味は特になかった気がするが」

「まぁそうなんですけどね……」

「なんだ歯切れが悪い」

「種を火で炙り、焦がしてから粉になるまで潰し、その後お湯で飲むんですよ」

「む?」

「お茶って知ってます?」

「馬鹿にするなそれくらい知っている」

「お茶の代わりになります」

「ほう?」

「苦いですけどね」

「焦がしているんだ、当たり前だろう」

「まぁそうなんですけどね、香りが良いので興味が有るなら村まで来て下さい。そうすれば淹れる事はできます」

「気が向いたら行こう」

「こっちからも話が有ります」

「言って見ろ、いうだけならタダだ」

「そうですね。昼に貰った赤い実ですが、種を利用してお茶に出来るって言いましたよね?」

「あぁ」

「まずはある程度種が必要です。そのためにはそこに有る森から取らないといけません、けどそこの森の赤い実は貴方達の食糧ですよね?」

「もちろんだ」

「勝手に取ると喧嘩になります、なのでまずは昼みたいに、肉と交換って言うのはどうですか?」

「それはありがたい。我々は兎くらいしか狩れぬからな」

「じゃぁ、まずは交換って事で良いですかね?」

「『まずは』ってなんだ? ほかにもあるのか?」

「沢山あります。俺はあの木を綺麗に植えて、大きく伸びない様に定期的に切って、人族でも赤い実を収穫しやすいようにしたいと思ってます。そうすれば貴方達と喧嘩にもなりません。それと兎ですが、増やして肉や毛皮として利用しようと思っています」

「放って置けば勝手に増えるではないか」

「たしかに勝手に増えますが、取りすぎると増える前に減りますよね? 実際先ほど食事の準備をしようと思ったのですが、森の中で蛇しか見つかりませんでした。なので我々が増えやすい様に囲いを作って、その中で育てるのです。そうすれば減りません」

「なんと! 生きて捕まえて子を産ませ育ててから食うのか!」

「はい」

「考え付かなかったぞ」

 んーやっぱり頭も鳥なのか?

「生きたまま雄と雌を連れて来てくれれば、こちらで増やせないか試してみますが。どうでしょう?」

「うむ、何も食えなくなると言う心配が減るなら良いかもしれぬ。わかった。預けようじゃないか」

「ありがとうございます」


 その後雑談していたが、

「先ほどの話の内容を何かに書いてくれないか?忘れてしまった」

 そんな事を言われ少し放心してしまったが、簡易的な地図とメモを取ろうとして持って来た羊皮紙に箇条書きをした。


・赤い実を食べるのに困らない程度の量だったら肉や魚や小麦と交換

・いずれ赤い実がなる木を管理しやすい様に植える

・兎を番で持って来てくれれば増えるかもしれないので預ける


 この内容を忘れるかね?

 まぁ、たまに忘れる事もあるけどね。

 その後、前任の魔王が酷かった事や、娘がやんちゃで困るとか、どうでも良い会話をしながら温泉の話しもしてみた。

「ほう、湯が沸いてるから温かい水浴び場にしたと……」

「えぇ。俺、風呂が大好きなんです」

「湖で水浴びはするが、温かい水でした事が無いな、今度試してみよう」

「後で感想お願いしますね」

「うむ、ではそろそろ私は失礼する」

そう言って飛び立った瞬間に俺は叫んだ。

「メモ!メモ忘れてる!」

「おぉ、済まぬ。暖かい水浴び場の事で頭が一杯だった」

羊皮紙を渡したら即山の方角に飛んで行った。

夜間飛行って危ないよな?そう思いつつ、火の脇に土でかまくらの様な物を作り空気穴を作り寝た。

「あ。お互いまだ名乗ってねぇや」

そう呟きながら寝た。



 んーもう少し地面を柔らかくして寝た方が良かったな。

 そう思いつつ痛くなった背中を伸ばす様に丸めて、伸びをして昨日の防風壁だけを残して干し肉を齧りながら太陽を背にして歩き続け海岸に着いた。

「あら、意外に早かったのね、どう? 収穫は?」

「あーパルマさん。昨日来たハーピー族と定期的な物々交換と、兎を生きて捕まえたら番でもってきてもらえる事になりました」

「へー。それって良い事なの?」

「元々島に住んでた魔族との友好的な付き合いと、兎を繁殖させて安定した肉の供給です」

「ふーん。この子にもお水頂戴」

 水をたっぷりと与えた。


 山の西側は特に何もなく、大きなコーヒーの木の森だけだったな。

 そう思いながらも一旦温泉に寄ってから拠点に戻ろうと思い、温泉に転移したらファーシルが温泉ではしゃいでいた。

「おーカーム!」

 俺に気が付き挨拶をしてきたが、羞恥心とかはないのだろうか? まぁ下半身は毛みたいなのに覆われてるし、胸は毛みたいなのでかくれてるしな。まぁ、子供っぽいから胸に毛が生えてなくても気にはしてなかったけど、下はスパッツ的な物と思っておこう。体のラインが物凄く気になるけど。


「やぁ」

「すげぇなここ!あったけぇよ!」

「まぁお湯だからね」

「とーちゃんとかーちゃんも褒めてたぞ」

「それはなによりだ」そう言って俺は一応前を隠しながら温泉に入り「あ゛~~」と魂の叫びを上げて壁に背中を預けた。

「おーすげぇ声だな」

 バシャバシャとはしゃいでるので、

「ここで暴れちゃ駄目だよ」

 と言ったが無駄だった。

 んー抜けた羽とかは大丈夫か? 後で排水溝でも覗いてから帰るか。

「カーム! そう言えばあの肉美味かったぞ。何の肉なんだ?」

「鹿だよ」

「鹿ってあの頭に変なのが付いてるやつか?」

 頭に手を当てて指を立てている。

「そうだよ」

「すげぇな! 私達は兎を空から攫うだけだからな、お前等すげぇよ!」

「はは、ありがとう」

「んー、暖かい水浴びも中々良いな! なぁ!」

 さっさと上がって、軽く首を振って髪に残っている水を払い飛び去ってしまった。

「落ち着いて、入れねー」


「ただいま戻りましたー」

「どうだった?」

出迎えてくれたのは狐さんだ

「そうですね、ここから真っ直ぐ進んだ山の中腹に有る温泉から太陽に背を向けて左手側に向かって下山して、麓を太陽が沈む方向に向かって歩きましたが左手側に大きな湖が有り、そのまま向かったら昨日の赤い実の森があってそれを抜けたら海でした」

「そうか、おつかれさん」

「ありがとうございます」

 狐さんにはあれくらい言わないと納得しないんだよな。


 そしてお昼時に報告として昨日の夜の事を話した。

「ってな訳で悪いんですけどルートさん。大きな兎が繁殖させられる木箱を作ってください、じゃないと土を掘って脱走しちゃいますから」

「はいよー」

「あと何か不都合はありませんか?」

「あー採石所なんだけどよ。人手が足りなくて中々物資が溜まらないからもう少し人手を増やしてほしんだが」

「わかりました、その件に関しては試したい魔法が有るので自分が行きます。俺だけで取りあえず勘弁して下さい」

「うっす」

「他には? ……ないようなら食事にしましょう、あー食糧の備蓄は平気ですか?昨日ハーピー族の方々に分けちゃいましたけど」

「平気です。干し肉にする分の生肉だったので、特に影響はありません」

「はい、食事前に長々と申し訳ありませんでした、食べましょう」

 そう言うと皆が思い思いの場所で食事をし始める。

 ルートさんが来てから簡易的な椅子とテーブルも作ってくれたのでそこで皆食べる様にしている。

 採石班には悪いけど道中は往復させてもらっている。弁当を持たせても良いかもしれないな。


「やっぱり人手不足感はヒシヒシと伝わって来てますね」

 俺は採石場であまり採掘されてない現実を知り、そう漏らした。

「まぁ固いから仕方ないですよね」

 フォローを入れ、巨大な鋸の様な物をあまり固くない鉱石で作り、出し刃の部分にはとりあえず魔力を気にしないでダイヤモンドを使ってみた。それを高速回転させて両手を前に出し、魔力を送り続けるイメージをして、上から岩盤に押し付けた。石材用のオフカット刃だとかダイヤモンドカッターなんて呼ばれている事もある。公害レベルの石を削る騒音と、粉塵が舞ったので水球をオフカット上部に設置してチョロチョロと水を流し、粉塵だけは押さえたが音はどうにもならない。風魔法でどうにかすれば良いんだろうと思うけど、我慢してもらう。

 多分聞いた事のないような音に、採石班は耳を塞ぐが俺は気にせず左右に動かし切っていく。重いので厚さ三十センチメートルになる様に岩肌一枚を切り、今度は刃を水平にして切る。

 そして石材を三十センチ四方になるように切り出し、人族の職人がどんどん大八車に乗せ加工場に運んで詰んで行く。

 それを夕方まで続け、とりあえずは備蓄が出来たはずだけど運んでいる人族も俺もヘトヘトだ。多分魔法で出したダイヤモンドのせいだろう。


【スキル・属性攻撃・土:5】を習得しました。

 あれだけダイヤモンドを酷使してれば上がるわな。一体この数字はどのくらいまで上がるのかさっぱりわからん。


「今日はもう上がりましょう、俺が無理です」

「魔王様、俺等もですよ。運んでも運んでもキリがねぇ」

「はは、すみません。これなら土台作ったりその辺に敷き詰めたりできるでしょう」

「ありゃなんなんですか? 最初は恐ろしい魔法かと思いましたが、便利っすね」

 人族の男性は汗を拭きながら、カップの水を飲みながら運んだ石材をペシペシと叩いていた。

「ほら、ダイヤモンドって奴があるでしょう? あれって擦れる力に強いので、ああいう風に回転させて使うのに良いんですよ」

「ひゃー、ダイヤを惜しげもなく使うとか凄いっすね」

「魔法で作り出した物だから、魔力が切れると消えますけどね。こんなの幾らでも出せますよ」

 そう言って手のひら大のガラス(・・・)で作った、偽物のブリリアンカットされたダイヤモンド風を出して採石班に渡した。こっちだって魔力切れで気だるいんだよね。

「こんなのがあったら一発で女なんか口説けらぁ」

「ちげぇねぇ!」

「女には見せられねぇな」

「だな」

 俺の出した偽のダイヤモンドを見ながら、そんな事を愚痴っていた。

「魔王様は奥さんと子供が居るって話ですがどんな出会いだったんですか?」

「あー……そうだなぁ。手短に言うと、幼馴染で気が付いたら好かれてた。だからそれに答えた」

「おー愛ですなぁ」

「やっぱりなんか送ったんですか?」

「手作りの髪留めと、耳飾り。それとメリケンサックと銀の腕輪だな」

 あ、しまった。

「メリケンサック?」

「あ、そこだけ忘れて」

「無理っす、どこに武器を送って喜ぶ女がいるんすか! 冒険者でもやってたんすか?」

「村で産まれて、村で育って子育てしているよ」

「普通の奥さんに聞こえるんですけど……」

「普通だよ?」

「あー一回見たくなってきた、どんな感じなんすか?」

「はぁ? そりゃまぁ普通だよ。見た目が人族とあまり変わらないけど、魔族だからこの辺に短い角が生えてるけどね」

 俺はおでこ辺りを指で指した。

「体型とか身長は?」

「そこまで聞いてどうするのよ?」

「「「魔王様の好みが気になるだけです」」」

「……身長は俺より少し高くてスレンダーだ、髪は黒で肩くらいまでの長さだね」

 部下とのスキンシップ的な感じで付き合う事にした。

「んー魔王様より背が高いとか……どんな女なんだ」

「しかもスレンダーって痩せてるって事だよな?」

「黒髪って結構魔族に多いのかな?」

「けどよ、この間のマーメイドさんも中々良かったよな」

「あぁ、そう考えると魔族と子供作るのもありな気がするぜ」

 魔族に偏見がないのは良い事だけど、アジョットタイプの生産だけは勘弁してほしいな。


 無駄話しをてたら村に着いたので、皆で夕食にした。ちなみに偽ダイヤは村に着く前に消えていた。



閑話


魔王様の奥様


A「俺達さ、魔王様の奥さんの事聞いたんだけど人族とあまり変わらないでココに角が生えてるだけだってよ」

B「ほう、魔王様も中々面食いんだな」

A「いや、奥さんの方からのアプローチだったって話だ」

B「んーまぁ現時点で魔王だし、将来有望だと思ったんかね?」

A「幼馴染って話だぞ」

B「って事は子供の頃からか、その奥さんも中々見る目が有るな」

狐耳「なかなか寡黙で美しいぞ、アレは子供の頃から一緒だったから良かったんだと思う、大人になってから会ってたら声をかけ辛い美しさだ」

A「なんだと!」

狐耳「ただ残念な事に胸があまり無い、中性的な顔立ちと女らしい恰好をしないから男からは女に見られ、女からは男に見られることがある」

B「胸が無いのか。俺は大きい方が好きだな」

狐耳「しかも2人居る」

AB「「何だと!」」

狐耳「もう1人は太陽の様に明るく、髪が白くて身長は少し低めで胸はそこそこだ」

A「普通に見えて意外にやり手なんっすね魔王様は」

狐耳「噂だと一目惚れで猛アタックの末に1人目の奥さんが許可したらしい」

B「はぁ。奥さんすげぇな」

狐耳「まぁカームと2人目の奥さんに制裁は有ったって噂だ。吐かせる位の強さで腹を思い切り殴ったらしい」

B「すげぇ奥さんだな恐妻家なのか?」

狐耳「いや。カームにべた惚れで、怒ると怖いだけだ、最近怒って居る所を見た事が無い。ちなみにだが・・・俺より力が強い、しかもレンガを指でつまんでクッキーみたいに割る事が出来て、思い切り握ると湿った土の様に手の平で粉々になって握った手の形になる」

AB「「嘘だろ」」

狐耳「本当だ。カームの奥さんの片方は力が強すぎて子供を産んだ時に力を入れる為の、握る棒を握って粉砕させた」

AB「「何それ怖い」」

狐耳「もし家族でこの島に来ても手は出さない方が良いぞ」

A「し、しませんよそんな事。死にたくねぇ」

B「あ、あぁ。俺も死にたくねぇし」



スズランの怖さは狐耳さんが語ってくれました。



危険な魔法


「魔王様、この魔法って攻撃に使えないんっすか?」

「危ないですよ?」

「どの辺がっすか?」

「押さえつけてないと飛ぶ」

「え?」

「実際にやってみた方が良いな、かなり下がっててください」

そう言って全員を下がらせ手前から奥に回転させるようにして正面の採石所に射出する。

高速回転しているブレードが石に当たった瞬間にノックバック作用で石にかかった刃が引っかかり、真上に飛んで行った。

「ね? これを真横にして飛ばすと横に吹っ飛ぶし、回転を手前にすると地面にめり込めば良いが最悪こっちに向かって、車輪の様に転がって来る。柔らかい敵に当てるなら風で作った刃を飛ばしたほうが良いね、まぁ質量は有るから衝撃は期待できるけどそれならもう少し魔力の消費が低くて強力なのが有る。この石を切る刃は太すぎるんだよね、たとえば石でできた魔法兵器が居たとしてもこの魔法だと表面を削っている間にこっちがやられちゃう。」

「はぁ・・・良く解んないっす」

「そうか、釘を打つのに鋸は使わないだろ?それと同じで、状況によって魔法を変えた方が楽って事です」

「あーはいはい。それなら解りやすいっす」


んーこの世界の知識の水準が心配だな。これは早めに青空学校でも開催したほうが良いか?

けど自分の子供の方が優先順位高いよな。まぁ追々考えよう。

石材切り出しや加工はちょと適当です。

石材や木材はまだ尺貫法が多いですが1尺と言う事で区切りの良い30cmにしました。これなら後々加工して何かには使えるでしょう

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作者が書いている別作品です。


おっさんがゲーム中に異世界に行く話です。
強化外骨格を体に纏い、ライオットシールドを装備し、銃で色々倒していく話です。


FPSで盾使いのおっさんが異世界に迷い込んだら(案)

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