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第02話 初めて魔法を使った時の事

細々と続ける事が出来ました。



学校みたいな施設に行くようになり、簡単な読み書きと、魔法の基礎と簡単な体の動かし方を、朝9時くらいから始めるようになっている。


学校からは「太陽が、あの山の尖った所に来るまでに学校に来なさい」と、見た目が物凄く幼い校長に言われてる。後で聞いたら竜種で村の中じゃ一番年上だけど未だ、幼体らしい。

しかし、時間の概念が少し曖昧だ。困る事は無いが元日本人としては少し気になる。


この世界に時計は無いし、暇な時に日の出の時刻になったら棒を地面に刺し、手をパーにして真っ直ぐ伸ばし小指を地平線に向け、小指の所に太陽が来たら棒の先の影に印をつけ、薬指の所に来たらまた影の先に印を付ける。

印を付けた所と付けた所を線で結ぶと、東と西の大体の場所が解り、パーにしたときの指の開きは約15度、太陽が一時間で動く角度が15度らしいので、大体1時間くらいの時間が解る。

まぁ地球に居た時の知識だし大体の時間は把握できる、あとは線の真上に立って北を見て太陽の角度で大体の時間を体に染み込ませるしかない。むしろ太陽が出て来る方角を自分の中で東と思い込ませた。


「なにしてるの?」といきなり後ろからスズランから声を掛けられたが、「チョットした遊びだよ、面白く無いから今回で終わりさ」

「ん?」

小首を傾げているが、まぁ理解できないと思うのではぐらかす。


【スキル・時間把握:1】を習得しました。


なんか覚えた。こっちじゃ時間の概念があまり無いが、有るのと無いのとじゃ少し違う。


学校が始まるが、男としては幼馴染の起床イベントだろう。

「早く起きないと遅刻するよ!」と言われ、無理やり布団を剥がされ、テント設営会場を見て叫ばれ、寝癖がついたまま学校に走っていく。

そんなありきたりなイベントとか憧れたもんだが、まぁ地球に居た頃は幼馴染なんて男くらいしか居ないし、近くに親しい女の子はいなかった。あれは幻想だ。

学校ではそれなりに交流は有ったけど、告白する、される、まではいかない程度。話が出来るクラスメイト、モブA、ただそれだけだ。


そんなこんなで幼馴染として、大いにスズランには期待しているが、残念な事に俺は前世でもこの世界でも寝起きが良い上に、前世では目覚ましが鳴る前に覚醒して、目覚ましが鳴った瞬間に消すと言う、目覚まし時計はほぼ保険に近い扱いになっていた。


こっちの世界に来てからも、日の出少し前には起きて、少し畑仕事を手伝い、朝食を済ませ、余裕をもって学校に行けるようにしている。


待ち合わせ場所にスズランが5分を過ぎても来ない、余裕を持って行こうと、事前に話をしていたが、5分後にやっと来た。

日本人形のような髪に寝癖が付いていて、とても眠そうだった。


「ねぇ、スズランちゃん。君ってもしかして朝に弱い?」

「・・・?・・・うん?」


駄目だ、まだ頭に血が回ってない、朝食も摂ったのかさえ不明だ。


「待ち合わせに何回目の遅刻だよ、これから学校に遅れそうになったら迎えに行くからな、寝顔見られたくないなら早く起きろよ」

「・・・うん?」


解ってるのか解ってないのか微妙な返事だけど、まぁ一応約束はした。あとでスズランの親にも言っておこう。幼馴染2年やってるけど初めて知ったわ。


なんとか遅刻はしないで学校に着いたが、早速仕切りたがり屋のダンピールのミールがなんか言ってくる。種族的に上位と思っているのだろうか?元日本人としてはどうでも良い。こういう子供ってよくいるよね。


「もう少し早く学校に来た方が良いのでは?」

腰まで有る長い銀髪を揺らしながら、見下すように言ってくるが。

「ああ、極力そうするよ」そう言うだけだった。

こういう奴は相槌を打って軽く流すに限る。けどダンピールって子供の頃病弱って知識が有るけど、なんかそんな様子は一切見られないな。


「お店に林檎が10個置いてあります、4個買ったらお店には何個のリンゴが残ってるでしょう」

・・・なんだろう、なんか凄く馬鹿にされてる気分だ。先生がなんか黒板に丸を書いて線を付けた、爆弾みたいな林檎描いてるし、まぁこの辺りは聞き流す事にしよう。


問題は読み書きだ・・・。こればかりは真面目に受けるしかない、なんだよ「ξ」って、クサイかよ!


学校が終わりスズランと家に帰り、朝の事を両親に伝えようとしたが、おばさんは買い物中なのか、おじさんしか居なかったのでしかたなくおじさんに今朝の事を告げると。


「正直助かる、あいつは寝起きが悪くてな。カーム君ならたぶん起きるだろう」


低い声で筋肉ムキムキで、漫画とかで見る鬼のイメージそっくりなおじさんに言われる。肌の色は赤とか青じゃないけど物凄く怖い。威圧感がすごすぎる。「お義父さん娘さんを」って言った瞬間、手刀で胴体と頭がお別れしそうなイメージしか無いんだよ、見た目がすごく怖いんだよ。任侠映画に出たら一発で売れるぞ。


スズランと別れ昼食を済ませ、前々から思っていた探索に行こうと思っている。


「母さん、ちょっと森に行ってくるよ」

「深くまで入っちゃ駄目よ~?」


なんとも間延びした、のほほんとした母だがサハギンに近い種族なので、水魔法は得意みたいだ、生活用水とかは井戸から汲んでこなくて済んでいる。

風呂も母さんの水魔法と、父さんの火魔法で最低週1は入っている、なんだかんだですごいのか?うちの親は。

俺も魔法使えたら、少し畑仕事とかも楽になると思うんだよな、一応血筋とかも関係有るのか解らないけど、両親が火と水が使えるから覚えられたら良いな。


さて、考えられる程度の覚えられそうなスキルを習得できないか試してみるかな。


まずはあの木に石を投げてみるか。

ヒュン!、ヒュン!ゴ!、ヒュン!ゴ、ヒュン!ゴ!。

あ、兎だ。アレを投石で仕留めたら夕飯が一品増えるか?と思っていたら。


【スキル・投擲:1】を覚えました。


おー案外簡単に覚えるのか、あと投石じゃなくて投擲なんだ。まぁいい、ほかに森の中でできそうな事は何だろう。思い出せ、なんか思い出せ俺。

石を投げようと思っていたら、兎はすでに居なかった。


考える事数分、「毒?そうだ、パッチテストか」確か植物が食べられるか食べられないかの判断だ、適当にその辺の草を数種類摘んで小川の近くに行く。何かあった場合口をすすいだり水を飲んで吐く為だ。

まずは草を磨り潰す、水に付けてさらに潰す。その後に皮膚の弱い所に5~10分押し付けて平気なら唇に塗りつける、その後また5~10分して平気なら舌先、口の中に入れる、その後また5~10分して平気なら飲み込む、飲み込んで1~6時間平気なら無毒だ。不味くても毒は無い、多少の水分と栄養は得られるはずだけど、今は両親が居るし食事には困ってないので、あくまで予備知識の範囲だ。1~6時間も待ってられないのでどんどん試そう。


来た!これはヤバい!適当に選んだ植物の3個目を、二の腕の内側に塗りつけた瞬間から火傷したかのように痛い、これは明らかに毒っぽい。

俺は覚悟を決めて、その植物を水に付け、磨り潰した液体を薄め、口に含みさらに水を口に含み、少し飲み込み我慢する。胃が痛いし気分が悪いものの、吐き出すまでは至ってないので、家に戻り夕食を少しだけ食べ「気分が悪い」と言って寝る事にする。


【スキル・毒耐性:1】を覚えました


寝ている間に毒を克服したらしい、飲み込んだ時点で脳内にアナウンスが流れなかったから2~3日試すつもりだったがあんな思いを繰り返さなくて済んでよかった。



「はーい、今日は魔法の基礎中の基礎を教えます」

ビルゲ先生が真剣な表情なのに軽い感雰囲気で言ってくる。この先生はいろいろと読めなくて困る。


「魔法を大まかに部類すると、攻撃魔法、回復魔法に部類されます、特殊な例で召喚魔法も有りますが、使える種族は限られてきます。人族が数人で異世界から勇者を召喚してると言う噂もあります」

『勇者』と言う言葉に反応し教室内がざわついている。


勇者か、今の俺の姿なら狩られる対象だな。


「攻撃魔法には火・水・土・風・光・闇、が有ります」


属性って案外少ないんだな、物理で殴るゲームみたいに複雑じゃなくて良かった。


「形は特に決まってません。それぞれのイメージで出して下さい。火ならかまどで火が燃えてるようなイメージでも大丈夫です。水なら水玉、そんな感じでそれぞれやってみましょう」


おいおい特に詠唱とか無いのかよ、厨二心をくすぐる詠唱とかよ。


「体の中の魔力、特別な力を意識してそれを火や水に変えるイメージです」


え?そんな簡単で良いの?まずは火だ、かまどで燃えてる火。火だ!

『ボゥ!』

あ。出た。意外にあっけ無く出るもんだな、意外過ぎて変に驚いたわ。


【スキル・属性攻撃・火:1】を習得しました。


初めてでも出るのか、基準が良くわからない。相性?まぁ深く考えないようにしよう。


クラスの中でも初めて魔法が出せた者も多いのか、歓喜の声が上がっている。そして俺は隣に座ってるスズランの方から『ヒュゴーー』と言う異音に気が付いて横を向いたら、手の平を上に向けたまま、勢い良く炎が上がっていて天井を少し焦がしていた。

アスファルト工事してる時のガスバーナーかよ。


「・・・」


スズランはいつも通りの無表情で、何を考えてるのか解らない表情で、驚いた様子もなくただ炎を無表情で見つめている。前髪大丈夫ですか?スズランさん。


その後先生が慌てて水球を、スズランの手に飛ばしてきて無事鎮火させた。


父さん、母さん、僕は魔力はあまり無いみたいです。

この世界基準で、カームが勝手に1時間の基準にしただけです。一日が24時間とは限りません。

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作者が書いている別作品です。


おっさんがゲーム中に異世界に行く話です。
強化外骨格を体に纏い、ライオットシールドを装備し、銃で色々倒していく話です。


FPSで盾使いのおっさんが異世界に迷い込んだら(案)

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