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第23話 俺だけ自由登校になった時の事

細々と続けてます

相変わらず不定期です。


20150607 本編に影響が無い程度に修正しました。

年越際から三か月後


手慰みにトンボ玉作りに精を出す、木彫りの彫刻?知らない子ですね・・・


雪が降らないようになり、先生が学校の再開の通知をしたので、いつも通りスズランを起し学校へ向かうと放課後先生に。

「カーム君は学校に来なくても良い位基本的な事は大丈夫なので明日からは自由登校と言う事になりました。コレは先生同士が話し合った結果です」

そう言われ「はぁ・・・」と返事は一応しておく。

一応卒業は皆と一緒にするらしいので、詳しくはスズランから聞いてくれとの事。

むしろこれは村の為に働けと言ってる様なもんだよな?


隣で聞いてたスズランが帰り際に「明日からも起しに来て」と普段から表情筋有るの?ってくらい、感情を顔に出さないが、少し困った様な表情になったので。

「解った、待ち合わせ場所じゃなくて直に家に行けばいいんだな?」こりゃイチイさんとリコリスさんにも言って置いたほうがいいな。


「ってな訳ですので申し訳ないのですが明日からも起しに来ます」淹れてもらったお茶を飲みながら話をする。

「あらー悪いわねぇ、どうせならこっちの家に住んじゃう?」

ブフッ!ゲッホゲエフンゴフン。盛大にお茶を噴き出した。

「いや、大丈夫です。家からそんなに遠くないですし」イチイさんと二人してお茶を噴き出したのは言うまでも無い。

「あーそっか、空いてる借家に二人で住むのも良いかもしれないわね、カーム君真面目だし料理も得意だし。学校行かないで良いから働けるし、孫の顔がこんなにも早く見れるなんて感激だわー」

「もう少し軽い冗談でお願いします、あと行かないで良い訳じゃなく自由登校です、一応まだ在籍してますし。あと生まれて8年なのに同棲とか流石に収入が不安定ですから」

まぁ中身もう38歳ならどうにかなるけどな。妊娠から出産までの期間は解らんが最悪卒業前に子供ができる事に成る、それは勘弁してくれ。

「あらーそんな事ないわよー、ねぇ? アナタ?」

「お、おぅ」目を逸らしながら少し冷や汗を流している

「私達だって、それくらいには一緒に住んでたもの」


あーうん、駆け落ち的な物だろうか、リコリスさん育ちが良さそうだし、スズランの祖父母も見た事が無いし、鬼神族自体この家族しか見た事が無いからな。

「朝に起しに通わせていただきますのでとりあえずは今まで通りに」

頭を下げどうにかお願いする。

「残念ねぇ」

本当に残念そうだ。


丁度鶏小屋から餌をやり終えたスズランが戻ってきて当たり前の様に俺の隣に座ってお茶を飲みだすが、婿入りした気分を味わった。慣れれば平気なんだろうが正面に座ってるイチイさんの目つきが怖いのでお茶を飲んで誤魔化した。何も言ってこないのは多分リコリスさんが釘を刺してるに違いない。


睨まれながらお茶を飲んでると「カーム、鴨を飼いたいから手を貸してほしいの」突然言われ、二人の顔を見ると首を縦に振っているので事前に相談は有ったらしい、すでに承諾済かよ。

「あー、ああ構わないけど・・・どれ位飼うの?」

「んー?」10秒ほど沈黙の後「つがいで10組20羽位?」

ブフッ!と今度はイチイさんだけがお茶を噴き出す。

「あー多いんじゃない?ほら、イチイさんも少し驚いてるみたいだし、少し減らして4羽とかにしたら?」

「少ないと増やすのが大変、鶏みたいに頻繁に卵産まないから最初は多い方が良い。卵を産む時期はもう少し暖かくなったらだから。あと産む量も1羽で10個位だから2組だと1年目にはそんなに食べられなくなる、何羽飼うにしても早めに決めたい」

「お、おう」

肉が絡むと普段より多く喋るな、初めてこんなに喋ってるの聞いたぞ。

「じゃぁ、3から4組買って、育てて足りない分は村の共同池の鴨を買うって事で良いんじゃないか? 養魚所の所に水鳥も飼うって話になってるし」

「んー」今まで見た時無いほど真剣な表情でたっぷり30秒ほど悩み「解った」とだけ言った。

ずいぶん長考だな。


イチイさん立ち合いの下、大体どの辺にどの規模の池を作り範囲はこれくらいと決め、棒で線を引き角に棒を刺しておく。

これで手の空いた時に作れる。

ちなみに「資材はこっちで用意するからお願い」と言われた、気分は「娘に犬小屋作ってー」と言われたお父さんですかね?

俺、木材と物凄く相性が悪いけど平気ですかね?



昨日の夕飯の時に学校で言われた事を両親に言うと。

「何をするか解らないなら村長に聞きに行け、お前は俺と違って頭が良いから何か村の役に立つ事を言われるかもしれないが頑張るんだぞ」

「そうね、それが無難ねー」

そう言われたらそうするしか無くなる、まぁそうなんだよな、あの話し合いの件で俺はなんか村の人達から期待されてるらしい。まぁどうにかなるだろう。


そしていつも通りスズランを起こす。

そのまま学校に行きたい所だが村長をまず探さないといけない、あの人どこに居るか解らないからな。


村の広場で「そんちょーー!・・・そんちょぉぉーー!」と叫ぶが出てこない、いつもなら背後から沸くか、死角から出て来るんだが。

まぁ良い居ないならスズランの鴨の件を片付けよう。


一応朝に会ったとはいえ、挨拶くらいはしないとな。

「んじゃ作業はじめますねー」とリコリスさんに伝え「お願いねー」と言われる。


まずは指定された角に杭を打込み、スコップを寝かせて地面に置き、大体の距離を測り大体真ん中に、さらにその真ん中にと均等に杭を打つ。

魔法で畑を作る様に土をかき混ぜて田んぼを作る様に水を張り、水が地面に染み込みにくい環境を作る。

どうにか疎水から水を引き、簡単な池を作る事に成功。水が減ってきたら疎水の堰を開け、足す様にした。汚水が綺麗な疎水に流れるのを防ぐためだ。水鳥の池って意外に汚いからな。

あー、後で村の養魚所の水質を綺麗にする生き物でも見つけてきて投げ入れるか。小川の海老とか田螺(たにし)とか。


後は隣に見える鶏小屋を見様見真似で作り。麦藁を敷いて置く、そうすれば勝手に寝床を作るらしいからな。なんか増やす積りらしいから少し大き目に作った。


コンコンコンと釘を打つ軽快な音が鳴り響く中いきなり背後から。

「先ほど呼びましたか?」と声がかかり釘を打っていた金槌で木材を叩いてしまい少しへこんだ。


相変わらず神出鬼没だな、気配もないし、この人【隠遁】とか隠密系のスキル持ってんじゃないか?足音もしないからな、さっきは金槌振ってたから足音は聞こえなかったけど。


「えぇ、今日から学校が自由登校となりまして、1年ほど暇なんですよ。で、俺は村で何をすればいいか、聞きに行ったんです」

「うーむ、本来は学校に行ってる身分じゃからのう、なにも考えて無かったわ、何か思いついたら言うからとりあえずは普段通りにしておいてくれ、多分見張りとか見回り、あとは話し合いの参加程度じゃな、後は何かあったら大人に交じって狩りか討伐か。そう考えておいてくれんか」

「解りました覚悟はしておきます」

そういうと普通に歩いて村の中央の方に歩いて行くが、別段おかしい所は無い、あの神出鬼没な行動はどうやってるんだろうと思うが見えなくなるまで見ていたがおかしい所は無かった。不思議な爺さんだ。



作業2日目で柵の間に板を通し完成させる、板の高さは腰位までで出られない程度には隙間は開けてあるが、家禽だから飛ばないよな?と心配しつつ養魚所の管理をするお姉さんに聞きに行く。

「食用に交配された水鳥は飛ばないよ、飛んでも横に5から10m位かな? この子達は重いから飛べないんだよ、けど空を飛んでる魔物とか強い鳥には注意が必要だね」

と良い笑顔で早速取って来た淡水魚に餌を与えている。

むう、対空対策か、猛禽類なら網とか強めの糸を張れば問題無いけど、魔物はなぁ・・・まぁその辺はスズランに任せよう。


しばらく行っていなかった森の訓練所に海老や田螺や水草を取りに来るが、訓練所は荒れている。

「すまない、あとで整備に来るからな」と言い残し早速探し始める。

目の前を流れてる小川の水を魔法ですくう様にして球体を作り、中を確認する。

水の中で裸眼で見つけられるはずも無いし、水面が常に動いてる上から探せるはずも無いからね。

「あーいるにはいるんだな」と呟き田螺と海老を捕まえ魔法で作った水球の中に確保。なんで水球の外に落ちてこないのか不思議だが気にしない事にする。森の少し奥に有った沼の方に行くと亀も見つけたのでとりあえず捕まえて置く、そして水草も適当に採取して帰る。


帰り際に養魚所に小海老と田螺と水草を入れても良いか?と一応お姉さんに確認を取ってから池に入れる。

そして残りの半分をスズランの鴨池に入れる。亀が可哀想なので池の真ん中に浮島みたいなのを作りそこに放す。早速日向ぼっこして目を細めている所は何とも言えない表情だ。一応亀用の巣箱もつくるか。動物としてあんまり亀は好きじゃないけど・・・あと食べた事無いから味的には何も言えない。


半年後には、浮島を小鴨が占領し亀が可哀相だったので少し大きくしてやった。


学校から帰って来たスズランに「一応完成したよ」と報告すると「ありがとう」と言われ抱き付かれた。俺に感謝してるのか鴨が飼えることに喜んでるのか解らないがリコリスさんがニヤニヤしてたが、イチイさんがいなくて良かったと本気で思う。

その後、池の水が減ってきたら疎水から水を引き入れる様に、と言っておいた、そうしたらイチイさんが鴨を連れて戻って来た。話によると鴨を買いに行っていたらしい、お疲れ様です。


早速池に放してやると嬉しそうに泳ぎだす鴨。そして水の中に顔を突っ込み小海老と田螺を食べ始める。『タニシーーーー!!』と心の中で叫ぶ。

少しでも水質を良くしようと入れたのに・・・何とも言えない表情と心境になった、鴨の居る池の水質改善ってどうやんの?


そして誰から聞いたのかスズランは少し葉物を多くした餌を持ってきてその辺に撒き始めた、もう少し早めに撒いてくれれば田螺の寿命も少しは伸びただろうに、雑食性水鳥舐めてたわ。

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作者が書いている別作品です。


おっさんがゲーム中に異世界に行く話です。
強化外骨格を体に纏い、ライオットシールドを装備し、銃で色々倒していく話です。


FPSで盾使いのおっさんが異世界に迷い込んだら(案)

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