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第22話 なんだかんだで上手く行っている時の事

細々と続けてます

相変わらず不定期です


今回は文字数が少ないです。申し訳ないです


20150605 本編に影響が無い程度に修正しました

冬になり始める頃には、俺が掘った井戸の中を石で補強したり、出来上がった畑に柵を作り、(やぐら)を立て見張りを立て、日替わり自警団もどきを作り巡回している。

櫓も巡回も手の空いている者が「皆もやるから」と言う理由で特に金銭的な物も発生せず上手く回っている。畑とか増えたら「町からでも村からでも良いから専用に雇用した方が良い」と言っておいた。


なんだかんだ言って新規入村者も、村付き合いに慣れ始め自称軽犯罪者も今の所問題を起こさず上手くやっている。


そして雪が降る中、年越祭が訪れるがこっちも特に問題は無かった。


「なぁカーム、お前村の話し合い参加してるんだって?」

「あぁ、なんか参加させられてるんだよ、ひでぇ話だよ」

「けどさ、言った事が村に反映されてるってなかなかすごいよね」

「うんうん」

皆酒を飲むのに慣れたらしく、羽目を外すような飲み方はしていない。


まぁ前世の常識をこっちに当てはめてただ言ってるだけだし、井戸掘りも魔法の応用だからなぁ。


「問題は村長が無計画に畑を広げ無い様に止めさせるのが大変で」

「畑が増えちゃまずいのかい?」

ヴルストとシュペックが興味深そうに俺の返答を待っている、何を期待してるんだよ。

「まぁ、ただ単に管理がめんどくさくなるだけだなー。広ければ広いほど見回りの人数も櫓の数も増える、疎水も伸ばさないといけない、そうしたら畑まで歩いて行くのも面倒だから、家も畑の近くに建てたくなる。そうすると井戸も増やさないといけない。

村の中心にしかない肉屋とかに、買い物来るのも面倒。『なら肉屋を増やそう、酒場も増やそう、あれも増やそう』、そうなって来るとどんどん色々増えて行って最終的には少し離れた所に村が一つ増える事に成る。まぁ集落に近いかな」

「お、おう」

「うん?」

「まぁ畑が広がった所に5から10軒位纏めて家を建てて、井戸掘って、それを『1班』としてその班の代表に管理させるのも良いかなーと思ってる、けどそうすると、今度畑を広げる時の区画整備も疎水の引き伸ばしも面倒になって来るんだよなぁ」

酒が入り愚痴っぽくなってきている。

「この辺は平地で、大きな山も川も無いし、今まで生きてて大雨も無いから、治水も必要ないし、川の向こうに行くのに大きな橋も架ける必要も無い、堰だって灌漑用の小さいので十分だ。ダムだって要らないし路面だって馬車が通るのには十分だしな」

「おう・・・」

「問題は連作障害と虫害だね、連作障害は家畜の糞とか、腐葉土でどうにかなるから・・・クローバーを植えて酪農の飼料にしてもいいな。遊んでる畑に植えよう、そうすると養蜂もできるな、見様見真似で巣箱とか作れるかな、そうしたらソバも良いな、麦角菌も怖いから作らせた方が・・・。米が有ればいいんだけど水田はまだこの辺じゃ見ないな、米は色々と強いからなぁ・・・」


「解った!解ったから今日は飲め!どんどん飲め!じゃんじゃん飲め!疲れてるんだよ!今日はそんな事考えるな、な? 話振った俺等も悪いけど今日は飲もうぜ?」

「そ、そうだよ、今日までそんな事考える必要ないよ」

「そうだよ、飲もうよ、僕つまみ持ってくるよ」

俺は疲れていたらしい、なんか心配されたし落ち着いて周りを見たら喧騒など無くなってて何かおかしいと思い皆こっちを見ていた、どうもグチグチ言ってた積りが、周りが静かだったせいで聞こえてしまったみたいだ。


「そういやシュペック、トリャープカさんとはどうなんだ?最初は少し嫌がってたみたいだけど」

「んー慣れた、別に悪い人じゃないし、少し強引な所も有るけど」あと少し目つきが怖いけど、と小声で呟いていた。

「だって収穫祭の後、少し元気が無かったじゃないか、嫌だったんじゃないのか?」

「あれは・・・まぁ少し無理矢理だったからへこんでただけで嫌いって訳じゃないよ・・・うん」

「そっか、まぁ、嫌いじゃなければいいんじゃないか? 何かあったら相談に乗るからよ」

「ありがとー」

無理矢理ねぇ・・・少し想像しちゃったよ。見た目がメイドさんで、(動きやすい作業服の時も有る)それに襲われる所を、有りだな。

前世の記憶が有るから言える事だけど、まぁグラナーデさんじゃなくて良かったな。


いつもの女性陣にトリャープカさんが加わっただけで特に変わった事も無いしな、ってか3歳ほど年上ってなだけだったらしい。

「私ですか? 学校終わってからはここで用務員として働いてますから皆さんとあまり変わりませんよ」

と笑顔で言われた、この世界の魔族は見た目で歳解らないんだよなぁ。人族はやっぱり普通に成長するんかねぇ? 7年生きてるが未だに見た事が無い。


いつも通り、酔いが回ってきたら女性陣も参加してきてお互い付き合ってる者同士が隣になりテーブルを囲んだ。

もちろん俺の前には肉が多めに盛られている。


そしてやっぱり俺の話になる


「大人達の話し合いに参加して井戸を増やしたり色々したのはカームでしょう?」

「まぁ、俺だけじゃ出来ないけどね」

「魔法で畑耕すのもすごいですよ」

「コツさえつかめば土魔法使えれば誰でも出来るように考えたから」

「鶏小屋の増設。鴨って美味しいの? 美味しいなら庭に池作ってほしいな」

「(ブロイラー位しか食った時無いぞ俺)鶏とはまた違った美味しさが有るって聞いたね、焼くよりスープで煮た方がいいんじゃないか?(鴨南蛮位しか食った時無いよ)」

そして話している最中ずっとシュペックの事をスリスリスリスリ、なでなでなでなで。このトリャープカさんも相変わらずぶれないなぁ。


「まぁ村人も増えて大人達も喜んでるしいいじゃねぇか!問題もまだ起こって無ぇし」

「そうだよね、盗みとかしてたり少し荒っぽい人も居たんだろ? 良く大人しくしてるね」

「最初は怖かったけど皆いい人だよー」

「まぁスラムや低級層や職に困ってる人達だったからねー、心に余裕が無かったんだよ、まぁ村の人達が優しかったから心を開いたんじゃないかな?」

「まぁ問題起こさなければカンケー無いけどな」


ぐでぐでと酒を飲み、スズランも焦らなくなったのか、がっついて来る事は無くなったので、今日はそういう事は無いみたいだ、他の組はそそくさと出て行ったけどね。


そう言う訳なので特に話す事も無くのんびりと朝まで飲む事にした。

ちなみにから揚げが足りなくなり、真夜中に急遽、スズランに鶏を絞めるのを手伝わされるとは思わなかった。

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作者が書いている別作品です。


おっさんがゲーム中に異世界に行く話です。
強化外骨格を体に纏い、ライオットシールドを装備し、銃で色々倒していく話です。


FPSで盾使いのおっさんが異世界に迷い込んだら(案)

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