第18話 初めて町に行った時の事 後編
細々と続けてます。
相変わらず不定期です。
主人公が純潔を散らされるシーンが出てきますが過剰と言う訳では無いですがお気を付けください。
20150531 本編に影響が無い程度に修正しました。
「なぁスズラン、昼は何たべ」「肉」
「あぁ、なんとなく解ってたよ」
宿屋に帰る前に、から揚げを見かけたのでそこに行ってみるかね。
「ここに入ろうぜ、昼前に探索してた時に見かけたんだ、から揚げって言って鶏肉を油で揚げた物らしいんだが」
らしいというのは実際にそう書いて有るけど食べて無いから解らないだけだ。
「それでいい」
そう言って店内に入るが。店内はそれなりに混んでいたが座れない訳じゃない。昼食を少しズラしたのが良かった。
「いらっしゃい、決まったかい?」
種族は解らないが恰幅の良いおばちゃんがオーダーを聞きに来る。
「から揚げのランチと・・・」
「私もそれ」
と短く言い「あいよ」と言って厨房に戻って「から揚げランチ2つ」「あいよ」と言うやり取りが聞こえた。
10分もしない内にから揚げランチが2つテーブルに運ばれてくる。
「あいお待ち!お嬢ちゃんは痩せ過ぎだから1個おまけだよ」とおばちゃんが持ってきてくれる。まぁ、確かに女性らしい所は髪の長さと声位だろう、少し髪を短くしたら、綺麗な中性的な男に見えなくもないからなぁ。
テーブルに有るのは、フォークと皿に盛られた少し多めのから揚げと千切りキャベツに4つ切トマトにマヨネーズと一般的な大きさの白パンに水。流石に米では無いか。残念だ。まぁ仕方ないな。
「「いただきます」」
と言ってスズランがから揚げを口に運ぶ、少しだけ目を見開いたかと思うとモリモリと食べ始めた。熱くないの?
俺も1個食べる、香草で臭みを消してから小麦粉と塩の味付け、まぁ塩から揚げって奴か。良く買ったり作った奴は醤油味が多かったからそっちが良かったが醤油はまだ広く伝わって無いみたいだ。
スズランは手を上げて「から揚げだけ3皿おかわり」
と速攻1皿食べ終えたスズランがオーダーを追加する。良く澄んだ声がザワついた店内に良く響く。「あいよー」と帰ってきたので通ったみたいだ。
「食べ過ぎじゃないか?それとキャベツとトマトが残ってる。ちゃんと食べろよ」
「あげる」
そういうと全くの手付かずの野菜を俺の皿に移してくる。多分残り3皿分も俺の所に来るだろう。
「あいよ、3皿追加ね、なんだい全部お嬢ちゃんが食べるのかい?そんなに食ってるのになんで痩せてるかねぇ? 羨ましいよ」はっはっは!と言いながら戻っていく、本当この肉はどこに消えてるんだ?見た目的に胸は育ってる様子は無いし身長が俺と同じ位になってきた程度だ。
「から揚げ1皿」
とオーダーを追加、まだ2皿残ってるのに追加しやがった。
残りの2皿が無くなる頃にから揚げが届く。
「なんだい、またお嬢ちゃんかい?野菜も食べなきゃ駄目じゃないかい、さっきから見てるが野菜は全部彼氏に行ってるじゃないか?」
やっぱり彼氏に見えますか・・・まぁ好かれてるみたいだし悪い気はしないし。
「ふぅ」と少し短く息を吐いて何か考えてる様な表情をしている。その表情は少し色っぽく見えたが、高確率でお代わりをするかしないかを考えてると思われる。
「俺が出してやるからまだ食べたいなら頼んでいいよ」と言うと速攻で「から揚げ2皿!」と言い放った。よっぽど美味しかったらしい。
おばちゃんが呆れた顔でから揚げを持ってくるが速攻食べ始める。流石に周りもチラチラ見て来るし俺は野菜だけでお腹がいっぱいです、助けてください。
「大銅貨4枚と銅貨6枚ね、見てて心配になる食べっぷりだね、お嬢ちゃんは」
と言われたので素直に払い「俺もここまで食べるとは思いませんでしたよ、あとから揚げ1個おまけありがとうございます」と乾いた声で笑う。「焼け石に水だったけどね」と笑い返された。
4人家族が大衆食堂で頼む位の値段になったぜ。どう言う胃袋してるんだ?俺が出すと言ったから文句は無いが、どこにあのから揚げが入ったか不思議に思う。
後日スズランの家に鶏小屋が出来て嬉しそうに鶏の世話をして居るスズランを見ると「あぁ、やっぱり」と声を漏らすしかなかった。
食堂を出た後適当にぶらぶらしてアクセサリー屋や焼き菓子屋とか回ったが特にアクセサリー類が好きとか甘い物が好きとかは無いみたいだ、むしろ甘い物は俺の方が食った。
しばらく歩くと「行きたいところが有るからついて来て」と言われたので付いて行くがどうもきな臭い。娼館がやたら目に入るようになる。まだ昼ですよー。
「あの、スズランさん?どう見ても逢引宿なんですが行きたい所って。もしかしてここですか?」
「そう、昨日ミールとクチナシと出歩いて予約しておいた」
シンケン!絶妙な顔してたのはこのせいか!多分ヴルストやシュペックも昼に宿に居なかったのもコレか!嵌められた!気を利かせた俺が馬鹿だった、多分ミールがクレープ屋に誘って来たのも囮か!
「まだ昼なんですが?」
「関係無い」
「あー、うー。キャンセル料はらうか」「駄目」
ずるずると引きずられて行く俺、すげぇ力だな、かなり必死じゃねぇか。
仕方ないので、色々と覚悟を一応決めておこう。多分三馬鹿やクラス全員が結託してる可能性が高い。
とある一室に入るが、少し広いベッド、清潔なシーツ、清潔なタオル、水の張ってある桶、肉食獣のような目をしながら鍵を閉めて、甚平の紐を解きながら、ゆっくり近づいて来るスズラン。
目がぎらついたスズランははっきり言って怖かったです。
「大丈夫、今日は当たらないから」
「何が当たらないかは解りませんが、是非手心を加えていただけると嬉しいです、はい」まぁ多分アレの事だろうなと思う。
そう言った瞬間に押し倒され、簡単に腰の辺りにマウントポジションを決められる俺、少し抵抗してみるがスズランは力が強く押し返す事は出来なかった。しかもさらに力を入れて来る。手首が痛い、もちろんキスはから揚げとカステラの混ざったの味でした。
男女逆だよねコレ?
□
はい・・・ただいま日が落ちる直前です。夕日がまぶしいです。今から宿に戻れば夕食には間に合います。前世で経験が無かった訳じゃないがアレは激しすぎです。どこのロデオだよ。
少しげっそりしている俺、ツヤツヤしているスズラン、腕を組んで歩いてると「お兄さん、うちは清潔で安いよー」と話しかけてくるが、無表情で力無く首を横に振り、何かを察したのかそれ以上話しかけては来なかった。
他の引き込みも同じような反応だった。男2人組だと思われて娼館からも誘われたがスズランが睨み返し一発で静かになる。
宿に戻ると、食事が取れる時間だったが全力で動かされた後なので、軽い物位しか食べる気になれない。気を利かせてるのかテーブルには俺とスズランだけだ。
俺より動いていたスズランは普通に食っている。体力の塊かよ!
男共はニヤニヤしていたが、少しげっそりしていて食も細い俺を見てニヤニヤから少し心配するような視線になっている。女子連中も少し目線が心配そうになってる。多分今夜は尋問だな。と思いつつサンドイッチをモソモソ食べて水で流す。
部屋に戻るとヴルストが「どうだったよ?」とニヤニヤしながら聞いてきたので「あぁ?お前ら俺を嵌めただろ?」と力無く返しておいた。全員が申し訳なさそうな顔付きになったので当たりだろう。
「折れるかと思った・・・これだけで察してくれ。俺はもう寝る」
横になる前に見た奴等は股間を抑えていた。
一方女子部屋ではキャーキャー騒いでいた。
◇
翌朝学校が始まる時間に宿を出て帰り際に魔物のゴブリンに2体ほど遭遇したが難なくシンケンが倒し無事に帰る事が出来た。
村に戻った次の日スズランが寝坊したので迎えに行くとイチイさんに散々問いただされたから正直に話しておいた。
ぶん殴られると思ったがそんな事は無かった。最初は怒っていたが最後は「そうか・・・なんかすまねぇな」としんみり言われた。多分許す許さない以前の問題で自分の娘が幼馴染の男を襲ったのが効いたらしい。
「まぁスズランの事は好きでしたし、いつかはこうなると思っていたので俺は大丈夫です」と言ったら少し睨まれた。やっぱ余計な事は言わない方が良いね。
とまぁこんな感じで親公認にはなったがやっぱり場所が無いのでそういう事が出来る機会は少ないと思った方が良いだろう。助かったと思うか残念だと思うか、正直微妙だ。
初めてR18に挑戦しました。
興味のある方は「魔王になったら領地が無人島だった(ノクターン版)」で検索をしてください。
内容の方はある程度察して下さい。コレで色々向上できれば良いんですけどね。




