第0話 転生前の事
2014/06/21 23:13投稿
初作品初投稿で至らない点が多々あるかと思いますがお付き合いください。
複数ヒロインのタグが付いております。苦手な方はお気を付けください。
俺の名前は凪。それなりに人生を楽しんでいたが、死ぬ時は結構あっさり死ぬらしい。
死因は窒息死だ。恋人や浮気相手に、首を絞められたとかでは無い。
急に餅が無性に食いたくなったのだ。
スーパーでよく売っている小分けしてある餅を、安いオーブントースターで焼いて食っていた。良く噛んで、気を付けて食っていたのにもかかわらず、喉に詰まった。一人暮らしで餅を食っていた俺が悪いんだから仕方がない。潔く諦めよう、どうしようも無いし。
それなりに最低限の近所付き合いは有ったので、必死にお隣さんの玄関のチャイムを連打し、ドアも激しく叩く。不幸な事に俺の部屋の両隣の御宅は留守だった。
パニックになり携帯もテーブルに置きっぱなしだ。119番もできない・・・110番だっけ?最初からどちらかに連絡してから、両隣に助けを求めに行けばよかった。
最後の抵抗で、胸を突き出すようにして、肺の空気を押し出すようにマンションの廊下のアルミの手すりで圧迫するが出てこない。
朦朧としながら廊下に倒れこむが、餅が出てこなかった、これはマジで諦めよう・・・。
よく部屋に来る腐れ縁の友人には、俺が死んだら「HDDを物理破壊してくれ」と言ってあるので多分いろいろ未練は無いと思う。
・・・なんか周りが白い、妙な浮遊感も有る、爺さんも居る・・・。
俺は無神論者で、見た物しか信じない。
だが神は居るみたいだ。
「君さー、なかなか面白い死に方するね、たまたま見てたけど」
やけにフランクな爺さんが目の前にいる。日本人だからあの世で裁判受けて、天国か、地獄かと思ってたけど、その辺でよく見る神様らしい見た目の神が出てきた。
子供の頃ウェハースチョコのシールで見たイメージそっくりだ。
あれ?あのシールの神って天空神だったような気がするが、まぁいいか。
「・・・神様・・・ですか?」
「一応そうだけど、やけに間が有ったね?」
対応的に、丁寧語とかの方が良いのだろうか?
「俺は一応日本人なんですが、呼ぶ国の人間を違えていませんか?俺、これから裁判受けないといけないんで、そっちの方に運んでいただけないでしょうか?」
俺は、妙に変な知識だけは有る。
「面白い死に方して悔しくない?個人的に面白い物見れたから、転生とかさせてあげるけど。どうする?」
なんか失礼な事を、堂々と言いやがるぞこのジジイめ!
「転生ってあのファンタジーな小説とか、SFとかによく有る奴ですか?」
「大体そういう認識で良いと思うよ、転生先は地球じゃないけど」
「・・・ますます小説みたいな展開だな」
「言葉遣い、地に戻ってるよ」
どうする俺、色々と質問してある程度条件が良ければ、転生しても良いかもしれない、駄目元でいろいろ聞いてみるのも有りだな。
「質問よろしいでしょうか?」
「いいよ」
「転生した時の記憶の有無は?」
「今のまま」
「何か特殊能力とかの優遇は?」
「チート系って言うのかな?まぁ多少優遇するよ、面白い物見れたお礼、向こうの神に言っておくよ」
「どういう世界ですか?」
「地球で流行ってるファンタジーそっくりかな?中世っぽいって言うのかな?」
「かな?まぁ良いです、転生後は人間ですか?」
「その辺は、向こうの神次第かな?あいつは、捻くれてるから、たぶん人間じゃないね」
「知り合いっすか・・・」
「たまに酒を飲む程度には」
どうするか・・・。記憶が有るのはありがたい、見た目子供で中身年齢プラス30歳とか実際引くけど、転生物ファンタジー小説じゃ有りがちだし。このままの記憶でいろいろ向こうで過ごしてみるのも良いかもしれない。
「せっかくなので転生させて下さい、かなり興味あるんで」
「パソコンの中にある画像も、そっち系が多いしな」
「爺さん・・・なんで知ってるんだ・・・」
「興味が有って、お前の頭の中ちょっと覗いちゃった」
「ぉぅ・・・」
「女性に産まれなければ良いね、産まれちゃったら思考とかが男のままで、オークとかに凌辱されたら最悪じゃん?」
「考えさせないで!」
「まぁ、その辺は向こうの神に言っておくよ」
「マジお願いしますよ!?」
「解った・・・。解ったから安心して、転生して第二の人生楽しんでこい」
そして俺は転生した。