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第134話 魔族側の大陸に行った時の事 前編3

長くなったので3つに別けました。

なので先に1.2を読んで下さい。

16時17時に予約投稿されています。

 一つしかない出入り口を塞ぐように、椅子を置いて果実酒を飲んでいたら、色々な奴が覚醒し始め、俺の方を見てくるが、酒を飲みながら、縛り上げたトローを足元に転がしてたら、襲い掛かっては来なかった。この辺で一番強いって本当だったんだな。

「やあ、足元のこいつが気が付くまで待っててね」

 のんびりと、果実酒を飲みながら、隣にウエイトレスを座らせ、自分の物にしている様に見えるが、勝手に椅子を持って来て、隣に座って離れてくれないので諦めてるし、勝手にそう思わせてる。

「まぁ、帰っても良いけど、通りたければここの修理代払え」

 修理代払うって言ったけど、俺が全額俺が払うとは言ってない。

 なんか、マスターが変な目で見てる気がするが、少し遠いので、気のせいにしておく。

「まて、椅子で殴ってきたのはお前だろ!」

「俺はもう椅子代を払った。だからこの辺の残りは全部お前等だ。まぁ、大半はこの足元に転がってる奴が原因だけどな。話し合って払わせるか、お前等が払え」

「いや……、出来ねぇよ」

「出来る出来ないじゃなくて、やれ(・・)。それが嫌ならお前等が払え」

 そう言って、悪役っぽく足元に転がってるトローに残っていた果実酒を顔にぶっ掛け、覚醒させる。

「……ぶはぁ! なんだこりゃ! う、うごけねぇ!」

「かなり頑丈に縛ってるからね、取りあえず話し合う気はあるかい?」

「この縄ほどいたらな!」

 芋虫の様にウゴウゴ動いてるが、足で転がして、カウンター側を見せる。

「いやいや、暴れそうだから、それはできないね。それとお前が壊したテーブルと椅子と迷惑料を払ってくれ」

「お前が払えばいいだろ! なんで俺なんだよ!」

「いやいや、倒したりはしたけど、壊したのはお前だから」

「お前にお前って言われる筋合いはねぇ!」

「話になんねー。なぁ、こいつって普段から金持ち歩いてる?」

「いえ、払ってる所を見た事ねぇっす」

 俺が椅子で殴りつけた一人が言った。

「んー、どうやって回収すっかなー。マスター、コイツってみかじめ料とか取ってました?」

「いいや、ツケだけだな」

「お前たち、そういうの聞いた事あるか?」

「いえ、ないっす」

「俺もだ」

「あたいも」

 椅子で殴った奴に女性がいたか、悪い事をしたな。しかも狐耳じゃないか!本当にごめん!

「んーどうやって回収すっかなー。肉体労働か? トローさんって今まで真っ当に働いた事ある?」

「ねぇよ! ガキの頃からずっとこんな感じだよ!」

「とりあえずさ、労働力を探しててね。うちで働かない?」

「はぁ!?」

「この辺のならず者を、一気に雇用してこの辺の治安回復も出来れば良いかなーって思ってるんだけどね」

「何言ってんだおめぇ!」

「ん? どうせ軽犯罪しちゃって、働きたくても働けねぇんだろ? ならそういうのいっぺんに雇っちゃおうかな? と思ってね」

 さっき酒をぶちまけたので、カップに酒が無いので【水球】を作り、カップに入れて一旦喉を潤す。ついでに魔法が使えると思わせておいても良いだろう。

「そこから必要な金を俺に払ったら後は自由だ、そのまま働いても、こっちに戻って来ても構わない。三十日働けば釣りも出るぞ」

「後ろに誰が付いてやがる、この町の貴族か? それとも自警団か? 魔王か!」

 良い方向に向いて来たか?

「んー。誰もいないな。強いていうなら俺……かな」

「はぁ?」

「この町を、領地にしてる魔王には悪いけど、俺が……俺が無人島の魔王だ!」

 椅子に座りながら、親指で自分の事を指し、ドヤ顔をしてみる。少しだけ後悔したが、もう遅い。やってしまったものはどうしようもない、続けよう。

「あー、うん。とりあえずさ、魔王の事は隣に置いて置こう」

 そう言って、マスターに話した事を、もう一度話し、働く意欲がある奴だけ残らせ、無い奴は下着にして帰した。中には女性もいたけど、まぁ仕方がない。

「これ売れますかね?」

 服を摘み上げ、マスターに問いかける。

「洗って、孤児院にでも寄付しとけ」

 マスターが答えてくれた。

「寄付ねぇ。貰ってくれるかな? もういっその事、強制的に連れて帰ればよかったよ」

 

「で、トローさん。あんたが残るとは思いませんでした。どんな心境の変化ですか?」

「勝った奴に従う。当たり前だろう」

「どこの当たり前だよ……。まぁ働く意欲だけあれば問題ないです。ですが、みなさんの家をまだ造っていないんですよ。なので六十日くらい待ってもらえればありがたいんですよね」

「おい、誘っておいてそれはねぇんじゃねえのか?」

「いやー、募集掛ける前に、こんな事になっちゃったからね、結構困ってるんですよ」

「なら最後まで面倒見やがれ!」

 たしかに。言い分はごもっともだ。

「ぼろい建造物なら、まだ残ってますが? あまりおすすめできないんですけど。それに、本格的な稼働をしてないから、まだお金使う所無いですし」

 森の方に引っ越してから、搬入用倉庫にしか使用してないんだよな。しかも、通過を普及させるのにはまだ時間かかりそうだし。

「色々な噂が流れてるぜ? 定期船が真水補給したり、商船が物を買いに行ったりしてるってな。それに乗れば行き来自由だろ?」

「自分の金で行き来するならな。定期的に島から物品を出荷するために、所有してる船は出るが、まだ魔族側との商人と契約して無いから、人族側にしか船は出てないぞ? それでも良いなら、セレナイトの商人とある程度契約を結んだら帰る予定だけど……」

「それでいい! 俺を連れていけ」

「んーけどなぁ……。トローさん喧嘩っ早いじゃないですか? もし問題起したら更生させますよ?」

「喧嘩しなければ良いんだろ? まかせろよ!」

 そんなに労働意欲に餓えていたのだろうか?それとも金が欲しかったのか?まぁいいさ。魔族が増えれば。

「ってな訳で、残ってるのは全員島に来て労働希望って事で良いですか?」

 そう言うと、奥の方に座っていた奴等も首を縦に振っている。 

「では、トローさんの監視もお願いします」

 そう言ったら、一気に表情が曇った。なんでだよ……。

「まぁ、わかりました。とりあえず皆さんに労働意欲があるという事で、簡単な仕事を与えます。本格的な雇用は、六十日後くらいでしょうか? 先ほども言いましたが、まだ集合住宅が完成していないので、多少不便な暮らしになります」

 二十人くらいだし、どうにかなるよな。まだ波打ち際付近の家が空いてたし。まぁ、他の魔族にも慣れてもらう為に、一時的な緩衝期間として、住まわせてみようか。まだ、素行の良い奴等だと決まったわけじゃないし。

「今より不便な暮らしがあるのか?」

 奥の方が誰かが大声で言い、笑いが漏れる。

「じゃぁ、とりあえず毎日顔は出しますが、いつでも島に行ける準備をお願いします」

 そう言って椅子から立ち上がり、トローさんの紐を【黒曜石のナイフ】で切り、立ち上がらせ、ドアの前の椅子を退かして、皆を帰らせ。マスターにギルドの場所を聞いて、金を下ろしに俺は走った。

 格好つけすぎた!とりあえず大銀貨五枚ってなんだよ。絶対回収してやるからな!


最後だけ中途半端に短くなってしまいましたが、お許し下さい。

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作者が書いている別作品です。


おっさんがゲーム中に異世界に行く話です。
強化外骨格を体に纏い、ライオットシールドを装備し、銃で色々倒していく話です。


FPSで盾使いのおっさんが異世界に迷い込んだら(案)

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