第11話 学校が始まった時の事
細々と続けてます。
内容は少ない上に雑ですがお許しを。
今日も雪だ・・・特にやることも無い。
この世界は四季は有るけれど日の長さが変わらないのが特徴だ、これは秋の頃に気が付いたのだが1年中同じ時間に日の出と日の入りだ。冬に明るい時間が多いのは助かる。魔法で光を作り出すのも面倒だし油代がかさむのも親に申し訳無いからね。
まぁいつも通り仕方が無いので、トンボ玉を作る事にする、黒のガラスを楕円形にして、緑の線と白い点を付けて透明なガラスで表面を覆い徐冷剤に入れる。
しばらくして持ち上げ、俺は出来栄えに「初心者だしこんなもんだろう」と自分に納得させる。
鈴蘭の花は、こっちの世界でまだ見た事は無いけど記憶を頼りに作ってみた。
そして、ただの髪留めに付けて完成。
これは年越祭の時に、それらしい事をしてやれなかった、自分なりのけじめみたいな物だ。今まで経済力が無い事に色々とさり気無くはぐらかしてきたからな、これ位の気持ちは返しても良いだろう。
後は適当に綺麗な模様のトンボ玉を量産していく、村の道具屋にでも売れると思ったからだ。後は編みマットだ。コレは床に敷いても座っても良いので需要は有るだろう。
問題は木彫りの彫刻だ・・・どうやっても熊みたいにならない・・・どう見ても猪だ、兎なんかもどことなく鼠っぽい。
正直彫刻系は駄目かもしれない・・・コレは趣味にしてどんどん腕を上げていくしかないね。
まずはかなり難易度を下げコケシから始めよう、うん。
◇
今日も雪だ、手持ちの小遣いも資材も尽きた。何をしよう?どう時間を潰そう。
そう考えてたら「やっぱ魔法のイメージか筋トレだよな」と言う結論になる。
ちなみに【細工:1】を先日覚えた。
この村は今の所安全だけど少し離れると、魔物が生息している場所も有る、模擬戦の為に筋トレもしておく事にしよう。
腹筋背筋腕立てはお決まりとして、握力も必要じゃないか?と思い雪の降る中森の訓練所に行き少し大き目の石を持ってきた。ちなみに雪の降る森の中で「エターナルフォースブリザード!」と叫んだ。その後「○てつく波動」と言いながら、がに股になり膝を曲げ両手をおでこの辺りに持ってきて口も開いた。誰も居なかったが少し恥ずかしかった。が、神が見てる事を思い出し頭を抱えて絶望した。
家に帰り、魔法のイメージだけをしておいた、非殺傷魔法や地味な魔法や近代兵器の応用魔法も数多く考えた。
実際使えそうなのは『閃光』『細かい砂』『熱湯』『粘液』位に絞れた。
『閃光』はフラッシュバンもしくはスタングレネードを模して作った。光と火属性を組み合わせてみた。小さな爆発だと音が高く短いので、極小の爆発と強力な光を発生させる。目的は目つぶしだ。
『細かい砂』は土属性で粒子が細かい砂を手に発生させ、投げつけるか相手に向かって飛ばすだけ。実に単純。物理的な目つぶしだ。
『熱湯』は水+火属性でイメージ、攻城戦で良く塀の上から撒いてるアレだ。最悪ショック死するけど生き残っても重大な被害が出る。皮膚が爛れ、そこから感染症にかかりやがて死亡する可能性が有る。だからよっぽどの場合が無い限り70度位で相手にぶっかけようと思う。主に対重装備兵目的で作ってみた。塩水にして沸点を上げてもいいが別に98度でも問題無いと思う。
『粘液』は使い方次第で何にでも使えると思い考えた。主に対火属性魔法に考えたけど体に付着させ枯葉や草を貼り付け即席ギリースーツや、砂や土を付着させたりも考えたが今は冬なので腕に塗って終わりにしておいた。
ちなみに熱湯+粘液で流動性の悪い熱々な液体を張り付ける地味に凶悪仕様に出来る。
スタンガンみたいな魔法も考えたが、雷や電気系の発生させる原理が、現状で大規模な物しか思いつかなかったのでこれは保留にしておいた。
◇
少し肌寒いが雪が降らなくなった頃に、森の訓練所で魔法を試した。
『閃光』を足元に発生させたが100万カンデラがどれ位だかは解らないけど、フラッシュライトを覗き込んだみたいに眩しくてしばらく目が見えず、飛行機のジェットエンジンを近くで聞いた時は無いが、とてもうるさくて耳が少しの間、聞こえにくくなった。かなり使えそうだけど使う時は目を瞑ろう。
『細かい砂』は地味だった・・・物凄く地味だった。粒子が細かすぎて投げたり距離指定で発生させたら風に乗って目に入って痛かった。
『熱湯』は熱いの一言だった、小川の横に土魔法で窪みを作り水を引き込みそこに入れ川に湧く温泉をイメージして露天風呂を作ってみたが思いのほか上手くいって良かった。
『粘液』は粘度を調整が出来るようになり、粘度はサラサラの油系から、おもちゃのスライムの様なドロドロ系までさまざま出せるようになった。試しに土の上に落としてみたが小石や砂や土が付着したので即席ギリースーツに出来そうだ。
家に帰り、風呂に入って勝手に熱湯で風呂を少し熱くしたらばれて、次の日から風呂係が俺になった。ちなみに母さん曰く明日から学校が再開らしい。
◇
いつも通り待ち合わせの場所に行くがやっぱりスズランは来ないので迎えに行く事にする。
「お久しぶりです、とっと起こしてきますね」と挨拶をするが。
「昨日ちゃんと言ったんだけどねぇー」と声をかけて来るが、俺は苦笑いしか返せなかった。
いつも通りノックをして声をかけてから入るが、起こす前に、机に折った紙とその上に鈴蘭の髪留めをポケットから出して置いてから肩を叩き、声をかけてから上半身を起こしてから部屋を出る。ちなみに手紙の内容は「冬の間暇だったから作った、良かったら貰ってくれ」と言う簡単な物だ。
ヘタレだから恥ずかしくて長文なんか書けないっす。
いつも通りお茶を貰って飲んで待っていたがいつも通り髪は寝ぐせが付いていて髪留めはしてなかった。まぁ急いでたなら仕方ないよね。
「えー明日から学年が1つあがります、簡単な読み書きが少し減って簡単な体の動かし方から模擬戦が多くなります、魔法の基礎や訓練は今まで通りです」と言われ軽く話をしたり冬の間に何をしてたかをクラスメイトと言い合い、今日の学校は終わった。
明日から2年生か。




