Strawberry War
今回はれおまるさんから頂いた「イチゴ大福」で短編書きました。そして三作品目にしてこのシリーズ初の兄妹の会話があります。
私がスランプのため息抜きで書いてあります。クオリティは当然低いです。
今日のおやつはイチゴ大福だった。
僕はイチゴ大福が大好物なので、食べられるとならば正直嬉しいものだ。
だが、イチゴ大福が好きなのは僕だけじゃない。妹も大好きなのだ。
そしてその妹が虎視眈々と僕のイチゴ大福を狙っている。
「……渡さないからな?」
「うん、わかってる」
そうは言いつつも、目が完全に獲物を狙う獣のものと同じだ。
「……渡す気はないからな」
「よこせ」
さっきと言ってることが違う!?
そうこうしている間に妹はすでに自分の分を食べ終え、本格的にとうとう僕の物に狙いを定めたようだ。
よし、この場を離れよう。
そう思って立ち上がると、妹が出口を塞ぐように先回りしていた。
そして、さながらゾンビというべきなのか、ゆっくりと僕に近寄ってくる。正確には僕の手に握られているイチゴ大福になのだが。
くっ、イチゴ大福はゆっくりと味わって食べたいのだ。妹がいるんじゃそれが叶わん。
「フシャーッ」
「やめろっ、粉が飛ぶ!」
変な奇声を発しながら妹が飛び込んできた。
取られまいと必死にもがいてみるが、無情にもイチゴ大福は妹の手に渡ってしまった。
イチゴ大福を頬張る妹。その幸せそうな表情を見ていると、何だか怒鳴ることができなくなってしまう。
僕は嘆息すると、後で妹にバレないようにイチゴ大福を買ってきて一人で食べようかなと思った。