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第1話 旅のはじまり

城へ連れ戻された王子ドリーは父であるガデインに相当怒られ腹を立てて自分の部屋へと戻っていきました。

部屋へ戻ったドリーは

「なんで外へ出て他の子供達と一緒に遊んだりしたらいけないんだよ…」

と涙を浮かべ呟きました。 と、そこへ執事のセバスチャンが来ました。

「王子、私とお話しませんか」

と王子を気遣って来てくれたのです。セバスチャンはいつもドリーが王に怒られた後に部屋にこっそり来てドリーの話を聞き慰めてくれるのです。

「僕はなんでこの国の王子として生まれてきたんだろう…もうこんな不自由な生活はイヤだよ…」

と、ドリーはセバスチャンに愚痴をこぼしました。 それを聞いたセバスチャンは

「そんな風に思わないでください。ドリー様が王子でなければ私はドリー様とも出会えなかったのですよ。それだしガデイン様だってドリー様を心配して叱ってくれてるのです。ガデイン様の気持ちも少し解ってあげられたらどうでしょう」

と、優しくとも厳しい言葉をドリーに言い部屋を後にしました。 ドリーは無言のまま下を向いたままでした。

やがて夜がきてドリーは不思議な夢を見ました。

『お願い!早く争いを止めて!でなければ人間界は滅んでしまうわ!』

“ガバッ”とドリーは夢から覚めベッドから起きました。

「なんなんだ今の夢は…」

ドリーは流れ出る汗を手の甲で拭き沈黙が続きました。

少し時間経ちやっと落ち着いたドリーはベランダへ出て風にあたりに行きました。

ベランダへ出たドリーは上を見上げ真ん丸い月を眺めていると、月の方からパンドラ・ゲイトの南に位置する“ルナティック・スクエア”という森に1本の光が流れ星のように落ちていったのです。それを見たドリーは悩む暇もなく駆け出していました。

城を門番や見張りの者に見つからないように抜けて行き、パンドラ・ゲイトを抜けルナティック・スクエアの入り口に辿り着いた頃には息が切れていました。 森の入り口は昼間は明るい為そこまで恐くはないが、夜になると誰でも身震いがする程暗く、闇へ吸い込まれそうになる。

ドリーは足がガクガク震え今度は冷や汗が出てきた。しかし、決心をして一歩踏み出した時、後ろから

「武器も何も持たんでその森へ入ろうとは命知らずですのぅ、“ドリー王子”」

ドリーはビックリしてすぐさま振り返った。そこには黒いマントを全身に覆ったおじぃさんがいました。

「武器を持たずその森へ入る事は死を意味しますぞ」

と、続けてそのおじぃさんは言いました。 ドリーは

「でも行かなきゃいけない気がするんだ!」

と、おじぃさんに向かってそう言い放ちました。

すると、おじぃさんは右の口角を上げニヤっとしました。

「では、これをあなたに差し上げましょう。」

と、黒いマントの中から少し錆付いた剣を出し、ドリーに差し出したのです。

ドリーはその剣を手にすると軽く素振りを始めました。

「どうじゃボロいが、軽くて振りやすい剣じゃろ」

おじぃさんは言いました。ドリーは

「うん。剣の事はあまり知らないけど使い易いよ」 「それでは気を付けて行くんじゃよ」

と、おじぃさんは言い残し去って行きました。

「ありがとー!おじぃさぁーん!」

ドリーはそう叫び森へと入って行きました。

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