人類の危機 のプロット?
前書き
本作はあくまでフィクションです。実在の人物や国家が登場しますが、物語内の描写は空想に基づくものであり、現実の出来事や政策とは必ずしも一致しません。
それでも、どうしても理解しがたいのは、経済や国際関係に精通しているはずの政治家たちが、時に自国や人命に大きな負荷をかける決断を下す場面です。たとえば、トランプ大統領の政策も、プーチン大統領の戦略も、一見すると矛盾や非合理に見えます。しかし、それでも戦争は継続され、突然終戦に向かうかのような奇妙な雰囲気が漂う。
そんなとき、作者としては「人の命を軽んじているのか」と憤りを感じざるを得ません。しかし同時に、水面下で何か大きな力や計画が進行しているとしか思えない──その緊張感を、本作では読者の皆さまに体験していただきたいと思います。
短編1:レプリコンウイルス
世界初の「レプリコンワクチン」が完成した。人類は自ら設計したウイルスからワクチンを生成できる時代に突入した。しかし、未知の変異が研究所内で確認され、科学者たちは拡散リスクを極秘に警戒していた。若手科学者リアは、その危険性に直感的な不安を抱いていた。
「もし、これが外に漏れたら…」
リアは同僚とともに、ウイルスの隔離プロトコルを何度も検証した。しかし、限られた施設では完全な安全は保証できない。ある夜、研究室の自動モニターが赤く点滅し、小規模感染が確認された。
科学者たちは慌てた。上層部は公表を拒み、リアたち研究者だけが現実を知る。彼らは隔離装置をフル稼働させ、感染拡大の防止に全力を尽くす。時間との戦いだった。
リアは最後の手段を選んだ。自己犠牲的に感染経路を遮断するため、隔離区画に残り、データを手動で処理する。外の都市規模隔離措置は間に合い、感染拡大は最小限に抑えられた。
研究者たちは科学と倫理の限界を痛感した。リアはモニターを見つめ、つぶやいた。「未知との共生は、まだ始まったばかりだ…」
短編2:太陽フレアの脅威
太陽の活動が異常に活発化していた。地球に接近する大規模太陽フレアの予報が発表され、ベテランエンジニアのケインは管制センターで衛星と通信システムの保護を指揮していた。
「全システム、バックアップモードに切り替え!」
フレアが地球磁場に影響を与え始めると、衛星の観測装置や通信設備が次々と故障した。都市のインフラにも影響が出始め、緊張が高まる。
ケインは手動で衛星通信の復旧を試みる。失われたデータの再取得は困難で、計算をやり直しながら、彼は汗を拭った。フレアは最高潮に達したが、部分的な復旧に成功し、致命的な被害は避けられた。
「人類のテクノロジーは、自然の力にはまだ脆弱だ」
ケインはそう痛感し、次のフレアに備えた。地球は無防備ではないが、完全な防御はまだ遠い未来の話だった。
短編3:隕石落下
NASA職員アレックスは、退職した同僚の残した暗号化データに気付いた。巨大隕石が中国上空に接近しているという警告だった。最新観測機器は太陽フレアで不安定になっており、軌道追跡は難航していた。
アレックスは、現地政府と連携して部分避難計画を策定する。通信や観測の障害に苦しみながらも、危険区域の特定を急ぐ。隕石の落下は避けられない現実として迫っていた。
ついに隕石は都市上空に落下した。火球と衝撃波が街を襲ったが、避難措置のおかげで犠牲は最小限に抑えられた。アレックスは、科学と政治が手を取り合わなければ次の危機は防げないと痛感する。
「人類は、まだ自然の脅威に立ち向かう準備ができていない…」
アレックスは静かにモニターを見つめた。
あとがき
本作で描かれた危機管理や政策決定の背景には、現実の国際関係や経済の影響を少し重ねています。物語内では、アメリカが被害想定の大きな地域に関税を強化する場面がありますが、これは自国の安全やリスク回避のための措置として理解できます。しかし、経済の理論を知り尽くしているなら、半導体など重要分野への高関税は自国の経済に負担をかけるため、現実には1年程度の期限付き運用が妥当と考えられます。
物語の世界では、こうした政策決定は政治家の意思によるものであり、合理性と危機管理の間で揺れ動くジレンマを描いています。また、報道規制が存在しても信ぴょう性の高い情報が全く出ないという状況は、現実世界では考えにくいことですが、情報制御やAIによる高度な監視が介在していると空想すると、物語にさらなる緊張感を加えられます。
現実の政策や危機管理の複雑さを想像することは、フィクションとして楽しむだけでなく、人類が直面するリスクを考えるきっかけにもなるでしょう。
また、少し考えて、すべての短編を1万文字にするか、考えてみたいですが、いま考えられる、妄想の危険性はこのような形になります・・・