草地の火蓋
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森の中から火球がアイス達に向かって幾つか飛んでくる
「アイス」
「分ってます」
アイスは数を合わせて小さな防御魔法を展開する
「上手くなってるね、練習の成果がでてる」
「実戦、かなり積みましたから。でも対人は初めてです」
「大丈夫、落ち着いて対処すればね」
アメリアは何歩か前に出て森に向かって駆け出す
ガキンッ‼
金属が激しくぶつかる音が周囲に響いた
「獲物!シャルムの!」
「獣人ね、かわいいのがでてきた」
アメリアは鉄の鉤爪に引っかかった太刀を抜かせてシャルムを蹴りつける
「それにしても、飛び出してくるなんて随分元気な猫ちゃんだね……って、横入りは危ないよ」
横から飛んできた光弾をアメリアは防いでアイスに目線を送ると、アイスは炙り出すように周りにあった石を弾にして光弾の飛んできた方向に放つ
「いつまで持ちますかね」
アイスが呟いて石を飛ばし続けていると上にレゼンが飛び出し、無数の氷柱をアイスに放つ
「多っ!この量流せって……」
アイスは自分に向かってくる氷柱を防御魔法で防いで反撃の隙を窺う。そしてアメリアとアイスが派手に戦いを演じる背後でレインはフラムと向き合っていた
「作戦、無駄になってしまいましたね」
「そのお陰でこっちは計画通りだよ」
じっくりと互いの動きを観察し、稀に魔法で牽制し合い二人は言葉を交わす
「貴方たち、やはり強いですね。こちらの最も強い戦力を持ってきても互角、普通の者ならもう死んでますよ」
「それはどうも。だけどあんたたちウチらを殺す気ないでしょ?バレてるよ」
「そのつもりだったんですがね、総裁と秘書が本気で殺り合ってるのでそうもいかなくなりました。なので、全力で行かせて頂きますよ」
レインは遂にハルバードを振りかぶってレインとの間合いを詰める
「それは残念だ。そういうことならこっちも応えないとな」
レインとフラムはぶつかるとそれまでの静けさが嘘のように吹き飛び、何手もの攻撃を互いに繰り出していく
「強い、けど対等な相手との一騎打ちはほぼ初めてかな?まだ青さがあるよ」
「図星です。けど、心配に及ぶほどのことではありません」
フラムは間合いを取り直すとナベリウスの配下の下級悪魔を何体か召喚した
「数でおせば問題ないので」
それを見てレインはアイスに叫ぶ
「アイス!悪魔!4!」
「了解!」
アイスもすぐに一瞬の動ける隙を見つけてベルゼブブの配下たる悪魔を呼び出してレインのもとに送る
「これで同数、また互角だよ!」
サーベルの小回りを活かして手数の多さでフラムを押しこもうとする
「くっ。これは、久しぶりに長引きそうですね」
フラムも負けじとハルバードを持つ手に力を籠め、火花を散らした
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