若者の密会
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響いた鐘音が天幕に響くと、アイスが川の字に並んだ三人の真ん中で目を覚ます
「お客さん?こんな遅い時間に来るなんて非常識な……」
寝ぼけてブツブツと文句を言いながら天幕に据えられた木扉を開けた
「誰ですか?こんな時間に?」
「深夜にお邪魔して申し訳ありません、お久しぶりです。ブラウン卿」
「貴方、確か傭兵の……」
怪しさを持つフラムに警戒し、アイスは父から渡されていた短剣の柄にこっそり手をかける
「覚えていて下さいましたか、ありがとうございます」
「それで何の用ですか?敵である貴方がここに来る意味は一つしか無いように思えますが」
「ご安心ください、今の私は丸腰です。夜討なんてできませんよ」
コートを脱いでバサバサと振ってフラムは敵意がないと示そうとする
「それでは、なんでここに来たのですか?」
「貴方に興味がありまして、少し話してみたいと思い来ました」
「僕に……興味?どこにそんな要素があるんですか」
フラムは眼鏡の奥にある糸目を開く
「悪魔との無償の契約、若くしての魔法の威力。そして何故大公の子という身でありながらこんな旅をしようと思ったか?全てが興味深いです」
「ふ〜んそうですか、じゃあとりあえず入って下さい。コーヒーと紅茶、どっちがいいですか?」
「珈琲をお願いします。お気遣い、痛み入ります」
フラムは帽子をとってテーブルについた
「どうぞ。それで、本当の用はなんですか?さっきから何か隠してますよね」
「いえ、そんなことはありませんが……少し独り言を言わせていただきます」
「はぁ」
コーヒーに手をつけ、フラムは上を向くとそのような名目でアイスに語る
「私らの今回の依頼主は王都大司教です。そのお方が、私らにフォックスブラウン伯を殺すように先ほど指示されました。明日の狩りの中で私に似た盗賊に襲われるかもしれません。お気をつけて」
「では、僕も独り言を。その指示を書いた密書などはあったりしますか?」
「私らの依頼主は不用心なようで、こんなものが」
懐からフラムは一通の手紙をテーブルにうまく落とした
「ん?何か私、落としましたか?
それをアイスが受け取ってポケットに入れる
「いえ、何も」
「そうですか、安心しました」
フラムは今までの怪しげな笑顔から、普通の青年の顔になる
「それじゃあこれからはプライベートだ。少し付き合ってもらってもいいかな?」
「えぇ、ぜひ」
突然フラムの雰囲気がかわったことに驚きながらも、アイスは話しを楽しめそうだと感じた
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